蒼穹のファフナーTHE BEYOND 10~12話感想
※※ネタバレかつ否定的な意見ばかりです。ごめんなさい。※※
某サイトに辛辣度を60%に抑えた感想をあげました。その後たくさんの方の感想を読みまして、もっと辛辣な感想でもいいか!と勇気をもらったので、批判的感想を大真面目に書いてしまいました。前回の感想はふざけてますが、今回はふざけてません。
どうして…どうしてこうなった×1000ですよホントに。
なんで?なんでなんでこんなに寂しい?皆が竜宮島に帰れてうれしいはずなのに。フェストゥムとアルタイルとマレスペロを全部解決してすっきりしたはずなのに。ハッピーエンドのはずなのに、寂しくてさみしくて、泣きそうです。
一騎くん
総士に負けたあたりからずっと物語に置いて行かれてたけど、私も置いて行かれてました…。一騎くん、10~12話にいなくてもいいんじゃない?いなくても話が作れそう。総士に否定されるために必要ってこと?人気があるから、無理やり出番作ってないか?そのくらい不自然な印象を受けました。
マークアレスも振り返ってみるとそんなに必要だったのか、疑問です。もっと重要な役割があるのかと思ってました。
総士くん
まじで本当に総士くんってどうして生まれたんですか?分からない…。コアでもないのに。死んでいった他の人は、何で生まれ変われなかったんですか?なぜ総士だけが?続編つくるのに、人気があるから別人だけど、総士を出しとこってなった?アルヴィスのやり方を否定するのに、総士でなくてはならなかった理由がわからない。総士が総士を否定するって、だから何だ?というか…。これまでの犠牲ありきの竜宮島のやり方を否定するの、総士でなくちゃいけなかったのでしょうか?大総士と対比というのはわかります。でもなんで対比させたかったのか、よくわからない。というか、別人なら総士って名前にしない方がいいと思います。一騎が織姫ちゃんを乙姫ちゃんと呼ばないで「君の名前は?」って呼んだ時、一騎はちゃんと区別してる、そこが一騎らしいシーンだなって思ったんです。なのに、なんで別人なのに、同じ名前?それとも別人じゃないんですか?
理解できなくてごめんなさい。でも、ずっと思ってたんです。ここまでなぜ「総士」だったのか分からないと書きましたが、「総士」なのであれば、一騎との関係の修復をもっときちんと描写するべきだと思います。総士だから、一騎との関係を想起させる「総士」という存在ならば、そうするべきだったと思うんです。そして一騎は総士を育ててたんですよね。意味深に総士が海岸を誰かと歩いていたのを思い出してましたよね。総士くん、自分を育ててたのが一騎って気が付いてない。少なくとも決定的な描写はなかった。なんで?
美羽ちゃん犠牲容認問題
一騎も真矢ちゃんも、司令も剣司も咲良も、皆が美羽ちゃんを犠牲にすることを認めてたんですか?それしか道がないから?そうせざるを得ないから?
ビヨンド1話からの一騎は美羽ちゃんを犠牲にするために戦ってたのか?そんなのやだよ。そんなの簡単に受け入れられるわけない。美羽ちゃんって希望だったんじゃないのか?どうして皆、犠牲にするのを容認してるんです?時間がない、それしか道がない、それならそこのところ、ちゃんと描写して欲しかった。こんないきなり既定路線ですって見せられても納得できない。
一期の咲良が同化されて動けなくなったところ、道夫さんとカノンが咲良ごと敵を倒そうとしたのを、剣司が止めたシーン、味方に武器を向けてまで咲良を守ろうとしたのに、剣司まで美羽ちゃんの犠牲を「それしかない」で済ませてるのか。あのシーンだって、真矢と一騎の連携でどうにかしたじゃない。誰かを救うには、それだけの力がないとできないけれど、竜宮島はどうにかできるだけの力があったじゃない。それでなんで?なんでこうなった?
一騎くんと真矢ちゃん
この二人については、結婚とまでは行かずとも二人で幸せに竜宮島で笑っていて欲しいと願っておりました…。しかし冲方さん※、この二人をくっつけるの嫌がってそうだなあ…絶対真矢ちゃんはまた寂しい思いをするんだろうなあ…と思っていたら、やっぱりそうなった。全く楽しくない予想通りでした。
※すみません。勝手なこと言って…。完全に個人の妄想です。
しかしながら、真矢ちゃんに戦ってほしくない、安全なところにいてほしいと言っていた一騎が「一緒にくるか?」と言えたことは、大きな一歩だと思います。この辺の一騎くんの情緒の成長は、牛歩ですが確実に前に進んでいてよかったです。
真矢ちゃんと美羽ちゃんについて
またこの二人が下着やら裸やらにされなかったことは、心の底から良かったと思いました。初めからファフナーがそういう作品だったらまだ耐えられたと思うんですが、どうも特にビヨンドからのそういう描写、無理でした。美羽ちゃんは生まれた時から観てるので、思い入れも深くなりますよね。真矢ちゃんだって、ずっとシリーズ通して出てきていて、中学生のころから観てるじゃないですか。そうしたらキャラクターに対する思い入れってかなり深くなると思うんです。そういう女の子たちにああいう性的消費を意識した不自然な描写をする制作陣が気持ち悪いと思ってしまいました。ひどいこと言ってごめんなさい。こういうの、気にしない方も大勢いるとは思うんですが。
尺問題
なんだかんだ、H&Eの時からあったとは思います。でもまだそれほど致命的な問題ではなかったというか、許容範囲?という感じでした。EXOの終盤から特に尺が足りない問題が顕在化してきて、そのせいで本来もっと説明されるべきことや描写されるべきことが足りなくなってきていました。そこがEXOではとっても残念で、でも全体的には何とかなってたと思うんです。でもビヨンドではさすがにまとまりがなくなってきたというか、エピソードが乱立してぶつ切りになって、全体の流れが混乱してきたように思います。ラストまでに絶対やらなきゃいけないシーンと制作陣それぞれのやりたいシーンをつなぎ合わせたような、そんな印象を受けました。それで思ったんです。まさか、EXOの問題点である終盤のダイジェスト感、制作陣は全く問題だと考えていないのか…と…。
制作陣のビヨンド10~12話は、最終回が何回か詰め込まれてる感じです!みたいな発言があったと思うんですが、その時から嫌な予感はしていたんです。
特にビヨンドからバラバラ感を感じていました。それは、制作陣の中で、ファフナーは一騎の物語だと思っている人、皆城兄妹の話だと思っている人、新生代への世代交代に主眼を置いている人、いろんな人がいるからかなと思いました。それが上手くいかなくて、それぞれが描きたいシーンやエピソードをつなげていったらこうなった、そんな印象を受けました。だから、流れが自然ではないというか、丁寧な心情描写をしている余裕がないんだろうなあと感じました。とても残念でした。
一期で一騎と真矢ちゃんが、雪が降る中で語り合っていて、それを陰から見てるカノンのシーン、剣司が泣きながら一騎に勝負を挑んで勝つシーン、衛が「ハッピーエンドで終わるんだ」と言うシーン、甲洋が最後に一騎と総士を引っ張り上げてくれるシーン。EXOで暉が一騎に「負けませんから」って言うシーン、総士と織姫ちゃんがウルドの泉で話すシーン、甲洋が操にショコラをけしかけるシーン。ファフナーの、そういうところが好きだったなあ。そういうところが好きだったから、観てたんだなあ。戦闘シーンが端折られても、プラモが出なくても、それでもそういう描写に魅かれて観てたんだけどなあ。
だから、最後に一騎世代の皆が竜宮島で笑って過ごしているのが見たかった。平和になったからこそ、それを見せてほしかった。一騎世代の皆が歩んできた道をずっと観てきたから。それが一番見たかったなあ。これが観られなかったから、こんなにすごく寂しいんだと思います。でも、私が観たかった一騎世代の物語はもう終わっていたんだなあ。
一騎と甲洋の旅立ち
「命の使い道を探さないと」そんな理由で旅立たれても、笑顔で送り出せませんよ。なんだその機械みたいな理由は。「平和になったからこそ、世界を見てみたい」とか「ずっと世界を見てみたいと思ってたんだ」とか、そういう人間らしいこと言ってくれたら、まだ分かるんですが、この一言で台無しというか、なんだよ、義務感で旅立つんかい、と思いました。これはエレメントだから仕方ないんですかね。殴られてもいいと思います。お前は楽園でカレーつくって司令にご飯作ってあげて、真矢ちゃんに笑いかけてあげるのが命の使い方だ。ドあほ!!
思うんですが、一騎と甲洋の会話も少なすぎたと思います。本当はEXOの時にあってしかるべきだったと思うんです。それがいきなり二人で旅立つって、そんなあ。甲洋もどういう想いで旅立とうとしたのか、分かりませんでした。小説版準拠にしたよ、ってことでしょうか。なんだか雑な納得の仕方ですが。そもそも、小説版に何で寄せてきたのか?
その他もやもや案件
☆操ちゃん
操ちゃんが犠牲になってしまいました。操ちゃんだけ…。あのう、あっさりしすぎではないですか?なんというか、雑というか…。この件に関連してなんですが、フェンリル大活躍しすぎではないです?そしたらファフナーあまりいらないんじゃ…。
このシーンって、翔子がフェンリル使った時のセルフオマージュ(希望ありver)って感じなんでしょうか。違うかな?
それにしても、最近のファフナー、セルフオマージュありすぎません?ちょっと興ざめしてしまいます。
☆大総士
生きてるのか、死んでるのか、背後霊なのか…成仏したのか…。分からない…。大総士の声が小さい総士くんの口から出てきたと思ったら、今度は幽霊的にどこからともなく声がする。そりゃ、一騎も呆然としますわな。
☆マリス、マレスペロ
特にマリス、もっと描写欲しかったです。結局は尺問題に行き着きますね。
☆バーンズ
出てこなかった。ちょっと気になる。生きてます…か?
☆一騎お眠り問題
一騎がファフナーにのるとお眠になる設定、もう忘れ去られてる?
☆口パク
なんかむしろ口パクを見たら冷めてしまいました。ただでさえ色々会話とか心情描写が不足してんだから普通にしゃべれや!!!と…。視聴者に解釈を任せている場合か?
☆石井さん
なんといっても、一騎を一番理解しているのは石井さんだと思うんです。その石井さんがラジオでなんとなく変な雰囲気だったので、このことでも嫌な予感がしていました。やはりそうだったか…。物語に置いて行かれる(元)主人公かあ…。石井さんの困惑と燻り、視聴者とシンクロしていると思う。
最後に
ここまで不満と批判ばかりでかなり辛辣な文章になってしまいました。なんでこんなに消化不良なのか、色々色々考えますが、ファフナーのファンだった十年以上の時間の中で、自分の期待値や求めるレベルが上がってしまったのが原因かもしれません。ファフナーに出会ってからも、いろんなアニメ観て漫画読んで映画観て本読んで、作品に対して点が辛くなっていることは確かだと思います。
でも、ビヨンドの1~3話を映画館で観た時の「やっぱりファフナーは面白い!」「よくこんな全く予想できない展開を思いつくなあ」「続きはどうなるんだろ!?」と高揚したあの感覚はよく覚えてるんです。ビヨンドが始まってからも布教した友人もいるくらいなんです。だから、10~12話を観てこんなにさみしくて寂しいのが自分の中で折り合いがつかないんです。十何年追ってきた作品の最終話を観て、こんな感情になるのかと…。
ひどいことばかりの文章ですみません。ファフナーが好きすぎて真面目に作品に向き合いすぎたんだと思います。もっと気楽に力を抜いて向き合うべきでした。
あと一騎くんが一番好きなので一騎くんに感情移入しすぎました。これもいけなかった。
ともかく…ずっとずっと戦っていた一騎くん。お疲れ様でした。
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