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【本】『別冊NHK100分de名著 時をつむぐ旅人 萩尾望都』 (教養・文化シリーズ 別冊NHK100分de名著)

こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。

本屋に行ったら、この前ご紹介した『一度きりの大泉の話』(萩尾望都)の隣に、この本が置かれていました。もうね、迷わず買いました♪

萩尾望都作品を読むのがもっと楽しくなる素敵な本ですので、気になる方はぜひぜひよんでみてくだーい。

内容はこんな感じ♪
・『トーマの心臓』をよむ――小谷真理
・『半神』『イグアナの娘』をよむ――ヤマザキマリ
・『バルバラ異界』をよむ――中条省平
・『ポーの一族』をよむ――夢枕獏
・萩尾望都インタビュー

どの作品も好きなんですが、やっぱりわたしは『ポーの一族』がダントツに好きです。

中学生の時に『トーマの心臓』は衝撃が強くて、一度読んだらもう読めなかったです。残酷なシーンがショックでした。(『メッシュ』は大丈夫だったんですけれど、あでも、『残酷な神が支配する』も無理だったです)。一度しか読んでいないはずなのに、細かいシーンは結構覚えていて不思議です。小谷真理さんの解説を読み、あまりよくわかっていなかったことにも気が付きました。もうそろそろ再読を試みてもよい時期なのかもしれません。

『半神』『イグアナの娘』は、近所の医者の待合室にあって、なぜか母が借りてくるのを読ませてもらっていました。深い共感と共に読みました。押しつけられたアイデンティティや生きづらさ、母と娘の関係の難しさの物語でした。ちなみに、個人的には母と娘の問題がこんなに苦しいのは、女性の生き方が劇的に変わっていて、娘が母の生きてきたやり方を否定するつもりがなくても、結果的にはもはや同じように継承できないせいだと思います。

『バルバラ異界』はこのテキストを読むと、びっくりするような発見が沢山あって、ちゃんともう一回読み直さないといけないなと思いました。中条省平さんの解説も、とても面白かったです。

夢枕獏さんが解説する『ポーの一族』は、発表順のリストなどがあって、つい、『一度きりの大泉の話』で事件の起きた時期を見てしまいます。
『小鳥の巣』は1973年の作品です。

エドガーがアランを誘う言葉「きみもおいでよ ひとりではさびしすぎる」は1973年『メリーベルと銀のばら』の中の言葉でした。
この次の作品が『小鳥の巣』になります。
エドガーの孤独は萩尾望都先生の孤独であると、夢枕獏さんは言っています。

創作の道にはいった人間というのは、必ず孤独と向きあわねばなりません。本人の意思に関係なく、孤独な旅人となってしまうわけですね。この旅の友が欲しい。でも実際にはそういう人間はいないわけですから。このエドガーの言葉には萩尾さんの肉声が紛れ込んでいると思います。 P134 

いまのわたしは、『一度きりの大泉の話』を読了していますので、夢枕獏さんの言葉にはとても納得しています。。


■本日の一冊:『別冊NHK100分de名著 時をつむぐ旅人 萩尾望都』 (教養・文化シリーズ 別冊NHK100分de名著)

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