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2022キャロット出資の方針② ~種牡馬の絞り込み~

私は一口馬主をするにあたり、より多く稼ぐ馬に出資することを目標にしている。
だから、できるだけ獲得金が10億円を超えるような産駒を出すのは誰か、常に考えるようにしている。

クラブ馬の歴代獲得金ベスト10は以下の通りである。

アーモンドアイ
ジェンティルドンナ
オルフェーヴル
ブエナビスタ
リスグラシュー
クロノジェネシス
ヴァーミリアン
ステイゴールド
タップダンスシチー
グランアレグリア

ヴァーミリアンとグランアリグリアを除く8頭は芝の中距離GⅠで結果を出した馬である。
今の日本競馬のレース体系で賞金を稼ぎやすい条件、そして世界で同等以上に戦えるカテゴリーが芝中距離であることから、このような結果になっているのだと思う。
今年からJCと有馬記念の1着賞金が4億円となり、この二つのレースのいずれかで能力を全発揮できるような競走馬が今後も多くの賞金を稼いでいくに違いない。

では、ここからは現1歳募集の有力な父馬についてみていこう。

ドゥラメンテ

期待値 A+

今年、宝塚記念で現役最強馬となったタイトルホルダー、牝馬2冠馬スターズオンアースが誕生したことで、一口馬主戦線で再注目の種牡馬がドゥラメンテである。
当初は、仕上がりの遅さや希少の難しさで期待以上の結果が出ていないかったが、今や芝中長距離路線の種牡馬として一番手とも言える存在になった。クラシックを勝てる上に成長力もあるのだから、期待値は当然高い。

JCと有馬を勝てる馬は当然出せるだろう。今年のJCにスターズオンアース、有馬にタイトルホルダーが出れば、勝つことを予想する人は少なくないだろう。
そして、ドバイシーマクラシックやドバイターフ、香港Cなど、海外の高賞金レースでも十分に適性を感じさせる。

もうここまでで十分に産駒に出資する価値のある種牡馬であるが、少し視点を変えて「ダービーを勝てる産駒が出るか」という問いについて考えたい。近代日本競馬というよりここ数年の日本競馬、特にクラシックでは、スプリンターの血の重要性がかなり高まっている。
ドゥラメンテ自身が春にクラシック2冠を制しているが、似たような産駒が今の日本競馬で2冠を制するとは思えない。特に良馬場のスピードが問われる馬場ならば。
もしドゥラメンテ産駒でダービーを勝とうとするなら、速いスプリンターやマイラーを母から補うことは必須条件だろう。
ただ、それだけでは切れ味が足りない。1/8サンデーの時代になって芝の切れ味勝負で必要なのは、ヘイローとサンデーサイレンスの血の覚醒である。すなわち、ヘイローとサンデーサイレンスそのものをクロスするか、ヘイローとニアリーなドローン、サーアイヴァ―、レッドゴッドなどをもってくるかしなければ、ダービーを勝ち切る馬はできないとみている。

エピファネイア

期待値A

デアリングタクト、エフフォーリアが2年連続で排出し、一気に種牡馬スターダムにかけあがったエピファネイア。
すでに産駒がJCと有馬記念で結果を出しており、求める種牡馬の条件をすでに満たしている。
アーニングインデックスの低さはあるが、大物を出すかどうかという視点でみれば、間違いなく高い評価をしなければならない。

ただ、エピファネイアには手放しに誉められないところもある。
「エピファネイア早熟なんじゃないか」問題である。
実際に、エピファネイア産駒は4歳以上の重賞成績がよくないし、何よりエフフォーリアの4歳春2戦は、3歳当時の圧倒的な強さから陰りがみえた。
ほかに敗因があったかもしれないが、負けすぎの感はある。
エピファネイア自身は4歳にJCを圧勝している。
だが、気性の激しさゆえに、高い競走能力がありながらもレースぶりにムラがあったことは間違いない。
パフォーマンスに浮き沈みがある産駒が出やすいという認識は持っていたい。

配合的には、素直にキンカメ系の気性の良さを取り入れたいところ。良馬場で切れるためにはサンデーサイレンスのクロスは必須だろう。

キズナ

期待値 B

現状、ディープボンド、ソングライン、アカイイトが代表産駒である。
皆一流馬ではあるが、その路線のチャンピオンといえるほどの圧倒的なパフォーマンスは見せておらず、長打力という点では高い評価はできない種牡馬である。
リーディングサイアーランキング5位でエピファネイアの11位よりもかなり優秀だが、私はエピファネイア産駒により出資したい。

ここから数年、ノーザンファーム産のキズナ産駒が増えていく。
この中からどれだけ大物が出てくるかが問題である。
私はキズナは日高の繁殖に合った種牡馬だと思っている。
本質的には上がりがかかるコースやレースが得意だからである。
ノーザンファーム産だからといって、種牡馬の本質は変わらないと思うから、勝ち味に遅いが安定感のある馬を増産するんじゃないだろうか。

ロードカナロア

期待値 A-

ロードカナロア産駒といえば、アーモンドアイ。
アーモンドアイが出てからここ数年、一口馬主界隈では、「アーモンドアイみたいなロードカナロア産駒に出資したい」という、アーモンドアイシンドロームが蔓延していたと思う。
だが、2017年産以降、クラシックで活躍する馬が出てこず、価格高騰もあいまっていよいよ産駒の人気がなくなってきた。

ロードカナロア産駒は今後、芝中距離GⅠ、特にJCと有馬記念で勝ち負けできるだろうか。
アーモンドアイ、そしてサートゥルナーリアが現状では例外になりつつある。
ロードカナロア産駒で中距離の一流馬を出すには、母も中距離の一流馬であることは必須条件である。
その観点でみても、ジェンティルドンナ、マリアライト、トゥザヴィクトリー、ブエナビスタなどとのカップリングで中距離GⅠ路線で走る産駒が出ていないことは痛い。

ただ、ロードカナロアは優秀な種牡馬である。
リーティディングサイアー2位で、1200から1600で大きいところも狙える。
個人的にも大好きな種牡馬だ。
アーモンドアイ、サートゥルナーリア並みの馬にはなかなか巡り合えなくても、まだまだ稼げる一流馬が出ると信じている。

キタサンブラック

期待値 A

キタサンブラック産駒といえば、イクイノックスである。
父よりも切れ、仕上がりが早く、あの高速馬場のダービーで2着に食い込んだ。
今後、キタサンブラック産駒はブラックブラッサムのような馬を量産するだろうし、イクイノックスもいずれパワー寄りになるかもしれないが、あのダービー2着は種牡馬としての評価を大きく上げたものだと思う。

キタサンブラック自身が勝っているように、産駒もJCと有馬記念に十分な適性があると思う。
成長力もあるだろうから、特に古馬になってからの中長距離路線で稼ぐ馬を出すのではないか。

ただ、今年、来年あたりは産駒数も減り、繁殖の質も下がった産駒の割合が多い。
大物を狙うのは、ちょっと先かもしれない。


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