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ピコピコ中年のひみつ基地

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人間、誰しも中年になれば、マニアックな好みが生まれるもの。パートナーに話してもわかってもらえない…。だからぼくらはひみつ基地を作った。ぼくらだけの、ぼくだけのひみつ基地。誰に話す… もっと読む
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#創作大賞2023

ついに!博士とのコラボマガジン作っちゃいました!(アプデあり)

いつも仲良くしてくださる「とうほぐらし博士」こと長谷川さん。 東北の魅力をたっくさん発信している おいしそうなご飯や、すてきな土地のご紹介を ご自身ならではの コトバで綴られており、 いつか東北の地に降りたつ日が来たのなら 聖地巡りしたくなる 「おじさんぽ」シリーズ。 また、アニメやゲームなどのカルチャー系にも 精通しているので、いつも最新作の話題などでは大変お世話になっております! そんな長谷川さんと。 なんと共同(コラボ)マガジン 作っちゃいました〜! マガジン

Tシャツを 分別せよと 妻は云ひ

梅雨入り前からそこそこの汗ばむ日差しと気温。あなうれし也、今年もTシャツの季節がやってきた。 ファッションやらオシャレやらには疎い私である。恥部を隠すために身に着ける布・皮類に関しては、最低限の清潔感だけ保たれていれば問題ないのではないかというアナーキーな思想の持ち主でもある。 間違って街頭でファッションチェックなどに遭遇しようものなら「あら~、このオジサンはファッションについて勉強してこないまま無駄に年をとったのねぇ~」と柔らかなオネエ言葉で口汚く罵られる自信もある。

ピコピコ中年「音楽夜話」~誰のせい?それはあれだ!スチャダラパーのせい

暑い。ただただ暑い。 夏は開放的で好きだが、もうちょっとだけ、こう日本らしく、慎ましやかに暑さを控えてはくれないものか…。やっと辿り着いたアパートの扉を開けても、煙草とコーヒーとアルコール臭混じりの熱気がねっとりと体中にまとわりついた。 取る物も取り敢えずエアコンの電源をオンにする。 唸るような重低音と共に吐き出された熱気が、徐々に冷気を帯びてくる。嗚呼、助かった。いや、ありがたい。エアコン様様である。 このエアコンが付いているアパートに引っ越すことができて、本当に良

ピコピコ中年「音楽夜話」~愛すべき生まれて育ってくサークル。サークルで出会えた音楽達

「確かに俺はBeatlesを全曲聴いていないけれど…。じゃあ、例えば、夏目漱石の作品を全部読破していなければ、漱石について何も語ってはいけないのかい?」 そこかしこでウェーイ!と酒を酌み交わす大学生達で混み合う、大学そばの年季のはいったロッジ風な飲食店。私はT君に問いかけた。少し「怒り」の感情も混じっていたように思う。 「何もではないけれど、”正確に”語ることはできないよね」 そうT君は冷静に応えた。珍しく感情的に「言論統制だ!言葉狩りだ!」と騒ぎ立てたくもなったが、頭

ピコピコ中年「音楽夜話」~サニーデイ・サービス、はっぴいえんど、四畳半だヨ!現実世界

寝起きにシャワーを浴びたけれど、ゲームで夜更かししたせいだろうか、何だかぼんやりした頭のまま部屋を見回す。 熱い濃いインスタントコーヒーを飲み、そして、改めて思う。 嗚呼…、ここは自分の城なんだな、と。 1浪の末、志望大学の志望学科に何とか合格。人生初めての一人暮らしは、六畳一間のオンボロアパートの1階からスタートした。 父と共に訪れた大学付近の不動産屋が、家賃・風呂トイレ別・通学にかかる時間等々の要望を手慣れたスピードで解釈した末に「オススメです!(死んだ魚の目の営

「ゴーストバスターズ/アフターライフ」感想~愛に溢れたラブレター、正統な後継作に感涙

☆「ゴーストバスターズ」の思い出 かの有名な映画史に残る金字塔、初代「ゴーストバスターズ」。母にせがんで映画館で観た映画である。 映画館で映画を鑑賞する人口の減少、大型シネコンの台頭に押され、今はなくなってしまった山形市内の映画館。鑑賞の興奮冷めやらぬ中、売店で買ってもらったマシュマロマンがプリントされている缶ペンケースと共に小学生時代を過ごした。 今にして思えば、サブカルチャー、ポップカルチャー、SF・オカルト好きである私の嗜好の方向性を決定づけてくれた作品の1つだっ

ピコピコ中年「音楽夜話」~オザケン、コーネリアス、そして予備校暗黒期の終焉

その日、予備校の授業が早めに終わった。 いつもであれば友人K君と連れ立ち、1994年当時仙台駅前のアーケード街の地下にあった「Dream」という名の、「夢」と呼ぶには退廃ぶりが過ぎるヤンキー漫画のバトル会場にでもなりそうなゲームセンター(ちなみに友人K君との共通認識では、Dream=漫画「AKIRA」に出てくる金田少年らのたまり場”春木屋”のイメージだった)に向かうところである。 しかし、その日は違っていた。 自分とは違う授業を受けていたK君を待つことなく、サラリーマン

ピコピコ中年「音楽夜話」~オザケン「天使たちのシーン」と浪人時代

「あ…あんた、何やってるの?」 私の部屋の扉を開けた母がそう質問した。 「あ、うん。…ちょうど今花火大会やってるから、部屋暗くして見てたんだ…」 母の疑問ももっともである。 窓が開け放たれた私の部屋は真っ暗。そこそこのボリュームで流れている小沢健二「天使たちのシーン」。ゆったりとしたマイナー調のメロディに、囁くように歌う小沢健二の歌声。窓の外には遠く遠くに輝いている山形花火大会の打ち上げ花火。暗がりでよく見えないが、部屋の床に横になって泣いているように見える予備校生の

ピコピコ中年「音楽夜話」~渋谷系「ピチカート・ファイヴ」とか

☆ピコピコ中年’sメモリー この時ばかりは山形県民であることを悔やんだ。 1993年、めったにお目にかかれないような事が山形県で起こる。ローカルテレビ局のネット局変更である。 地方の地上波テレビ局は、首都東京のどのテレビ局をネット放送するのかをそれぞれ選択して開業する。つまり、○○県の○○テレビ局はテレビ朝日を放送します、○○局はフジテレビです、などなど。 耳にしたことがある方もいるかもしれないが、首都東京のNHKを除いたテレビ局は「キー局」と呼ばれ、各都道府県の地方

ピコピコ中年「音楽夜話」~長谷川、バンドやめるってよ【最終話】

☆バンド…始動? リビドーにブンブンと振り回されまくりの第二次性徴期の少年が、何の因果か男子校に入学。TV番組イカ天でバンドブームの洗礼を受けるも、音楽を「聴く」「知る」ことにのみ一生懸命だったあの頃。 ついに長谷川少年はバンドに誘ってもらえたのだが…。 音楽…それは皆のフロンティア。これは、ミュージシャンでも何でもない、東北に暮らしているただのピコピコ中年が、数々の音楽に出会い、時にココロ救われ、時に人生さえ動かされた回顧録的物語である。 (スタートレックの冒頭BGM

ピコピコ中年「音楽夜話」~長谷川、バンドやめるってよ③

☆バンドリーダーM君との出会い リビドーにブンブンと振り回されまくりの第二次性徴期の少年が、何の因果か男子校に入学。TV番組イカ天でバンドブームの洗礼を受けるも、音楽を「聴く」「知る」ことにのみ一生懸命だったあの頃。 ついに「聴く」「知る」から、別の方向へと一歩踏み出すのだが…。 音楽…それは皆のフロンティア。これは、ミュージシャンでも何でもない、東北に暮らしているただのピコピコ中年が、数々の音楽に出会い、時にココロ救われ、時に人生さえ動かされた回顧録的物語である。 (

ピコピコ中年「音楽夜話」~長谷川、バンドやめるってよ②

【前回】 ☆バンド前夜~高校入学、音楽との出会いが樹状的に広がリングリビドーにブンブンと振り回されまくりの第二次性徴期の少年が、何の因果か男子校に入学。TV番組イカ天でバンドブームの洗礼を受けるも、音楽を「聴く」「知る」ことにのみ一生懸命だったあの頃。 まだまだ「音楽」とのお付き合いは続いていく…。 音楽…それは皆のフロンティア。これは、ミュージシャンでも何でもない、東北に暮らしているただのピコピコ中年が、数々の音楽に出会い、時にココロ救われ、時に人生さえ動かされた回顧

ピコピコ中年「音楽夜話」~長谷川、バンドやめるってよ①

その曲が表現する哀しさとは、違った意味で「哀しく」致命的に音とリズムがズレたブルーハーツの『青空』。 そんな「青空?」と疑問形になってしまうような曲が、貸しスタジオの中に響き渡った日。 バンドを、辞めた。 高校2年の出来事だった。 …。 音楽…それは皆のフロンティア。これは、ミュージシャンでも何でもない、東北に暮らしているただのピコピコ中年が、数々の音楽に出会い、時にココロ救われ、時に人生さえ動かされた回顧録的物語である。 (スタートレックの冒頭BGMと共に) ☆

【アニメ】『ぼっち・ざ・ろっく!』感想~ぼっちロキノン系東北おじさん感涙、蘇るルサンチマン

ちょっと!ちょっとちょっと!もっと早く誰か教えてよ。おじさん完全に勘違いしてたじゃないですか! アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』最終話。 (以下、アニメの内容ネタバレが含まれます!注意!) … … … ぼっちちゃん、アジカン歌ってるじゃん! こちらのnoteでは、アジカンのゴッチこと後藤正文さんも日記を書かれており、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』を鑑賞されたこと、そしてここ最近では、私も訃報に愕然とした高橋幸宏さんの旅立ちなどについて記されております。 なので、あ