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気候変動を食い止めるため、原子力という選択肢はあるのか?

2021年8月26日

スペンサー・ボカット・リンデル

 人類が気候温暖化という危機を回避できなかったことは、壮大な技術的問題として捉えられることもある。何世紀にもわたり、各国は化石燃料に頼って経済を発展させ、富を生み出してきた。太陽光エネルギーや風力エネルギーのような、代替的電力供給方法が可能になったのは、近年になってからである。

 しかし、少なくとも電力に関しては、この話は真実ではない。現在、米国では電力供給の60%を化石燃料による発電が占め、再生可能エネルギーが占める割合はわずか20%に過ぎない。残りの20%は、1950年代から存在し、二酸化炭素を排出せず、化石燃料よりも遙かに犠牲者の少ない原子力発電によるものである。

 電力網の脱炭素化は、気候変動問題に対する唯一の課題ではないが。中心的な課題であることは間違いない。そしてバイデン政権は、2035年までに電力の脱炭素化を達成する必要があるとしている。そのために、原子力発電がより大きな役割を果たすべきなのだろうか?人々の意見は以下の通りである。

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