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宇宙人に侵略されたら、ロシアや中国は助けてくれるのだろうか?

2021年11月1日

トーマス・L・フリードマン(オピニオン・コラムニスト)

 ウィルソン・センターの軍備管理専門家であるロブ・リトワック氏は、大国間競争と気候変動に関する最近発表されたエッセイの中で、1985年のジュネーブ湖畔における首脳会談の際、ロナルド・レーガン大統領が散歩をした後に、ソ連の指導者であったミハイル・ゴルバチョフ氏に投げかけた質問を思い起こさせてくれた。

 ゴルバチョフ氏は後にこう語っている。「レーガン大統領は突然、私にこう切り出した。『もし合衆国が突然、宇宙から何者かの攻撃を受けたとしたら、あなた方はどうしますか?我々を助けてくれますか?』」

 「私は『間違いなく』と答えました」

 「彼は『我々も勿論』と語りました」

 「だからこそ面白いんだよ」と、ゴルバチョフ氏は締めくくった。

 なぜこんな話を持ち出したかと言えば、最近の大国間の競争の高まりを考えるに、宇宙人からの侵略に直面したとき、ロシアや中国、あるいはアメリカがお互いに助け合うかどうかが、まったくわからないからだ。リトワック氏がこの話を持ち出したのはもちろん、現代の我々が同じように世界を脅かす脅威に直面しているからである。それは宇宙人ではなく、もっと身近で、かつては穏やかに見えた力、すなわち気候からの脅威である。

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