ナユタン星人 猫猫的宇宙論 音楽的分解

こんにちわ。猫わずらいです。※記事は全文無料で読めますがこの記事が気に入ったら購入（投げ銭）してくれたら最高に嬉しいです( ◜௰◝ )

今日はボカロPであるナユタン星人さんの猫猫的宇宙論を音楽的に紐解いていきたいと思います。

ナユタン星人さんは最近私がハマっているボカロPです。惑星ループみたいな超有名曲から、エイリアンエイリアン、太陽系デスコ、ダンスロボットダンス、猫猫的宇宙論など代表曲はたくさんあるかと思います。

ナユタン星人が作る歌詞

ボカロPの作る楽曲はボーカルが人間でなく、ボーカロイドですので得てしてどこか機械的、感情がないアンドロイド、そんな雰囲気は必ずつきまとっています。超未来的みたいな感覚でしょうか、歌をAIが歌うこと自体、あまり考えていないかった幼少時代ですので初音ミクさんみたいな方が当たり前になってきているのは少しだけきちんと聴くまで抵抗がありました。

ナユタン星人さんの素晴らしさは、この「ボカロが歌う人間の心」ここにあると思っています。星人ということで宇宙学的なテーマ壮大な歌詞、その中でも私たち人間が感じている愛や諸々な感情。これが反映されているから非常に心にくる。

サビや聴かせどころでストレートに伝えたい歌詞が刺さる

いくつか例を出してみてみましょう。まずは惑星ループ

あーあなたに逢いたいな って気持ちがループ ループする
頭がどうにかなりそうだ それ以外交わせない
あーいますぐ逢いたいな って来る日もループ ループする
この周回軌道上に あなたが居なくても

こんな感情ボカロ考えるか？w

ってくらいストレートな歌詞。でもストレートだからこそ、それくらい重要な感情は残っているのでは。コード進行は

E♭ Dm Cm B♭/Dと階段のように降りていくようなコード進行。誰もいない真夜中、自転車で一人暗い夜道の坂道をふわーっと降りていくような感覚に私は感じました。すごく明るいコード進行から悲しさも伝わってきますね

次はダンスロボットダンス。

この曲の構成はなかなか好きですねえ。Bm主体のかっこいいイントロ、Aメロ、Bメロ。サビでG A DというⅣ Ⅴ Ⅵというなんともシンプルなコード進行。CにしたらFGCですよ笑。そこでの歌詞がこちら

ときめく心のモーションが
あなたに共鳴して止まないの！
合理とは真逆のプログラム
知りたい知りたい
ねえもっと 付きあって！

あーいいですね。いつもは物静かな女の子が実はこんな感情的になっている、みたいな厨二的な要素も混じってこのサビを聴くときにトリップしてしまいます。

楽器ができない作曲家の曲作り

とはいえ、歌詞だけに重きを置かずとも素晴らしい曲作りをしてるんですナユタンさんは！実はナユタン星人さん、楽器ができない人なんだとか。というか楽器できないでこんな素晴らしい曲作れるのか！と。楽器ができないのにギターフレーズやリフは超かっこいいです。

エイリアンエイリアンは、Bm A G F# の典型的なⅥ Ⅴ Ⅳ Ⅲのかっこいいロックコード。不協和音も入り混じってエイリアンっぽさを醸し出しています。

先ほどのダンスロボットダンスのAメロのギターリフの作りかただったり、フジファブリックの銀河とか、マイナーコード主体のロックもちゃんと好きなんだろうなあというような曲構成です。

猫猫的宇宙論　分解

さあ、そこで本題、猫猫的宇宙論の出番です。この曲は私「猫わずらい」という名前であれば抑えなくてはいけない曲。ナユタンさん的には今回は猫の気持ちになった楽曲とのこと。かわいらしいですねー、ピンク色ですか今回は！

「あなたに触りたい」「今は私を見てね」

この言葉に限る！今一緒にいる猫がこんなことを感じていてくれるなら、飼い主としては幸せまっしぐらです。まさに猫は宇宙。

コードで見たとき、このような形になります。お洒落なM7とm7をうまく組み合わせたパターンですね。キーはBという形でしょうか。B△7 C♯m7 D♯m7 E△7 F♯7 G♯m7 A♯m7(♭5)

Aメロのコード進行

Emaj7 　　　　　　　　　
猫猫(にゃんにゃん)的宇宙論 なんも知らないまんま
D#m7
アイラブユーを唱える 尊い感が麻薬的
Emaj7
宙宙に夢中で 前と後は機械的
D#7
あー嫌嫌 そんな愛は要らないな

淡々と Ⅳ△7とⅢm7を繰り返すAメロでしょうか。

サビのコード進行

Emaj7                D#7
にゃんにゃんな非言語の宇宙論理で
G#m7                 G#m7 Gdim F# Fm7-5
ハートが一応、真実になったって

ベースラインが綺麗な曲だなあと思っていましたが

Ⅳ△7 Ⅲm7… VIm←ここ！

ここからクリシェとなって半音ずつ下がっています！

クリシェとはコード進行やコードの構成音の音を半音ずつ上がる、もしくは半音ずつ下げることを言います。使用どころにもよりますが、力強さというか、言葉の歌詞の内容が際立って聴こえたり、一番の泣きどころになる表現ができます。

クリシェの使用例は東京事変の透明人間のBメロ部分、「秘密も愉しいけれど直ぐ野晒しになるよ…」の部分のベース音が半音ずつ上がるところだったり、MR.CHIRLDRENのファスナーのイントロ部分のコード進行なんかが半音ずつ下がってるのではないのでしょうか。あとはフジファブリックさんがよくサビで使用している印象があります。

猫猫的宇宙論 歌詞

猫猫的宇宙論　なんも知らないまんま
アイラブユーを唱える　尊い感が麻薬的
宙宙に夢中で　前と後は機械的
あー嫌嫌　そんな愛は要らないな

乾乾照りの惑星で　ピンクが弾け
脳内報酬系潤って　キャンディーも足りない程
パッパッパ　次が欲しくてただ、吐いた
「スキ」なんかじゃ　意味をなさない

にゃんにゃんな非言語の宇宙論理で
ハートが一応、真実になったって
ちゃんと愛しあう術は　ここには無い
あなたに触りたい

猫猫的愛の終焉にて
やっぱ全部がウソになる前に
にゃんにゃん　いざ！宇宙であなたとにゃんっ！
「今は、わたしを見てね」

この宇宙はドラマティック　かつロマンスティック
なのに次ある保証は無いらしく
にゃんにゃんから来る　曖昧な日々と
バイバイしないまま腐敗したい

事有るとイタい妄想
オペラント２回行動
触ったって透けない愛が欲しいな

猫猫的宇宙論　魔法は解けないまんま
アイラブユーは机上論　とうに察していたけど
散散求めたいの　正当性は二の次
まーいいや　いや、ほんとは良くない

にゃんにゃんな非言語の宇宙論理で
ハートがどっか宙に舞う寸前だ
多分やめられはしない　やめたくもないが

猫猫的愛の終焉にて
愛とか恋が陳腐になっても
あなたと出逢った理由を探してみるからさ
目を逸らさないで

にゃんにゃんな非現実の宇宙論理で
ハートが　やっと真実になったら
ずっと愛を確かめたい
ふたりの世界で

猫猫的愛の永遠にて
言語さえ交わしあえぬあなたと
にゃんにゃん　解ったような顔してにゃんっ！
「もっと、わたしを愛してね」ずっとずっと愛してね

猫を飼っている私からすると非常に感情が色々入ってしまう曲なんですが、猫って結構そっけなく見えて自分大好きで愛されたがりなんですよね。

言語さえ交わしあえぬあなたと…「もっと、わたしを愛してね」…

このあたりの部分を聴くといいなぁー！ってなりますね。

ナユタン星人 惑星ループ ギター弾いてみた

今回は弾いてみたでうちの猫も出演しています。ぜひみてみてください。