見出し画像

【小説】連綿と続け No.71

皆藤家に現れた2人の女の
「たのもー!!」という叫び声は
工房まで届いた。

航は聞き覚えのあるそのセリフで
誰が来たのかすぐにわかったが、
声の主が1人ではない事に気づき、
工房の窓から外を覗いた。

航)なんで1人増えとるんや……

歌子が玄関に出ていくと
そこにはしかめっ面の春子と高岡がいた。

歌子)あれ……春ちゃん!それと確かあなたは……

春子)お久しぶりです。急に来てすいません

高岡)以前、街コンの帰りにお邪魔しました高岡です。ご無沙汰しております

歌子)そうやそうや!確か侑芽ちゃんの同僚の高岡さんやったね!ほんで今日は……2人してどうしたが?

春子)航さん、いらっしゃいます?

歌子は2人の物々しい様子から
ここに来た理由がすぐにわかり
コソコソ耳打ちする。

歌子)侑芽ちゃんのことやろ?あのね……ウチらも何があったんか聞けんままなのちゃ。ただの痴話喧嘩やて思うて放っといたんやけど……どうも航の様子がおかしいんやちゃ。そやさかい今はまだ……

そう話していると航が出てくる。

航)何の用や

ここから先は

1,811字
大長編なのですが書籍化するまでは値上げせずこちらで公開していきます。

富山県を舞台にした物語。 51話から先はマガジンをご購入いただいた方のみご覧いただけます(¥200)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?