中国の結婚式に行ったよ②

来たぜ!中国!!
続きだよー!

※只今、中国のどこに居るかも知らずに旅行中ですが、
最終日に「あっちに魯迅の生家があるよ」と指差されて、ようやくわかりました。
紹興市でした。

わたし今、紹興市にいます。

\紹興酒のふるさと、紹興市ー!/

【中国の結婚式に行ったよ②】

待ちに待った結婚式当日の朝。
いよいよ「新郎が新婦をさらう」儀式の始まりです。

〜〜 回想 〜〜

遡ること、出発前の中国料理屋にて。

私「無理難題って、例えばどんなことを要求していいの?」

新郎「そうだなー、お金くれー!とか、好きな所を言えー!とか。あと『歌って』とかが定番だな。俺、人前で歌うの、本当に恥ずかしいから嫌なんだよなー。」

私「ふーーーん」(フラグ)

〜〜 回想終わり 〜〜

新婦の実家に、家族や親族、親友一同が勢ぞろい。
私も、新婦の『親友』としてスタンバイ。本当に嬉しいなぁ。

新郎の到着までしばし待機。
親族一同より国賓級のおもてなしを受ける。

親戚のおじちゃんが剥いてくれた蜜柑を頂く。
『貴方を歓迎していますよ』という気持ちを非言語で最大限に表してくれた。嬉しい。

我が陣営は、何がなんでも新婦を渡すまいと知恵を絞ります。
そうだ、実家の一番奥の部屋に彼女を隠しておきましょう。

ウェディングドレスを着て、
ベッドの上に裾を広げて座っている友人は
本物のお姫様のように美しかったです!
泣いちゃうー!

ここで忘れてはならないのは、新婦の「赤い靴」も同じ部屋に隠しておきます。
お祝いの色の赤い靴、これがなくちゃ新婦は外へ行けないのさ!ふっふっ!

ほな、新郎チームの到着です!

新郎「新婦さんを、僕にください!」

新婦の実家のドアの前で、新郎が叫びます。

新婦チームが叫び返します。

「お前にやるもんかー!」
「どれだけ新婦を愛しているか証明しろー!」

「金をよこせー!」

世界共通。
何はなくとも金です。

お祝いの赤いポチ袋に、ガチの現金を入れて、新郎は玄関のドアの隙間から大量の封筒を差し込んできます。

といっても、1封筒あたり500円程度。
とはいえ、バラまき赤封筒の総額やいかに。
いやいや、これくらいじゃ、あたいらの大切な新婦は渡さないよ!

「もっとだー!もっとよこせー!」
と叫ぶと、赤封筒がどんどん差し込まれ、
わんこそば状態に。

「よーし、いいだろう」
ひとつ難題をクリアすると、新郎は一歩、また一歩と進んでいきます。
やっと玄関まで入れました。

「どれだけ新婦を愛しているか、みんなの前で好きな所を言えー!」

新郎「えっと、優しくて、美しくて、聡明で…」

ちょっと恥ずかしい難題もクリアしながら、
玄関からリビングへ、奥へ奥へと進んでいきます。

来たぞ…!

私「歌ってー!」

皆さん、これが日本人です。
遠路はるばる、無理難題を言いに来ました。

さぁ!歌え!!
あたいらの親友を愛してるなら!!

新郎「〜♪」

…………信じられないくらいスベりましたね!!!

箸が転がっても爆笑だった新婦チームが、
新郎の歌を聴いた途端、凍てつく氷の表情になりましたね。
すまない、新郎。
帰ったらカラオケ行こうな。

気を取り直して、最後の部屋へ。
そうです、ついに新婦が居る部屋まで辿り着きました。

新婦チーム「赤い靴はどこでしょう?」

やいやいヒントを言いながら、「そこじゃない!そこじゃない!」と新郎を煽っていきます。
必死に部屋の中を探している新郎を見守っていると、段々と、
「がんばれー!」「見つけてくれー!」
という気持ちになってきました。
あれ?新婦を渡したくないはずだったのに。
いまや一丸となって、新郎を応援しています。

新郎「見つけたー!」

シンデレラ姫のように
赤い靴を履く我が親友。

さぁ!新婦の足を地面に付けずに、
新郎の実家に帰るわよ!

レトロな住宅街にそびえ立つ、このマンションには、エレベーターがありません。
5階を、おんぶして下るのだ!新郎!!

(これ、日本にも風習として根付いてほしいな)
(むしろ増量して儀式に望みたいな)
と思う筆者なのであった。

マンションの1階まで着いたら、
ここからは文明を使って移動だ!
へい、タクシー!

タクシーの運転手は「あぁ、結婚式ね」くらいの薄いリアクション。
タクシーの中で、私は新郎チームに鞍替えし、今度は新郎を全力で応援します。

新郎新婦の実家はご近所同士。
無事に新郎の実家に到着。
新郎のお母様が花嫁を抱きしめます。

最高だよ…!

あんた最高の花婿だよ!!!

艱難辛苦を乗り越えて、ここまでされちゃあ
あんたを新郎として認めざるを得ないね!!
幸せにおなりよ!!

天国に居る、新郎のお父様の写真にもご挨拶。
お父様、はじめまして。
私、お父様の宝物である新郎新婦と、
遠い海の向こうで出会い、
人生初の居酒屋に連れて行った者です。

幸せのパレードはまだまだ続くよ。
いよいよ結婚式のスタートです。

🇨🇳続く🇨🇳


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