見出し画像

笑顔にハマってしまったフィジー

 私はふだん山に囲まれて生活しているので、旅に出るなら海に行きたい。ゆっくりできるところがいいということでフィジーに行くことにした。

フィジーへは、成田から直行便が出ているが、帰国日に大阪へ戻れなくて無駄な1泊をしなくてはならない。関空から行く方法を探した。

              あった!

香港からフィジーエアウェイズが飛んでいる。しかも往復とも同日乗り継ぎできる。すぐに航空券を予約した。

ワクワクしながら過ごしていたある日、ふくらはぎを肉離れしてしまった。早く良くなるように頑張ったらなんとか歩けるようになった。でも負担がかかるようなことはまだ無理だと言われた。これでビーチリゾートが楽しめるのか不安に思いながら出発した。

ナンディ市内へ
 朝、ナンディに到着し離島への船の出発時間まで市内で時間をつぶす。市場でマンゴーを買ったり、お土産屋さんを見て回ったりした。

画像1

歩き回っているときにすれ違った人が「Hello」と言った。近くの誰かに言ったのだと思ったけど周りには誰もいない。

              あれ?私に?

次の人もまた次の人も「Hello」や「Bula」と笑顔で挨拶してくれる。ちょっと気恥しいけど、どこか心地良い。

キャスタウェイ島3泊
 船に乗り、途中立ち寄る美しい島々を見ては、次はこの島に滞在しようかと考えているうちに時間が過ぎてキャスタウェイ島に到着した。

画像2

歓迎の歌とスタッフの素晴らしい笑顔に迎えられて上陸。チェックインを済ませ部屋に案内されてびっくり。部屋がまさかのビーチフロントブレにアップグレードされていた。

画像3

目の前のきれいな海を見て、たまらず海に足をつけてみた。ふくらはぎに違和感があったけど魚を見つけては海の中を歩き回った。

この足では楽しめないのではという不安は一瞬で吹き飛んだ。

なぜなら何もしなくてもずっと眺めていたい光景がそこにあったからだ。

画像4

海を堪能した後は、島内を散策した。熱帯の木が生い茂った小道があり、すれ違うスタッフがみんな笑顔で「Bula」とあいさつしてくれる。そんな心地良さのなかであっという間にチェックアウトの日を迎えた。

 早朝、どうしてもやってみたかったハンドラインフィッシングに挑戦した。参加者は小さい男の子とお父さんそして私たちの2組だけ。雨で波も高く、時折、横波を受けて大きく揺れながら沖合へ。酔い止め飲んでいて正解だった。

スタッフから釣り方の説明を受けてさっそく糸を垂らしてみた。釣り竿がなく糸と針だけで釣る。海底の少し上まで糸を垂らして指にあたりを感じたら一気に糸を引き上げる。30分経っても誰もあたりがこない。

画像5

場所を変えてもう一度、今度はスタッフがやっているのをじっと見て同じようにやってみた。

              きた!

指にかけていた糸が引っ張られる。一気に引き上げた。

すると途中でスコーンと軽くなってしまった。ばれた…残念。

よしもう一度とやってみたが次も同じだった。ここで時間切れとなり、結局スタッフが2匹釣っただけで終わった。悔しい。

画像6

次回は絶対釣ってやるという思いを残して、スタッフの別れの歌に見送られながら島を後にした。

コーラルコースト3泊
 本島に戻りコーラルコーストのアウトリガーホテルへ。こちらの部屋もまさかのガーデンブレにアップグレードされていた。ここでは専属のバトラーがいる。軽快な足取りでニコニコしながら、毎日、飲み物やおつまみなどを持ってきてくれた。彼は、どこで出会っても笑って手振ってくれて、心が癒された。

画像7

 翌日、ティブア島への1DAYクルーズに参加した。

ゆっくり進む双胴船に乗り到着した島は、想像をはるかに超える美しい島だった。1周10分ほどで回れる小さい島だけど、どこを切り取っても絵葉書のようだった。

画像8

ここのビーチには、ベビーシャークがいると聞いていたので探してみた。

突然周りの人たちが騒ぎ出した。膝まで浸かったところに2匹優雅に泳いでいた。テンションが上がった。周囲の人たちも満面の笑顔ではしゃいでいた。ベビーシャークもサービス精神旺盛なのか通り過ぎることなく何度も何度も周囲を旋回してくれた。

これだけでこの島に来てよかったと思った。

画像9

 次の日は、シンガトカリバーサファリに参加した。

スピードボートが川面をすべるように進んでいく。海とは違って、濃い緑の水、シーンと静まり返った緑の森、なぜか心が落ち着く。

画像10

川辺で水遊びをしている子供たちが手を振ってくれる。ある男性が手を挙げて呼んでいる。スタッフが船をその男性のもとへボートを近づけるとその男性が船首に乗った。そして対岸へ。スタッフは「ローカルタクシー」と言って笑った。観光のために川を使わせてもらっている代わりに住民サービスもしているのだと理解した。

画像11

上流の船着き場で船を降り、近くの村を訪問した。ぐるりと見えている限りの小さい村だった。

村の集会所で村人総出の歓迎会があった。フィジーの伝統であるカバの儀式が終わると手作りの昼食が用意されていた。カレー味の炒め物など名前はわからないけど、どれも村人の心のこもったおいしい料理だった。

画像12

食事後は、ダンスパーティが始まった。私は足が痛かったので、遠慮していたが小さい男の子に手を引っ張られやむなく参加。

1曲終わったので、休憩していたら音楽が始まるとまた誰かが満面の笑顔で手を取りにやってくる。踊ると足が痛かったけれど、村人たちが本当に楽しそうに踊るので、だんだん雰囲気に飲まれて私も我を忘れて最後まで踊ってしまった。

              楽しい!

体は疲れたけど心はいつまでも踊っていた。

画像13

お別れの歌に送られて集会所を出たところで、小さい男の子が2人やってきて、船着き場までの下り坂を一人が私の荷物を持ち、もう一人が私の手を取って案内してくれた。そして、彼らは船が出るまでずっと手を振ってくれた。私は子供たちの屈託のない笑顔と村人のおもてなしの心をお土産に川を下って行った。

このツアーの最後のイベントは、スピードボートによる360度のスピンターン。1回だけだと思ったら5回も。

内臓が飛び出てきそうなスリル!

胃の中まで踊らせてフィジーでの全日程が終了した。

 フィジーでは、笑顔で迎えられ、滞在中も笑顔…笑顔…そして笑顔で見送られるそんな日々を過ごすことができた。

新型コロナで心をすり減らす毎日を過ごす中で、早くまたあの笑顔に包まれたいと思う。

もうすっかりフィジーにハマってしまった。

#私たちは旅をやめられない 、#TABIPPOコンテスト、#関空、#フィジー



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?