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権威の空白

フィリップ・K・ハワード

現在の課題

 政治指導者や改革者の多くは、政府の失敗をマネジメントの問題として捉えている。我々に任せてくれれば、物事は全て上手くいく、と言うわけだ。過去50年間の彼らの失敗の記録を省みれば、自責の念に駆られるはずなのだが、それどころか、不満を持つ党派の人々の過激さを掻き立てることに終始している。

 政府にはマネジメントの問題があるのではなく、哲学上の問題があるのだ。哲学的な欠陥には、政府の規模や公共政策の目標とは関係がない。その欠陥とは、政府の決定は人間の判断に汚染されてはならないという信念であり──すべての公共的な選択は、規則や法的手続きを遵守することで、客観的な正しさの基準を満たさなければならないというものである。

 その結果、アメリカの政府関係者は、日々の選択の中で自由な社会の中核となる価値観を主張し、それを守る権限を失ってしまった。そのため、政府は機能せず、無力感が蔓延り、個人の権利の保護を装った利己主義が蔓延している。その次に来たのは、我々の社会構造のほころびであることは、よく知られている。

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