私立VRC学園が楽しかったので組織論とかを雑に書く。
倍率3倍超という超名門な私立VRC学園も、いよいよ折り返しというところに来た。それと同タイミングで、なんかかんかねこの手のひとつ、組織論(厳密には、組織論を中心とした、組織構築と組織マネジメント分野やその周辺の心理学等)を話すことが増えてきた。
そこで、私立VRC学園というものを、組織論という観点をメインにして振り返っていきたい。
なお、ねこは最早どの理論がどの学野かを意識しておらず、すべてごちゃまぜにして自身の中でネットワークを組んで体系化している感じなので出典や原典・その真偽についてはあやふやであることをご了承いただきたい。ゆるして。
組織の定義
組織論で語るうえで、インフォーマルグループについて語らない者はモグリであろう。が、まずは組織から。
組織
組織とは、寿命のない何かしらの「集まり」を意味する。
こんな感じの言い方になるのも、「財団」という「財が組織化された存在」等も組織として取り扱うためだ。
まあ、今回においては社団型:人が集まりできた組織のことしか書くつもりはないので、とりあえず以降組織=社団型非営利組織とする。
組織とグループにはある程度の違いがある。共通項も多いが、とりあえず組織に必要な要件は以下のとおりである。黒字部分は超大事。
・人員および名簿(人員分類)
・リーダー(最終意思決定機関)
・コミュニケーションチャネル
・ルール(定款)
・目的
・名称
・場所
・定期会合
あとはまあ、報酬というものが組織存続のためには割と必要であるが、そこは割愛。書いてたらキリがない。
私立VRC学園における組織
私立VRC学園というのは、(というより他の数多にあるうまく継続している組織・イベント等もであるが)これらがうまくいっている。というか、上手くいっていないと組織としては成り立たない。
私立VRC学園はそもそもが現在社会でうまくいっている組織=学校法人のフレームを当てはめているので、まあうまく行くのはそれはそうであるが。
ただ、そのまま当てはめると齟齬が出る部分というところもある。
現実には、学校法人はある程度の年功序列組織であるが、VRC内では立場がフラットだ。運営(生徒会)・教師講師・生徒は本質的にはフラットな立場なのである。
そこに、組織(及び、それを模したロールプレイ)の強みが出てくる。
ねこはロールプレイは得意ではない方だが(自我が強すぎる)、クラスの生徒が担任の先生に向かって超ため口(XXすか?とかもない感じのガチタメ語)で話していると、ちょっと引っかかる部分があるのは中々興味深い心の動きだと思う。要は、超強力にRPが作用しているのだ。
注釈)生徒->担任への超ため口に関しては、ねこがどうこう言うことではない。担任が気になれば言う話であるし、私の引っ掛かりは生徒に対する批判とかでも当然ない。ねこはただその自身の中で生まれた心の動きが興味深かっただけ…。(注釈終わり)
また、組織とそのロールというものは、担任と生徒との間の上下関係を生み出すことにも成功している。カリスマ等の研究論文でも記載があったが、カリスマ性は外部環境によって生み出される。組織に定められた「担任」というロールは、その肩書だけをして「正当性パワー」というものを生じさせる。この見えない力によって、我々は(少なくともその組織内では)基本絶対に逆らえないということに加え、少なからずリスペクトをすることを決定づけられている。
正直、運営・担任と生徒との上下関係は不要にも思えるが、実はこれがないと、学園は崩壊してもおかしくはない。
担任からの指示はその実簡潔かつ単純だ。
「仲良くしろ、授業の邪魔するな、講師を脅すな、遅刻するな」
正直、フラットな関係でかつ、初対面であるのであれば、これは本来聞く必要のない指示である。我々は自由だ。(とはいえ道義的にそもそもしない人が大半だろうが)
それでも、この「お願い」を聞くのは、割り振られたロールに忠実に動いている、すなわち上下関係が発生したからに他ならない。実際は色々ある(他なる)けど面倒なので割愛。
とかく、こういった組織に定められたロールが無ければ、インバイトが飛んできて消える無責任な生徒と雰囲気で講義をしたりしなかったりする自由かつ無秩序な校風になっていただろう。(というかそういう感じのグループをねこは知っている。最初の理念は薄れ、ちょっと機能不全に陥ってる気がする)
話が大幅にそれた。
私立VRC学園は、目的として、以下を標榜している。
この目的(Missionともいう)は組織においてとにかくとても重要で、Missionがない、あるいはMissionにおける活動を違えた場合、または、メンバーへのMissionの周知徹底が失敗した場合、組織は分裂消滅をすることは必定である。
そして、私立VRC学園はそのための手段として、以下のように記載している。
まあ雑にまとめてしまうと、要は学校RPで集中的にお勉強しながら仲良くなろうよ!というものである。
ここでねこが注目しているのが、以下の一文である。
正直、VRC学園を強固にしているのはこの部分だと思っている。
というのも、VRCのプロフィール欄に 私立VRC学園8-5卒業 とか書いている人が非常に多い。これがどういうことかを考えるに、VRC学園は所属(帰属意識)を無償で与えており、そのコミュニティが外に出しても通用するブランドを仕上げているという点にある。
まず、マズローの欲求階層説という、組織のマネジメント・モチベーションを考える上で欠かせない理論がある。低次欲求から述べると、生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認欲求、自己実現欲求といったものだ。
で、VRCにおいては生理的・安全の欲求の2つは満たされているものとして、考えなくていい。そうなると、VRC初心者が必要とするのは、所属欲求がスタートと考えられる。所属欲求というものは、基本的にはグループDiscordへの参加や、もしJPTutorialで案内してもらえたのであれば、親という概念がそれに当たるのではないだろうか。
もしかすると、グループへの参加や、もっと高次でのスタッフとしての参加や、主催ともなるかもしれない。
VRCは良くも悪くももう一つの社会であるので、現実での所属意識を持ったままというのは少数派であろうことからも、(最初の)所属欲求を埋めるという点は非常に理に適っているのではないだろうか。
何か別のイベントがダメになっても、追放されても、同級生またはおな中グループ(所属)というのは不変だ。そういった土台の提供があるのが、VRC学園卒業生によるイベントの多さの理由ではないだろうか(計測してないけど)
フォーマル/インフォーマル・グループ
フォーマルグループ
クラス分け、というものがなされた。まあ応募300超えで学年同期は100人だ。されて当然だ。しかし、このクラス分け=組織分けは、インスタンスの軽量化が主たる目的化もしれないが、中々いい人数だなと思っている。
学校を思い浮かべた時に、我々はクラス全員一致、とかは文化祭等の時以外なかったと思われる。それは、目的の明確化等による組織のベクトル一致があったためであるが、実際には通常時、4人くらいの仲良しグループができていたのではないだろうかと思う。
この、なかよしグループこそがインフォーマルグループで、明示的に示された組織はフォーマルグループという。要は、学園におけるロールはフォーマルグループで、それ以外がインフォーマルグループって感じ。
インフォーマルグループ
インフォーマルグループといわれても、ぱっとわからないかもしれないが、先に述べたように、簡単に言うと、組織内にできた明示的でない、仲良しグループのことである。(ホントの事いうと、部長派・課長派みたいな感じもインフォーマルグループだよ。なかよしこよしで済まない社会こわい)
現状、まだクラス内でもできたりできていなかったりするが、インフォーマルグループは2,3人を核とするダイナミックな組織である。
どういうことかというと、VRCでもみなさんよく見た景色と思うが、多人数の集会の時、2-3人が話していて、その周りに1~5人くらいの顔なじみがいて、さらにその周りにその他聴衆的存在がいるというのを見たことあると思う。これがインフォーマルグループと言われるものだ。
クラスがフォーマルグループなのであれば、JoinやInvite行くような仲がインフォーマルグループの核とも言えよう。
インフォーマルグループには、大まかにそれぞれ性質がある。大体の場合、同じ楽しさや価値観を共有するグループで形成される。出身が同じ、他組織でも一緒(VRC学園がくれるクラスロールはまさにこれ)、趣味が同じ、目的が同じまたは共有した、一緒にご飯を食べることがある、一緒に成功体験がある、思い出を共有している…等々。
ねこがVRC世界旅行が大好きなのは、思い出の共有というインフォーマルグループの形成しやすい要素(要は仲良くなりやすさ)があるから。あとアイスブレイクを最初に挟んでお互い自己開示するのもいいよね!
ねこはVRC世界旅行を推しまくっています。
さて、論を戻す。
インフォーマルグループを積極的に作りたいのであれば、基本的にはリーダーシップを持って積極的に相手をもてなしてあげればよい。これは、相手を知ってナンボ、話させてナンボの部分である。
リーダーシップとは、大まかに面白さの提供や、相手が欲しそうなものを提案できる力や行動力、グループ全員に会話を振るファシリテーション力(思いやり力)といったもので形成されるとねこは認識している。まあそれ以外にも力の源泉はあるけど、それはここでは書けねえなぁ…ヘッヘッヘ
まあ近くにそういうカリスマ性のある人を目にする機会が多いVRCなので、是非「この人いいな!」という人がいたら参考にするのが吉。
そして、そのインフォーマルグループが2-3回も続き、何かの共通目的が生まれた場合には、段階を踏んでフォーマルグループに近いものになっていく。イベント終わりに話す仲、どっか別のワールドに一緒に行く仲であれば、それはとても素晴らしいことだ。先に述べた組織の要件、名前とか目標とかをつくれば、見事、新しい集会の始まりだ。
ねこはこれを「けしからんいたずらの種」と呼んでいる。
VRC学園で発生した組織でみれば、これはゆずあっとの取組みに近いかな?
まとめ的なの
なーんかやはり散文というか駄文になっちゃったけど、組織論とかはねこ自身で知識のつぎはぎで体系化したものが多いので仕方ないね。
要は、VRC学園は仲良くなりやすい土台を組織という仕組みとちょうどいい感じのクラス人数で良い感じに整えてくれてるというのを言いたかった。
あとマネジメントの領域の話で言うと、組織目標=個人目標となっている点も、非金銭的なマネジメント行動としては100点以上だと断言できる。
今ちょうど折り返しの時点であと一週間だけど、とても楽しい。
他のクラスの方も同じこと言うだろうけど、クラスの同期と担任の先生方、講師の先生方に恵まれまくっている。
あと、募集人数が肥大に肥大化してしまっている現状、ミニマルな条件で私立VRC学園の再現というか、初心者案内を構築することができないかなぁという部分で、私立VRC学園もどき、あるいはJPTutorialの再発明を作ってくれる人のために文を残した気分もある。VRC学園はとてもいい取り組みだ。しかし、無償でやるにはヒューマンリソースは限界という指摘もある(倍率3倍ということは、200人落選!ということだ)し、そもそもそうでない時期をカバーできていないのはある。取り組みはいいし、間違いなくVisitorをTrustedとかに引き釣り込めるが、引き込める数には限度はある。どうも、NewUserなどにサービスがゆき届いていない気もするのだ(最近知ったけど、NewUserとかUserは優先的に合格するのでおそらく合格率100%です!!誤情報気を付けろオラァン)
ねこはJPTutorialで助けてもらえずに、一人虚空をさまよいまくったり、外人ニキに囲まれまくったりしたりした後に、VSPと理系集会でとりあえずなんとか生き延びれたチョットダケメンタルつよいねこだったが、離脱する可能性も十二分にあった。。。
ミニマルな必要要素
・初心者に話させる場、聞かせる場。できればクイズ形式やアイスブレイク形式が望ましい。タケノコ派?キノコ派?とかのような小さなことから。そういう点だとゲームワールドは少し不適当である。
・VRC202208第1週組みたいな所属等を言えるようなもの、できればずっと続くもの(これは共通項の多さや凝集性がモノを言うので、できれば宇宙好きなら速攻VSPに連れて行く、紹介してあげる、話させる場を作ってあげるとかという行動が望ましいかも。別に場を作るわけでなく、場に入れるように紹介し、なじませるという行動が推奨される)
・初めてのVRC旅行のようなもの(思い出の共有)
・できれば集中的にサポートしてあげられるもの(入って2-3日は複数人付いてあげるとか)
正直、これをやってもコミュニティの活性化くらいしかリターンが見込めないけど、少なくとも人口と友達は増えるね。
交流できる人口が増えれば、けしからんいたずらを一緒にできる人が増える可能性もチョット増えるので、もしやる人いたらねこの手程度であればお手伝いします。ねこ主導はキビシイ。まだNewUser上がりホカホカのUserだよ。シャシャるにはちょっとまだわからないことがオオスギル。
もちろん、無理をしない程度でないと続かないので、持続可能な限りでね。
そういう視点だと、なおの事無償で多種多様なカリキュラムをご用意いただけるVRC学園の運営の皆様には本当に頭がアガラナイ…
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登 大遊氏がVRC理系集会に2022/10/14にまさかの登壇!みんなあつまれーーーーーーー!!!!!!!!!!!というか理系集会の皆さん本当にありがとう!!!!!!!!!!!
ねこがスタッフをやらせていただいている、リーダー:幕上ゆにさん主催のVRCエンジニア作業飲み集会でもいつか来てもらいたいという話してたので、エンジニアの人は検索してDiscordに参加してねーーーー!
追記の追記
なんか10期の講師応募したら採用されたので、初心者の人は入学してねー!
さらに蛇足で、この記事の画像の一番左のひと(あんでぃさん)がガチで面白くて流れでマネジメント集会というの作っちゃったので気になる人、この文で質問ある人来てねー
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