【映画レビュー】星の子

猫町です。映画のレビューです。でも、あんまレビューになってません。
「星の子」を観ました。原作は今村夏子さん。監督は大森立嗣さん。

大好きな両親に愛情いっぱい受けてちひろは育ちましたが、両親は病弱な娘を救いたい一心で、新興宗教に傾倒いました。
ある日、憧れの先生に怪しい儀式を見られてしまい、ある出来事でちひろは苦悩します。っとざっくりしたあらすじでした。
※若干ネタバレあります。

星の子を観て、考えたことは人は何かを信じていないと生きていけないってこと。
人間って切羽詰まると何かに縋りたくなりますよね。そんな時に救いのあるできごとがあれば、真面目でピュアな人ほど信じてしまうのも分かる気がします。
両親は娘の幸せのために始めたことだけど、ちひろの姉のまーちゃんは姿を消し、修学旅行のお金すら工面出来ないほど貧乏になってしまいます。側から見たら、元も子もないし、親戚が心配するように「親と距離を空けた方がいい。」と思います。
ただ、ちひろは両親のことが大好きでいっしょにいたいし、受け入れたい気持ちがあるんですね。南先生から、理解できないのは無意味だと切り捨てられ、拒絶されて深く傷つきます。両親は儀式のことを信じているけど、自分は分からないと親友のなべちゃんの前で泣きじゃくるちひろ姿にみて、信じることって、自分の理解を超えたことでも、自分の中で考え、相手を受けいれることなのかもしれないな。って思いました。

南先生はその点、理解できないことは切り捨て、見たいものしか見てないのはある意味自分が正しいと盲信しているに過ぎないのかもしれません。

親友のなべちゃんは怪しい宗教に入っているといいつつも、ちひろを否定せず、寄り添う心持った人だし、なべちゃんの彼氏くんもお調子者だけど、優しい。両親が怪しい儀式をしているのを目撃しても、びっくりはするけど、「かっぱなのかと思った」とある意味事情があるんだと受け入れる心を持っている。
いい友人がいることが救いでした。

ラストは私の解釈ですが、流れ星を一緒に観ようと3人で眺めますが、両親が流れ星をみるタイミングとちひろがみるタイミングにずれがあることから、いつかすれ違って、両親は変わらず信仰は辞めないけど、ちひろは巣立っていくかもしれないな。って思いました。

私は人が何を幸せとするかは本人の自由。ただ、子どもの生き方を尊重することは大人の責任であると思います。
何が本当に自分にとって大切なものなのか、自分で考えることが大切だと思います。誰かに寄りかかりすぎてはダメね。
寄りかかるのは椅子だけでいいよね。ほんとに。

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