見出し画像

【本】武器としての交渉思考 (瀧本 哲史/星海社新書)

こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。
今日は『武器としての交渉思考』のガイダンスと1時限目をまとめます。

■ガイダンス:なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?

〇「王様と家来モデル」の崩壊

・位の低い人間には基本的に判断する権利が与えられていなかった
・俺の仕事をお前らはただ手伝えでは、もう通用しない
・これからの上司はチーム全体の監督でありファンド運用者である。

〇ソクラテス・メソッド

・education教育←ラテン語でeducere(エデュカーレ:引き出す)

・2400年前の古代ギリシャの時代から近代まで王道の教育スタイル上の立場の人間の考えを「押しつける」ことでも、正解を「詰め込む」ことでもなく、相手から思考力や洞察力想像力を引き出すことこそが教育本来の姿

・現在日本で主流の一斉方式一方通行の授業スタイルは、中世イタリア・ボローニア大学ではじまる

〇自分たちで考え自分たちで秩序を作り出す行為へ

・ローマ法:自律的に物事を考えることができ、それぞれ武力を持っている複数の自由人が、暴力的な手段をとることなくお互い合意できることによって秩序をつくっていこう」と考えてできた、「契約」に基づく最初の法律

〇パクタ・スント・セルヴァンダ(合意は拘束する)
 ジャンジャックルソーの「社会契約論」

〇自由のせいで不自由にならないための束縛
・全員が完全に自由になると、他者の自由と衝突し、かえって不自由になる
・自分を束縛するルールは他の人との合意によって決めなければならない。必要最小限のルールを合意に基づいて決めて、各自が守る。
・自由主義と法治主義とは表裏一体

〇明治維新は若者がはじめた
・薩長同盟
  薩摩  大久保利通 35歳  
  長州 木戸孝義  32歳 
・戊辰戦争で最後まで新政府に抵抗した後、明治政府の重臣となった榎本武揚は31歳で海軍トップに就任 
・日本の初代総理大臣伊藤博文は36歳で内務卿=事実上の国政トップに

〇年長者に好かれる若者になれ
・佐賀藩の江藤新平 脱藩後、前藩主:鍋島直正(なおまさ)のとりなしで死刑→無期謹慎へ
・桂小五郎(のちの木戸孝充)も10代の時から藩主・毛利敬親(たかちか)に特別に目をかけられていた
・毛沢東は14歳年上の中国共産党初代トップ人陳独秀が支援していた。(言論誌『新青年』を創設、魯迅の言論活動を支援)

〇仲間と手を組む
・対話の通路を閉じていくと蛸壺になり夢が実現できなくなる
・同質な人間ばかりと出会っていても、大きな”非連続的変化”は生み出されない

〇坂本龍馬の交渉
・長州の尊王攘夷論vs幕府についた薩摩藩の征伐隊→倒幕
 よくよくその利害を分析することで…

■大切なの「ロマン」と「ソロバン」

〇交渉大事
・これから生き残る仕事は交渉を伴うものだけ
・ロマン(誰かの想い)とソロバンを結び付けるのが交渉
・交渉は前提となるルールそのものを変えていくゲームであるといえる

〇ロマンとソロバン
・すべての現実の変革は「初めにロマンありき」
・やる気だけが空回りしていてはだめ
・世の中大きく変えたいと願うならばきちんとソロバン計算をしながら、大きなロマンをずっと持ち続けること
・価値のあるところに儲けがくる
・お金が集まれば集まるほど、社会に新しい大きな価値をもたらすことができる可能性が高まる(人脈を提供するなど)
・それが社会のどんなニーズの役に立てるのか?を常に考える

〇投資するとき
・長期的なロマン:いつか多くの人に必要とされる日が来るか
・短期的なソロバン:きちんとビジネスとしてまわっていくか

〇夢
注意
・認知的不協和:人は意味のないことはできない。意味があったと思い込んで精神的にバランスを取ろうとする。ブラック企業に注意
・夢や理念といったものが、問題の本質から目を逸らさせてしまうことがよくある
・やりたい→いくら必要か→そのお金を集めるためにはどうしたらよいか→その結果他の人にどんな具体的なメリットがあるのか。

■本日の一冊:『武器としての交渉思考』 (瀧本 哲史/星海社新書)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?