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マーキンググラフ ―もう一つの紙巻き色鉛筆―

 「マーキンググラフ※1」という筆記具をご存知でしょうか?「ダーマトグラフ※2(以下ダーマト)」と同じ紙巻き色鉛筆の商品名ですが、知名度では大きな差があると感じます。職場に置いてあるのもダーマト、百貨店や文房具店で売っているのもダーマト……。
 かくいう私も、マーキンググラフの存在を知ったのはつい最近のことでした。確か、Amazonでダーマトの関連商品として表示されたのがきっかけだったと思います。「ダーマトにそっくりで価格はダーマトより安い※3、とりあえず一度試してみよう」と思い、購入しました。

 マーキンググラフとはどのようなものなのか? それを知るため、株式会社トンボ鉛筆のウェブサイトを見てみます。しかし、「商品情報」にマーキンググラフの掲載はありません。続いてサイト内検索をしてみると、「沿革」に次のような記載がありました。

1955年(昭和30年) 4月 (前略)(発売年推定)紙巻きマーキンググラフ「No.2287」発売。(後略)

出典:株式会社トンボ鉛筆 「沿革」(2024年1月3日 閲覧)

 発売年は推定であるものの、マーキンググラフは発売から70年近く経つロングセラー商品であることが分かりました。なお、ダーマトも「昭和30年から製造※4」とのこと。両者は、ほぼ同級生のようです。 

ダーマト(上)とマーキンググラフ(下)。見た目はそっくり。

 肝心の書き味についてですが、ダーマトと比較すると「滑らか」、色味についてはダーマトより「明るい」印象があり、私はその点が気に入りました。
 インターネット上の情報は少ないマーキンググラフですが、その使い心地はダーマトに勝るとも劣らないものでした。ダーマトに比べて色数が少ない※5という難点はありますが、「マーキングホルダー※6」の存在などダーマトにない魅力もあります。紙巻き色鉛筆界においてダーマトの一強は揺るがないと思うので、私はマーキンググラフの良さを周囲に伝えていこうと思っています。


※1「マーキンググラフ」は、株式会社トンボ鉛筆の登録商標です。
※2「ダーマトグラフ」は、三菱鉛筆株式会社の登録商標です。
※3 価格変動に注意。2024年1月3日現在、油性ダーマトは1,272円、マーキンググラフは1,095円(Amazon.co.jpにおける1ダースの最安値、色は黄色で比較)。
※4 三菱鉛筆株式会社 「ダーマトグラフの語源」 (2024年1月3日 閲覧)
※5 ダーマトは12色、マーキンググラフは6色。
※6 ペン型の消しゴムのように、ホルダー(軸)に替芯をセットして使うことができる商品。

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