職業差別していい?

給食を食べたことがないという人は稀だろう。
人は給食には様々な思い出があるはずだ。

「あれが1番好きだった」
「七夕に出るデザートが好きだった」
「毎日牛乳は正直嫌だった」
「大鍋で作るカレーは神」
「先が少しだけフォークみたいになってたスプーンあったよな」

このように、色んな話が出来るだろう。
そこで私の1番の思い出を聞いてほしい。いや、思い出と言うより怒りかもしれない。

小学校高学年のある日、いつもの献立に紛れて1つ、見慣れないものがあった。
ふりかけだ。

この頃給食のふりかけといえば「カツオ」か「のりたま」だったのだが、その日は全く別のふりかけが出ていた。

これがもう、信じられないくらい不味かった。人類の未知の不味さと言っていいほどに不味かった。宇宙人に食べさせたら宇宙戦争になるに違いない。それほどまでに不味かった。
不味かった。
不味かった。

全員がそう訴えた。
しかし、数ヶ月後にソイツはまた姿を現した。
我々は絶望した

職業に貴賎なしとはいうが、このふりかけを作った企業だけは絶対に存在してはならない企業だと思った。ぶっちゃけ、狂っている。そんなレベルの不味さだった。

2度目ましてのふりかけは、35人中34人がいただきますの直後に教卓に持っていった。数ヶ月前に1度被害に遭ったからだ(ちゃんと数えたよ)。

普通、数ヶ月前に食べた不味いふりかけの存在など忘れてまた食べてしまうものだが、あのふりかけは違った。

いつでも鮮明に蘇るあの味あの苦痛。
もはや拷問のレベルだったのだ。

ちなみに教卓に持っていかなかった児童は前回のふりかけの時に欠席していた子だった。周りから「やめた方がいいよ」「みんな残してるでしょ?」「⋯⋯死ぬよ」と忠告があったが、その子はふりかけを開けた。怖いもの見たさでふりかけを食べるそうなのだ。肝試し感覚である。

少しだけごはんにかけて食べた結果、その子はすぐにふりかけの口を折りたたんだ。シャットアウトしたのだ。

これは当たり前すぎて言わなかったのだが、35人とは教室にいる全員の人数である。つまり、先生も残したのだ。それどころか「これ超不味いよな」といっていた。それほどまでに不味いのだ。

野菜ふりかけだった。人参がメインだったようで、やたらオレンジだった。
気持ちの悪い甘みがまず舌全体に纏わりつき、直後に苦味が襲ってくる。
近い味としては、病院で処方される1番不味い粉薬の味だ。塩っ気はあまりなく、とにかく甘苦い粉薬をごはんにかけて食べているような感じだった。

ちなみに私が1番好きなふりかけはゆかりだ。

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