空白の21g たったそれっぽっちの重さ 長く燃やした年の熱は それだけの重さにして消えてしまう 信号の光らない道路 車のない時間に緊張が溶けていく 青黒く空は滲んで 僕は今 息を停めたのだ 酩酊に近い観測状態 言わば死とはまた現世に戻ること 繰り返す21gの責を 僕じゃない誰かが背負っていく 織られた布は人形のよう 手折られた苦悩は印象の虚 そうして忘れ去られてしまうのは きっと、誰かであって 「僕」でもあるということなのか 選んだ言葉も、宿った想いも それを悟る閃きで