見出し画像

【まとめ】カテ先の位置確認をマスターする!

どーも、ねこのてです!!!

 放射線や画像の事を、しのごの言わず淡々と書いてます。

今回は、胸部レントゲンの撮影目的の一つである、カテ先の位置確認についてみていきましょう〜〜!この記事を読んでもらえれば、頻度の高いカテ先の位置確認はバッチリです!

 医療職でない方も、ふ〜んってなると思うので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです!

 病院での医療職の業務を端的にいうと、
検査を通じて「主訴や病態に対する評価」をして、「医学的介入をするかの判断」を行い、「必要であれば介入(医療行為など)をする」事の繰り返しです。

「介入する」ってことは、患者さんに対して外からのアプローチが必要でしょうから、まぁ、色んな事をするわけですよ。
 そんな中でも、例えば、ご飯を食べれない人には、血液を介して栄養を送ったり直接胃に流したりする必要があるので、中心静脈カテーテルというものを首や太ももの静脈から入れたり、胃に直接管を入れたりする必要が出てきます。気道の確保が必要だと判断されれば、気管の中に管を入れる必要だってあります。気管挿管ですね。

 こういった医学的な介入、つまり何か体内に管(カテーテル)を入れるような医療行為を行った後は、ちゃんと正しいとこに入ってんの??って確認が重要で、レントゲン写真の出番となります。(医療行為やったぜ!っていう証拠の意味や、その行為によって有害な事象が発生してないかな?っていう意味でも写真に残します)

そこで、それぞれのカテーテルの先端がどこにあれば良いのかを知らないと、良い処置なのかどうかの判断はできませんよね?ってな訳で覚えちゃいましょう!簡単です!

①中心静脈カテーテル

 様々な理由で、生きていていくために必要な栄養が摂れない患者さんには、高カロリーで、浸透圧も高い栄養剤みたいなものを注射する必要があります。一回ごとに皆さんがよく採血する腕の血管(末梢血管って呼びます。末梢とって〜って感じで使われます。)から注射してたんじゃ苦痛だし、薬剤が濃いので血管へのダメージが蓄積されてしまうんです。

 そこで、ある程度血管径が太くて、そういったリスクが少ない血管に一度カテーテルを留置してしまえば、そこから低リスクで薬剤投与できんじゃん!って考える訳です。
そう言った血管として選択されるのが「中心静脈」です。中心静脈っていうのは、ず〜と体を巡って心臓に帰ってくる直前の血液が流れている静脈の事。右房付近の上・下大静脈を習慣的にそう呼んでいます。

 穿刺する部位として選択される場所は、教科書的には首の内頸静脈鎖骨下静脈大腿静脈ですが、私は内頸静脈や大腿静脈からのアプローチしか見たことありません。

 さて、肝心のカテ先の位置ですが、「右房からおよそ5cm以内の上・下大静脈内」とされています。カテ先が深く右房内に入っちゃうと、心臓の壁を傷つけたり、不整脈の原因になったりするんですよね。
レントゲンの画像で正しいカテ先の位置を覚えましょう!

こんな感じ。

 レントゲンの縦隔影で右房影を追って、その上下に位置する中心静脈を同定してください。(レントゲンの読み方は資料を公開します!!きっと、見違えるようにレントゲン画像が見れるようになります。お楽しみに〜!)「縦隔」は以下を参照。


②気管挿管チューブ

 気管挿管しないと呼吸出来ないので、なかなかに重症な患者さんに対する医療行為です。もちろん、手術とか、他の理由で行うこともありますが。
挿管の際の視野はあんなに狭いのに、さっとやっちゃう救急や麻酔科の先生かっけえなぁ!

さて、正しい挿管チューブの先端位置は「気管の分岐部より3〜5cmくらい手前」って言われていますが、「いや、どこよ」って声が聞こえてきそうなので、画像で確認!

↑ ややファジーな表現になってしまいましたが、こんな感じかな。
まず、気管の構造を同定してください。縦隔内の空気像だから、簡単ですね!そしたら、鎖骨を見つける。これもちょろい。

そうしたら、①右の鎖骨の内側端と、②気管分岐部の下端中点の高さを意識します。その中点から分岐部下端までの領域にチューブ先端があればOK。
挿管チューブが浅すぎると、声帯を傷つけたり、誤嚥につながります。逆に深すぎると主に右側の気管支にチューブが落ち込んで、無気肺とか気胸の原因になってしまいます。片肺挿管です。

③胃管チューブ

 これもまた日常業務でよく目にするはずです!
栄養を目的としたり、溜まりすぎた胃の内容物を吸引したり、薬剤を入れたりする目的で胃の中に留置します。チューブの挿入が浅すぎると、注入されたものが食道内に漏れて誤嚥につながったり、長い期間留置しすぎると胃液が食道内に漏れて食道炎になったりします。このチューブも位置の適切な確認が重要です。

 じゃあ、胃管チューブの適正な位置はどこかっていうと、食道と胃の移行部から10cm以上は挿入されていることが望ましいとされています。
胃管チューブには、X線写真で見やすいように写真に写る線状のマーカーがついていて、チューブ先端付近には側孔が10cmの間隔を空けて2ヶ所開いています。(下図参照)位置の確認にはこの間隔を利用するのです!

マーカーは穴の開いているところには存在しないので、レントゲンの写真ではマーカーが途切れたようにうつります。この途切れがX線写真上ではマーカーの場所だよってサイン。つまりこの間の距離がおよそ10cm。

実際のレントゲンでは胃はこの辺りですが、拡大した絵を描きました!どぞ!

・・・。絵がちょっとねぇ。笑
ま、伝わるでしょう!大目にみてください!!
要は、食道胃移行部から10cm以上の挿入が望ましいってことは、手前のマーカーが胃の内部に5〜10cm入っていれば良いってこと。その距離を確認するには、マーカー間の10cmを利用すれば、だいたいどんくらい入ってるか、定規がなくたって検討がつきますよね。こんな感じです。


とまあ、比較的頻度の高いカテ先位置確認についてまとめてました。

 最初は確認が大切ですが、慣れてくると一回ごとじっくりみなくてもOK!ってなります。写真での確認に見慣れてないスタッフの方や新人さんは、よければ参考になさってみてください!

 今回は少し長くなりましたが、今度はまた別のテーマで。ばいば〜い!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?