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激安部品製造の裏側には。。。①

こんにちは。
行政書士市川聡子事務所の市川です。

本日は表題の通り、ちょっとセンシティブな話題です。

私は以前勤務していた会社では、販売できる中国製品は多くありませんでした。なぜなら、多くの製品は基準を満たさなかったからです。

それはひとえに厳しすぎる日本の基準も原因の一つでは有りますが、多くはそうではありません。
前提として、そもそも購買できる状態ではなかったからです。
では、何を以て「購買できる状態か」と言うと。。。

先に中国の増値税還付の仕組みから説明していきましょうか。
商社は部品を国内購買をすると、自社名義で輸出手続きをした上で(予め税関に輸出者登録が必要)、予め登録してあった上海の税務署に還付申告をすると、その後一ヶ月から二ヶ月で国内購買時に支払った分の増値税が会社の銀行口座に返還されて来る、と言う仕組みです。
増値税還付の手続きには、何が必要かと言うと、中国の領収書とも訳される「发票(日本語では発票と書く)」が必要になります。しかもその发票は統一書式で、税務署から用紙を購入し、専用システムとプリンターも購入しなければいけませんので、日本のようにエクセルかワードで作成して普通紙に領収書をプリントアウトする、という訳にはいきません。
  日本のインボイス制度ともちょっと似通っているところはあるのですが、发票を受取る側の会社名、登記住所、登記電話番号、税番を相手に伝え、その情報を正確にその发票に入力してもらう必要が有ります。
  私自身、发票の発行実務は経験ないのですが、システムによっては税番をいれると候補の会社名が出てきて、選択する方式のものもあるようですし、良く取引をする会社はシステムに保存をしておくこともできますので、次回の取引からの確認負担は減ります。ただ、発行してから締め日が過ぎてしまうと、訂正や取り消しなどにかなり煩雑な手続きが必要な為、やはり毎回発送前にPDFで送ってもらい、全ての事項を確認した上で発行、発送してもらう必要が有ります。
  发票にはだいたい6種類有るようなのですが、私たち商社のような人間が必要な発票と言えばただ1つ;增值税专用发票(増値税専用発票)これ一つです。
後は增值税普通发票(増値税普通発票)くらいでしょうか。これは主に小規模事業者や飲食、サービス業で使用されているものですので、輸出入業務上では原則使用しません。
  最近は「电子发票(電子発票)」と言って、紙ではなく電子方式で発行しているところが有ります。最近増えているのは実店舗での电子发票の発行は自分でQRコードを読み取って电子发票システムのそのお店(会社)のページに飛び、自分で会社情報や税番などを記入して电子发票を発行する方式です。
実は、結構ピンインで文字を入力できないショップスタッフさんって大多数いて(嘘のような本当の話し)、スタッフさんの負担軽減という意味でもかなりの影響があるシステムです。。。

と、ちょっと話が逸れました。
話を元に戻すと、増値税の還付が受けられるのは上述の「增值税专用发票(増値税専用発票)」だけです。
なので、私たちはこの增值税专用发票(増値税専用発票)を発行できる会社と取引しないといけない。
逆に当時の税務署の認識(ただし、関連した法律を確認したわけではないので間違っていたらごめんなさい)だと「增值税普通发票(増値税普通発票)しか出せないような会社は製造したものを輸出できるような規模・品質ではない」ということでした。

ここで地域的な事を言いますと。。。ピンポイントに場所を書いてしまうと語弊が出ますので明記できませんが、華東地区の南部、華南地区の一部は昔から電子部品の製造が盛んな地域でした。
  華東地区の南部に出張した時、有るお話を聞いた事が有ります。この辺りは三方を山で囲まれ、全面が海、農作物にも乏しかったために、特に何か大きな産業が喉から手が出るほど欲しい地域でした。そんな中、有る一人が小さな小屋で電子部品を作り始めて大きな富を得る事になりました。
それを見た近隣住民が最初は「俺にも、私にもやらせろ」とその人の今でいうOEM生産を始めて電子部品製造が広がって行きました。そののち、製造のノウハウを蓄えた人たちが独立して独自の電子部品を作るようになります。
そして、その地域が今でも残る電子部品の一大生産地になったのです。
どこの地域の開発区にも絶対に外国企業が入り、大きな敷地の工場を建てているものですが、その地区にある開発区には「外国企業がただの1社も入ってないんだよ!」と胸を張って教えてくれました。
  なるほど、活気がある地方都市はそんなんなんだ!と感心したものです。

と、脱線してしまい過ぎて文章が長くなってしまいましたので本日はここまで。

明日以降、続きを書いて行きます。お楽しみに〰

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