漫画「遠い日の陽」感想とか

今日は一日中つらくて寝てばかりいて、たまたま見つけた「遠い日の陽」という漫画を読んで泣きました。


https://comic-days.com/episode/14079602755391426482

男子高校生が、全く知らない30代男性の子供の頃の写真をフリマアプリを通じて買うことから、この静かな物語は始まる。純文学のような読み心地で、
私は30代側で感情移入してしまった。
人は、優しい世界にずっと居ることはできない。だから本当は何も変わらなくても、世界に変わらせられてしまう。それは悲しいことだ。

ところで最近の私は、諸事情あってTwitterアカウントが消えていて孤独に打ちひしがれてるが、ときどき、哲学好きな不登校気味の男子高校生と通話していた。
実際に顔を合わせる機会もあったが、オンライン上で話してると大人びてるというか概念っぽいし趣味が似てるので何の違和感もないけど、会うと子供感があるため精神的に保護者モードに入る。
が、私はそんなにしっかりしてないので逆に困らせてる気がしないでもない。
たとえば私が駅で間違えて別の電車に乗るホームに向かうエスカレーターに乗ってしまったときは、その子が階段で走って追いかけてきて、「そっちじゃないです」って叫んでいた。何をさせてるんだ私は。

私は基本的にエイジングコンプレックスゆえの年下恐怖症で年下の人々を避けていたところがあるが、もはや避けようがないというか、「もういいやー」となったところがある。
結局、思考能力があれば話して楽しいし、高校生とかかなり年下でも、本質的で興味深く尊敬すべき方々が居るので。
また、以前その子とは別の伶俐な哲学好き高校生からは、Twitterスペースでクリプキなどの分析哲学を教わったりしていました。ふしぎな人生だな…。
かしこいし何というか倫理的でやさしい子たちだ。

しかし私は歳上として何も教えられるようなことはないし、どうしようもないし精神的に瀕死だ。
私は、その子と同じ高校生の年齢のころ、生きていることが心許なく、若さを失ってかつ居場所も失った今は、もっとしにそうなのだが、
そういう私だからこそ悩み事や話を聞いてほしいとその子は言っていた。
そう言ってもらえるなら、このどうしようもない人生も少しは報われるのかな…。

それにしても、賢く優しい、人一倍まっとうな子たちが、自殺未遂に追い込まれるような場所は大嫌いだ。
でも、そうじゃない場所は少ない。
少ないけどそうじゃない場所はあるから、大事にしていきたいし、生きるならば強い意志でそこに住み、自分自身もその場所を作っていきたいと思っていた。
色んなものを壊してばかりの私が言えることではないかもしれないが。

話は戻り、この漫画は、自分を顧みてそんなことを考えさせられる素晴らしい読後感でした。
梶井基次郎とか永井龍男とか、なんかそういう文学性を感じます。
こういう、苦しみに分け入る作品を作った方には、ただありがとうと言いたい。


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