2. 2012年春、にゃんこで悩む
夕方になると散歩に歩いているらしく
にゃんこにばったり会う。
「あら、にゃんこちゃん。こんにちは」
といった感じでなでなでする。
にゃんこも足元に来てスリスリ。
この頃餌をあげたりはしてなかった。
飼うことができないのに無責任なことはできないし、
決心が私の中でも持てなかったから。
ただ、祖母が気にかけてた猫なだけに、ほっとけないというか・・・
なので「近所の友達」そんな距離で接していた。
外で畑仕事をしているとにゃんこが遊びに来て膝に乗ってきて甘えてくるようになった。
かわいい・・・なんてかわいいやつなんだぁ・・・
祖母が亡くなる1年前くらいまで実家では猫を飼っていた。
名前は「ムー」
小学校のころ「えっちゃんと子猫ムー」という本を読んでそこから命名。
ただ、ムーとはなかなか仲良くなれなかった。
抱っこされるのも嫌がる猫だったし、祖母にしか懐いてなかった。
ちょっと触ろうとするもんなら、引っかかれる。
近寄りがたい存在だったのだ。
猫は気分屋なもの。
ずっとそう思ってきたのに、にゃんこはなんか違う・・・のかしら・・・
車の音が・・・
誰か近所の人が帰ってきたらしい。
すかさず、ピョンっと私の膝の上から降りて
「にゃ~~~ん」と小走りに車が帰ってきたほうへ行ってしまった。
ご飯をもらっているのだろうか。
私と仲良くしてもご飯もらえないし、そりゃもらえる人のところへ行くよなぁ・・・
ちょっと寂しくなった。
でも私は飼うことができないしなあ~。
そんな風に悩んだ春だったなぁ。
にゃんこはあの時どう思ってたんだろう。
私と暮らすと思ってたのかな。
グーグー寝ている顔を見ながら、
「どうだったのよ~、にゃんこも私のこと気になってたの?」
と起こして聞きたくなってしまうのだ。
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