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やりたい事が見つからないまま、就職した結果

「配属されて一日でも、会社を辞めて良いですか?」

昔々、就職難の中、自分のやりたい事が見つからないまま就職しました。
一応、やる気はあったんです。
桃栗三年柿八年、桃好きとして3年は頑張るぞ!

新卒で入社した会社は、専門商社でした。
2週間の研修の後、配属された先は仕入部。
「どこに配属になったの?」
「仕入部です」
「可哀そうね」
10人中9人に言われた事です。

仕入部は3課あり、一般職の女性は1課に4人、2課に2人、3課に1人という振り分けでした。
私が配属された1課は、女性4人が一気に退職する事になり、2人が3ヶ月残って仕事を教えてくれました。

初仕事は電話番。1日、電話番でした。
私は電話が本当に嫌いで、相手の声を言葉として認識する事が苦手です。
「もう、無理……辞めたい」となったわけです。


会社にとって、社員の都合はどうでもよい

社会人になって私が感じた事です。
当たり前の事かもしれません。
労働の対価としてお給料を頂いているのだから、会社の都合で働く事は当たり前です。

社員ファーストの会社があるかもしれません。
ただ私には縁のない世界でした。

働き始めてみると……

配属が決まった後、1課に配属された女性4人が課長に会議室に呼ばれて、担当メーカーが伝えられました。私は会社で1番取引の多いメーカーさんの担当でした。

「習い事とか、早く帰えりたい日があれば言ってね」
課長は仕事の説明の後、そう言ってくれました。
実際は、仕事の調整をするのは自分であり、課長が協力してくれる事はありません。先輩は皆、退職しました。自分でどうにかするしかないのです。

10人中9人が可哀そうと言った仕入部は、残業が多い部署でした。
事務職でしたが「事務職」の範囲は広く、私が事務仕事だと思う様な業務が出来るのは残業時間です。
就業時間中は担当メーカーさんに在庫確認をしたり、注文をしたりといった仕入業務がほとんどでした。
就業時間が終わり、時間外の駆け込み仕事が終わって、営業事務の女性が帰った後に、私達の事務仕事が始まるわけです。

営業にとっても仕入部が残業をする事は当たり前であり、残業なしで帰ろうとしても、就業時間外に新しい仕事を渡して来ます。

メーカーさんも早く帰りたいのは同じです。時間外の問い合わせを嫌がる人もいました。私も嫌です。

猫_イタリヤ

忙しい事が当たり前に……

上司は早く帰る協力はしてくれませんが、メーカーさんとの「お付き合い」が早く終わると、上司命令の名のもとに私達を呼び出します。
会社の経費でお酒が飲めるので、遠慮しないで飲みました。
たまに呼び出しが多いと、休日出勤する事になります。

課長代理になると残業代が付かなくなります。課長が平社員から課長代理になった時、手取りが半額になったという噂がありました。
私も忙しい時の残業代は、基本給の半分位になりました。

会社のスキー部で北海道に行った時、2便に分かれて行きました。先便と後便と希望を聞いてくれるのですが、仕入部の部員だけは希望と関係なく後便です。仕事をギリギリまでする為です。
それ位、残業が当たり前と思われていました。


仕入部の女性は皆、残業が当たり前と思われる事に、怒りを覚えていました。我慢の限界でした。
1度だけストライキを起こして、就業時間が終わると同時に皆で飲みに行った事があります。
もちろん上司には内緒です。でも小心者なので、こっそりと後輩男性社員に残した仕事を受けて貰う様にお願いはしていました。

いつも残業をしている仕入部の女性全員がいっせいに帰るので、まわりはビックリです。その時は、してやったり!の気分で高揚したまま飲んだせいか、とても美味しいお酒でした。

次の日に課長に呼ばれました。
「今度はちゃんと前もって言って」
私からしたら「何言ってんだこいつ」です。
今まで散々、うちの部だけ残業が多いのはおかしいと言ってきたのです。
次の日に回せるかもしれない仕事でも、平気で時間外に渡して来るのです。

1回のストライキでは何も変わらない事は分かっていました。
それでも、課長の言葉にはがっかりです。
今後の働き方を、真剣に考えるきっかけになりました。

会社の都合の中で、自分が望むもの

会社は働く所です。
不景気でも求人をする会社は忙しいのです。
忙しい事、残業が多い事、これは諦めた方が楽になります。

同じ忙しいなら、自分の仕事が目で見て分かる事がしたいと思いました。
例えば、働く会社がメーカーならば自社製品があります。
目に見える物です。愛着もわく気がします。
商社は私には合っていませんでした。

ある人は反対に、メーカーは嫌だと商社に入ったそうです。
メーカー勤務の場合、一時でも工場勤務になる可能性があります。
工場勤務ならば、作業着で働く事になるからです。
スーツを着て働きたいのだそうです。

世の中はまだ就職氷河期でした。
何も武器を持たずに再就職をする事は、難しいだろうと思いました。
そこで私はスクールに通って勉強をし、再就職活動に突入します。

次のブログで、初めての転職を振り返ってみたいと思います。

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