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今週の相場見通し3/9~3/13

先週の市況おさらい-3月6日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反落し、前日比579円37銭(2.72%)安の2万0479円75銭で取引を終えました。これで4週連続の下落、2019年9月4日以来の安値となりました。2月28日のニューヨーク市場では、一時-1000ドルまで下げたダウ平均が、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長の声明を受けた後に戻し、357.28ドル安と下げ幅を縮めて大引けしています。週初2日の日経平均は、マイナスから「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努める」とした日銀総裁の談話でプラスに転じるも、北朝鮮による飛翔体発射が伝わり、後場は伸び悩む展開でした。2日のニューヨーク市場は、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で協調緩和の期待が膨らみ、1日の上げ幅としては過去最大となる1293.96ドル高を記録しました。しかし、翌3日の東京市場ではG7の電話会議において「現時点で具体的な政策対応は盛り込まれない」との内容に失望感が拡がり、前日比261円35銭(1.22%)安の21082円73銭で引けました。

3日のニューヨーク市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)が0.5%の緊急利下げを発表したものの、ダウ平均は一時1000ドル以上も下落、結局前日比969ドル安の26121.28ドルというものでした。翌日の東京市場は、米大統領選の民主党候補指名争いでバイデン氏が複数の州で優勢と伝わると海外筋の買いで日経平均は上昇、上げ幅は一時160円を超えましたが、新型コロナウイルスへの警戒感から売りに押され、前日比17円33銭(0.08%)高の21100円06銭で引けました。4日のニューヨーク市場は米大統領民主党候補選でバイデン氏が躍進したことを受けて、上げ幅として過去2番目となる1173.45ドル高と急反発しました。この米国株高を好感して5日の日経平均も、前日比229円06銭(1.09%)高の21329円12銭と続伸しました。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大でカリフォルニア州に緊急事態宣言が出されたことでニューヨーク市場のダウ平均は反落、前日比969.58ドル安の26121.28ドルで取引を終えました。この流れを受けた東京市場、日経平均は前日比579円37銭(2.72%)安の20748円75銭という2019年9月4日以来の安値で週末の取引を終えました。

今週の相場見通しと注目点-今週の相場も新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う各国の動きで上下する展開です。今週の日経平均は13日のメジャーSQがありますのでボラティリティの高い相場が予想されます。そして、ニューヨーク市場では、カリフォルニア州に次いで、ニューヨーク州でも緊急事態宣言がなされたことがネガティブで神経質な反応を見せるでしょう。FRB(米連邦準備制度理事会)による緊急利下げでも株価が下落するなど、既にリバーサル・レート理論が当てはまる状況ではないでしょうか。また、米国債10年物の利回りが一時0.7%を切るなど極端なリスクオフ傾向が見られます。引き続き金利動向には注意が必要と言えます。先物市場では原油価格が1日で10%の下落をするなど、世界的な需要減を見込んだ動きをしています。原油価格の低下は一部の発展途上国にとっては恩恵となりますが、産油国をはじめ、先進国の経済にとってはデフレの原因となり好ましい現象ではありません。それから、中国税関総署の7日発表によると、1-2月の輸出はドルベースで前年同期比17.2%減少、輸入は同4%減という数字も市場にとってネガティブな材料となるでしょう。こうして見ると、今週も厳しい相場が続くものと思われます。

国内の注目点は、9日に1月国際収支、10-12月期GDP改定値、2月景気ウォッチャー調査、10日に2月工作機械受注、2月マネーストック、12日に1-3月期景気予測調査、2月国内企業物価指数、13日に1月第三次産業活動指数、そしてメジャーSQと経済指標の発表が控えています。海外では、10日に中国2月生産者物価指数・消費者物価指数が発表されますが、厳しい結果が予想されます。米国では11日に米2月消費者物価、米2月財政収支、13日に2月輸出入物価、米3月ミシガン大学消費者マインド指数の発表が予定されています。新型コロナウイルスへの懸念が高まり、市場は神経質になっていますので、各経済指標には注意しましょう。相場観はかなり悲観的ですが、G7による経済対策と金融緩和策が足並みを揃えて繰り出される可能性はありますので、株価下落に歯止めの可能性はあると思います。日経平均は2/28安値の20493円を試す展開となると思いますが、現状では20000円割れを想定しておいた方がいいでしょう。

USHIO SUGAWARA NEKO PARTNERS INC. CEO

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