えんこー架空の楽曲 魂の全曲レビュー

Twitter界隈を賑わせているマルチクリエイター、えんこーがリリースした架空の楽曲の全曲レビュー
 ※内輪ネタです


踊ってばかりの国 架空の楽曲 「月」

 記念すべき1曲目 「あんたは月には行かないだろう 俺と一緒にコークを飲もうぜ」という短いながらも挑発的な歌詞は想像の余地を広げられる なお、この曲は「初期の段階でリリースされた場合のバージョン」が存在する 歌詞・ボーカルの声質がガラッと変わっていて、こっちはかなりインディー風でアナーキーな雰囲気 聴き比べるのも面白い

サニーデイ・サービス 架空の楽曲 「春の色」

 「あなたと二人で風呂敷広げて 頭にひらりと桜一つ」という歌詞で、桜満開の春の情景が目に浮かぶ 最後のフレーズ「桜ひとつ」でのハモりも聴きどころ なぜか最初から上裸なのもポイント高い

never young beach 架空の楽曲 「夏がさ、」

 細野晴臣イズムを継承した爽やかなシティ・ポップ 「路面電車」「かき氷溶かしてる」と昭和の街を表現したような文学的な歌詞が秀逸 そういえば、春の曲、夏の曲の連続リリースって、フジファブリックみたいでかっこいい

betcover!! 架空の楽曲 「豚」

 「やんちゃな子豚のフラメンコが、俺の脳天を突き破る」とシュールかつグロテスクな歌詞がインパクト大 中盤のシャウトとラストのセリフ「そう純朴な、翼のない渡り鳥…」が一番の聴きどころ この曲、バックミュージックありでリテイクしたらよりかっこよくなると思うから、いつか再録してほしい

GEZAN 架空の楽曲 「月」

 「狂」のようなカオスなコーラスが印象的、このコーラスも自作とは恐れ入った 「13月第1週の月曜日に、月も星も東京のビルも空も真っ赤に染まるという」とレジスタンスかつドラマチックな歌詞が世界観を見事に構築している 新たなステージに到達したといっても過言ではない、アナーキーな名曲

たま 架空の楽曲 「ぐるりん」

 「ぐるぐる回ってるあの子が尻尾のないライオンに丸吞みされる」という寓話的かつ悲劇的な歌詞と、あまりにも知久さんに似てるボーカル 後期たまのアウトテイクって言われても信じられるくらい似てる ボーカルの声質が一番似てる曲といえば「ぐるりん」かもしれない

Summer Eye 架空の楽曲 「紅葉」

 ここからはバックミュージック付き(一部の曲除く) クラブミュージック的なサウンドと相まって、より「架空の楽曲」っぽさに磨きがかけられたように感じられる サウンドモチーフはかなり「大吉」っぽい ハート型のサングラス(それどこで売っているんですか?)をかけるところで毎回笑う、ただ終盤で本人もなぜか爆笑してしまっている

Suchmos 架空の楽曲 「KNTM」

 カメラワーク・映像編集が一番凝ってる曲、特に16秒あたりの編集はまじでかっこいい Suchmosばりのブラック・ミュージックに乗せて、女の子と遊びたいっていう普遍的な感情を歌い上げるんだけど、最後の歌詞は本人の願望がモロに出てる(ここでは書きません、実際に聴いてください)

The Flipper's Guitar 架空の楽曲 「ホワイト・チョコレート・ラヴ」

 「カメラトーク」の時期のフリッパーズのようなポップで軽快な名曲、歌っている彼もどこか楽しそう 歌い方は小山田圭吾と小沢健二を足して2で割ったような印象、本人は納得してなさそうだけど自分はかなり好き 「恋ばかりしてみては いつでもひとりぼっちなのさ」っていう歌詞、奥が深い

はっぴいえんど 架空の楽曲 「ここで一服」

 「ゆでめん」「風街ろまん」の時期のはっぴいえんどを想起させるフォークソング アカペラのみだけどコーラスワークが凝ってるので単調さを感じさせない 一番の聴きどころは歌詞、「お前の後ろ姿」「風に乗って」「黒い煙(けむ)」と言葉のチョイスが解像度高すぎる

カネコアヤノ 架空の楽曲 「おだいじに」

 「あなたにもダメなところはあるんだね また明日抱きしめて 今日のところはお大事に」という優しさが全面に出た歌詞と、繊細なボーカルが秀逸 ラストは長いファルセットを奏でたあとに唐突に終わる、続きも聴いてみたい

SUPERCAR 架空の楽曲 「YASASHISA FORMATION」

 初期スーパーカーのようなシューゲイザー風のギターロック やる気のない平熱なボーカルが如何にもナカコーっぽい イントロ長めで再生時間も長いのでより世界観に浸れる 歌詞はかなり難解、誰か考察してほしい

フィッシュマンズ 架空の楽曲 「IN THE MOON」

 自他ともに認める、「架空の楽曲」の最高傑作 「ナイトクルージング」のような出だし、「IN THE FLIGHT」のような浮遊感、中期フィッシュマンズのようなダブミュージックと、あまりにも似てるボーカルが相乗効果を生み出してる完璧な曲だと思う
 彼はこの曲を作ったあとに「架空の楽曲」を一切リリースしていない ゆら帝が「空洞です」を作った後、「完全に出来上がってしまった」とコメントを残して解散したように、きっと「架空の楽曲」シリーズが完全に出来上がってしまったんだろうな

ゆらゆら帝国 架空の楽曲 「予感」

 (7/24更新)
 暫くの活動休止期間(+アカウント凍結)後、TikTokやYouTubeデビューを経て突如リリースされたまさかの新曲 えんこーリスナー界隈は驚きと歓喜に包まれたと思う
 肝心の曲はすごくいいです 「3×3×3」~「ゆらゆら帝国III」の頃のゆら帝をリスペクトしたようなボーカル+「信号」と「心臓」を掛け合わせた深い歌詞+歌い終わったあとの高音ファルセットで突如終わる構成 活動休止前のクオリティを完全に保ち続けていて安心した


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