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【解剖学】腹部解剖の本質を理解する①

ども!ねこのてです!

 何書こうかな〜って考えているうちに少し時間が空いてしまいました。けど、やっと決まりましたよ!

今回からはですね、「腹部画像解剖」について少し話をしていこうと思っています、ハイ。一般的な見方とは少し違う切り口での考え方になるので、この記事が「これまでとは違う画像の見方をするきっかけ」となれば嬉しいです!

さてさて、放射線技師が扱う画像はですね、レントゲンにはじまりCT・MRI・RI・血管造影・超音波検査など種類が多く、各々に画像解剖知識が要求されます。
ちなみに、このように医用画像を撮影する装置を医療業界では「モダリティ」と呼んでいます。

早速ですけど、ちょっとモダリティごとに画像を見てみましょう。


同じ腹部をうつしているのに・・?


えと、まず腹部のレントゲンとCT、MRIの画像です。

はい。続いて、同じ腹部で血管造影と超音波検査画像です。


 どれも、同じ「腹部」を対象にした検査画像なのに、なんだかうつっている情報がきっと違いますよね?
少なくとも、腹部の解剖をなんとなく知っているだけでは、わからない構造がたくさんある。それぞれの画像を理解するには、「解剖」知識が必要だって言われていることがわかると思います。これらが画像検査の「結果」として出力される訳なんで、そりゃあ、医用画像はよくわかんないって言われますよね・・。

 一般的にですけど、診療放射線技師はよくある解剖知識に加えて、画像解剖・血管解剖・局所解剖というものを勉強したりして各モダリティの画像に慣れていくのですが、それゆえに起こりやすい問題が起こります。

それは、
「それぞれのモダリティ画像ごとに解剖の勉強が必要なせいで、パターン認識の解剖知識となってしまい、腹部が本来持っている本質との繋がりが見えにくくなってしまう」ということなんですね。これに気が付ければ本当の意味で画像を見る力が付くんですが、なかなか理解しにくいのです。
これはとてももったい事で、解決するには腹部解剖の「あるルール」を押さえる事がとても必要です。

言い換えれば、

「腹部の臓器の配列には「あるルール」があって、それが一度理解出来ると、どのモダリティの医用画像も一元的に画像が見れるようになる」という事です。どのモダリティの画像を見ても、全く同じというか、臓器の立体的な構造や解剖が画像上に「見えて」くるんです。どんな画像でもです。体型とか、オペ後とか、そんなの関係なくなります。「本質的に同じ」って感覚!
エコーでも、教科書にないどんな断面だって狙って出せます。

どうして、臓器がなぜその形状をしているのか?どうしてそのような配置になっているのか、答えられますか?

それが答えられるようになれば、腹部の「本質」を理解出来ているという事です。飛躍的に画像を読む目が変化するはずです!

腹部臓器配列の「本質」を押さえる!!

えー、前置きが少し長くなりましたが、
ここからはさまざまなモダリティの画像を「一元的」に見れるようになるための本質を紹介していきたいと思います!二つのポイントを理解しましょう!

まず、一つ目のポイント。臓器の柔らかさに着目して分類します。以下に示します。
ここをまず抑えます。後に臓器の形や配列を理解する手がかりになりますよ!!


【腹部臓器を3つのグループに分類】



① 柔らかい臓器 → 肝臓、脾臓

 これらの臓器は、外力によって損傷を受けやすいため、胸郭の中に入れて保護する必要がある。②のような硬めの臓器に隣接すると、容易に形を変えて変形し、腹腔の隙間を埋める。


② ①より硬めの臓器 → 膵臓、腎

 腹膜腔の後ろで、脊椎を取り囲むように、固定されるように配列されている。

③管腔臓器 → 胃、小腸、大腸、胆嚢

内容物に合わせて大きく変形する。容量に応じて変形できるように、柔軟な腹壁で囲む必要がある。

この3つです。
この時点で、ある程度ですが、腹部の中で①〜③の臓器が配列されるべき場所は見えてきますよね。


よし、次は二つ目のポイント!

【臓器の配列軸を意識する】

 腹部にある臓器には「配列の法則」があるのをご存知でしょうか?
人体はさすがの一言で、お腹にただ臓器を入れているわけではありません。答えから先に言ってしまいますが、左の大腿骨頭〜右横隔膜窩に引いた線が腹部臓器の「配列軸」となります。

こんな感じです。臓器はこの軸に沿って配列されているんです!どういうことでしょうか?

そして臓器はそれ自体も軸を持っていて、これを「臓器の軸」と言います。上述した臓器の柔らかさに着目しながら、これら二つの「軸」を理解することが腹部構造の理解につながります。



次回はこの二つの軸を詳しく説明していきます!!!興味のある方はぜひ!



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画像解剖関連本です!

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