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【読書会報告】『批評理論入門』 (廣野 由美子/中公新書)

こんばんは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。

さきほどまで『批評理論入門』の読書会でした。
昨日のnoteに書いたとおり、『猫の泉 読書会』でオンラインにて「フランケンシュタイン読書会」の第五回目を行っていました。

『批評理論入門』の理論篇で扱う、13種類の批評理論に対し、気になることや感想を、参加者同士で議論しました。
下記の13種です。

 1.伝統的批評
 2.ジャンル批評
 3.読者反応批評
 4.脱構築批評
 5.精神分析批評
 6.フェミニズム批評
 7.ジェンダー批評
 8.マルクス主義批評
 9.文化批評
 10.ポストコロニアル批評 
 11.新歴史主義批評
 12.文体論批評
 13.透明な批評

このなかで、一番議論が活発だったのは、「5.精神分析批評」でした。
とくに「フロイト的解釈」「ユング的解釈」について説明された箇所についての意見や感想が多かったです。

個人的には、「フロイト的解釈」「ユング的解釈」には、親との関係や無意識の存在について、ちょっとばかり強引に感じるところもあり、その一方で、うまいこと物語の説明になっていると腑に落ちるところもありました。

おそらく「批評の道具」として、よく切れすぎる感じが、魅力的というか、興味を惹かれたのだと思います。

逆に全く議論されなかったのは、「11.新歴史主義批評」でした。

本書によると、「新歴史主義」は歴史を、旧歴史主義のように文学作品の「背景」と見做すのではなく、より広範なものとして捉え、社会学や文化人類学などを含む「社会科学」として位置づける点において新しいのだそうです。

しかし『フランケンシュタイン』(メアリ・シェリー)に限って言うならば、歴史よりも、プロットや心理描写の方が興味深かった。だから、今回の読書会では討論の対象に挙がりにくかったのでしょう。


さて、お知らせしているとおり、来週から、プラトン『饗宴』のなりきり朗読 読書会が始まります。

また、「フランケンシュタイン読書会」の次の企画も準備中です。
課題本は『エマニュエル・トッドの思考地図』です。日程等、決まり次第、お知らせします♪

■本日の一冊:『エマニュエル・トッドの思考地図』 (エマニュエル・トッド 大野舞(訳)/筑摩書房)

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