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新たなクオモを迎え入れましょう。でも、それって古いクオモと同じじゃない?

我々は彼の正体を最初から知っておくべきだった

by ブライス・コバート

オピニオンライターとして活動しているコバート氏は、労働者や家族に影響を与える政策を中心に、経済に焦点を当てている独立系ジャーナリストである。

2021年4月4日

 最低賃金15ドルを求める全米規模の闘いは、2012年にファーストフードの労働者がニューヨークの街角でストライキを行ったことで幕を開けた。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が彼らの要求に耳を傾けるまでには、4年の歳月が必要であった。クオモ知事は2016年になって、「ニューヨークは経済的正義を示すだろう」と主張し、ようやくこの要求を実現するよう動き始めた。

 しかし、全てのニューヨーカーが時給15ドルの稼ぎを期待出来るわけではなかった。特にチップ制の労働者は、依然として低い賃金しか保証されていない。推進派はクオモ氏をさらに追い詰め、ニューヨーク州労働局は2017年末に、チップ制賃金の廃止を検討すると発表するまでに至ることになる。その際クオモ氏は、チップ制労働者に対するセクハラ被害率の高さには関連性があると言及した。州政府内でのセクハラについて質問することは「女性に失礼だ」と記者に言い放ったことで反感を買った数日後に行われた、クオモ氏のこの指摘は興味深い。

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