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山口県動物愛護センター訪問とレポート

8月5日の午後山口県動物愛護センターに湊さん、橋本とボランティアの池野さんとご一緒に視察に伺いました。周りが高い緑の山々に囲まれ一本道を登っていくと広い敷地に大きなアーチ型の建物が私たちを迎えます。

私達を施設内の各所をご案内くださったのは女性獣医さんでした。いろいろな説明は大変参考になりました。

入り口はいると天井の高い吹き抜け風のロビー、 点字図書コーナーお絵描き・山口県動物愛護センター 工作コーナーその他楽しめる空間

2階への階段を上ると左右振り分け右手が職員さん方の事務室、左手が猫の収容部屋です。
そこには3匹の離乳がすんだ子猫がキャットタワーで遊んでおり里親さんをまっている三毛、サバトラ、茶トラがおりました。ミルクボランティアは、こちらのセンターにはいないそうです。

隣奥には広い処置室、ここで譲渡前の猫等の不妊手術、隣も広い検査室があり場合により動物も置くとのこと。

今回一番驚かされたのはご案内くださった女性獣医さんのスキルの高さで我が耳を疑いました。

地方の自治体の獣医さんの中には卒業以来メスを握ったことがない方、またどうすればスキルを磨けるか問われることが多々あるのが現状です。山口県動物愛護センターの女性獣医さんは、なんと幼猫の不妊手術ができると伺い、一般のクリニックでさえできない、やってないのにこちらでは実施されているとか、驚き称賛の声を上げました。また、なぜ幼猫の不妊をされるかを伺ったところ譲渡先での2次繁殖を防ぐことを目的としているとのこと。

とくしまスペイクリニックの訪問ベテラン獣医さんによりますと700gから不妊手術をされその利点は、早期手術は回復が早い、譲渡先での2次繁殖を防ぐためとのことです。

参考サイト
とくしまスペイクリニック
Happy Tabby(ハッピータビー・クリニック)

他の自治体センターでは、譲渡の際に確約書・お約束で譲渡しており、また数は少ないながら譲渡前の適齢期に不妊手術をしてから出すセンターもあります。一方海外での幼犬猫譲渡前の不妊手術はレアーでなく日常のことのようです。

目を左に向けると細い廊下に沿って部屋が並び犬の収容と殺処分室があります。基本ガスでなく注射だそうで、獣医さんの顔が曇ったのを感じました。

1階に降り屋外の右手には、犬舎が2つほど あり数匹ワンワン吠えておりました、
近くに小さな慰霊碑

1階に降り屋外の右手には、犬舎が2つほどあり数匹ワンワン吠えておりました、近くに小さな慰霊碑。

ふれあいサークルからは、視界を遮るものはなく山々が連なり途中に散策用のあずまやがあります。また舘内外は大変に清掃が行き渡っておりました。

ただ何か物足りなさ寂しさを感じ、これは何から来るものか?

千葉市、三重県、神奈川県愛護センター等の施設の機能、運用と比較すると、他のセンターも同様に業務が地域・住民に密着した機能でなくて単に持ち込まれた子猫の譲渡・啓蒙等であり主業務では事後処置に追われ予防処置の野良猫の避妊去勢手術がないことから将来の展望が見えてこないのです。
問題解決に至らない、時間、費用のロス、現場職員さんのやりがいを考えても予防処置が優先されるべきと思うのです。

今回も含め、多くのセンターを見学し、獣医さんの役割、現場で政策上何が求められているか、まだまだこれから改善しなければならないことが見えてまいりました。
山口県動物愛護センターは充実した設備、素晴らしいスキルを持った獣医さん、これらを生かさないのは勿体ないこと、これから十分に変わりえます、期待をもって応援しております。

動物愛護センターは動物にとって最後の砦です。獣医さんは専門職を十分生かせて誇りの持てる職場であってほしいものです。センターの獣医さんの役割は大きく大変重いものと感じました。

お忙しい中、所長さんをはじめ皆様、大変ありがとうございました。

参考サイト
千葉市動物保護指導センター
あすまいる(三重県動物愛護推進センター)
神奈川県動物愛護センター

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