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不妊治療#5 ステップアップを決意するまで

今回の投稿で人工授精編は最後になります。


合計9回のAIH

諸事情で5回目の人工授精(AIH)を実施後、結局こちらのクリニックでもしばらくAIHを継続。前クリニックと合わせて合計9回行っています。
多い方だと思われます。
少しでも早く進めなければ!と思っていましたが、K先生から話を聞き、少し考えが変わりました。

まず、受精卵が妊娠に至る確率の話。
不妊症ではない(かつ高齢ではない)夫婦でも、確率は10分の1なのだそうです。
10個受精が上手くいったとして、ちゃんと育つのは1個だけ。
うちは不妊期間が4ヶ月なので、単純に確率で考えるともう少し様子見してもいいかも…?という話に。
(年齢の事もあるのであまり先延ばしにも出来ないけれど、と申し送りはありましたが)

また、造影剤検査をしていなかったのも理由の1つです。
体外受精はやはり大変なので「ちゃんと納得してから(体外受精するしかないと腹落ちしてから)ステップアップした方がいいですよ」とのアドバイスも。
これは後々、身に染みて感じることになります。

AMH3.3と年齢より高めの数値であったこと、精液検査も特に問題なかったこともあり、検査を並行して行いつつしばらく様子を見ることになりました。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)とは。
卵巣に残存する卵子の数の目安。
妊娠率を示すものではなく、不妊治療可能期間の目安となります。友人は治療開始前にAMH検査だけしていたので、検査タイミングは特に決まっていないようです。

https://www.sj-shibuya-bc.jp/staff-blog/?p=2213


転院してよかったこと


AIHを続けるなら、転院しなくても良かったのでは?と思われるかもしれません。
しかし実際通い始めて、一般婦人科との違いはたくさんありました。

前クリニックでかなり強い痛みを経験したことは#2で書きましたが、こちらではほぼ痛みがありません…!
AIHも、造影剤検査も。
これが1番嬉しかったこと。
治療に行くのが怖くない。
メンタル的にかなり救われました。

ちなみに、卵管造影剤検査はAIH5〜6回目の間に実施。
バルーンを入れて内診室→処置室へ移動する時がちょっと気持ち悪い痛みが(というほどでもないけど)ありましたが、造影剤を流した時も特に違和感なく。子宮内膜症があるので心配していましたが、卵管の通りも問題なしでした。
(狭窄がある人や検査する側の手技によって、生理痛のような痛みが出る人もいるそうです)

卵管造影剤検査(詳細はURLからどうぞ)
成熟し卵巣から飛び出した(排卵した)卵子は、卵喝采でキャッチされ、卵管を通って精子と出会います。卵管に狭窄があれば当然、出会う事が出来ません。排卵していて(エコーで確認)卵管の通りに問題がないという事は、そもそも卵喝采で卵子がキャッチ出来ていない可能性が示唆されます(ピックアップ障害といい、これを確定する検査は現在ありません)

https://haruki-cl.com/infertility/rankanzoei.html


服用する薬剤にも違いが。

前クリニックではAIH後にホルモン補充開始(内服または筋肉注射)でしたが、専門クリニックではAIH前から内服開始。
最初はクロミッドでしたが、私の場合は副作用で内膜が薄くなってしまって。次回からフェマーラに切り替えになりました。
(薄くなった内膜はホルモン注射で救済。AIHは予定通り実施できました。しかしこの注射が痛い!看護師さん曰く、1番痛い注射だそうです泣)

ただ、もちろん良い面だけでなく
待ち時間がやっぱり長い
前クリニックでは1時間程度でしたが、専門クリニックでは2〜5時間待ちが当たり前。 仕事を持ち帰っている日は遠慮なくPC作業をしています。
読みかけの本を持っていく事もあるし、コンセントが解放されていてwi-fiも繋がるので、スマホがあれば案外なんとかなります。
ネットサーフィン(noteもたくさん読める笑)、ゲームや動画を観てる人もいます。恥ずかしながら、平日遅くなった日は椅子で寝落ちしていた時も(苦笑)

待合室から溢れそうな程の、たくさんの女性が通っています。
ここにいるという事はみんな、不妊に悩んでいるという事。
同じ空間にいるだけで「仲間…!」という気持ちになって、心強く思います。

ステップアップを決意

身近に不妊治療中の知り合いはいますか?
私はこの時点で、1人だけいました。
(後に経験者と現在治療中の友人達がいたことを知るのですが)

その人から、採卵翌日に救急車で運ばれた話を聞きまして。
恐らく卵巣過剰刺激症候群?
唯一の知人が経験してるなんて、そんなに頻度高いのかしら;と、正直ステップアップすることにビビってしまい…
看護師さんに聞いてみると「痛みの感じ方は人それぞれなので…」と当たり障りのない回答(既視感)

クリニックの説明会では、保険適用になってから(通院者数が大幅に増えてから)1例重症例を経験しているとお話しあり。

医療行為をするからにはリスク0はありえないし、リスクを限りなくゼロに近づける努力を医療機関の皆さんはしてくださっていると、
頭では解っていても、やっぱり少し怖い。

しかし、毎月生理が来る度に落胆し、メンタル的にもいい加減疲れてきていました。
AIH9回目の時、リセットになってしまったらステップアップしたい旨を先生に相談し、決意するに至ります。

ちなみに、クリニックから積極的に体外受精を勧められることはありませんでした。
(10回が目安と話していたから?)
一度、電話で受付の方に、体外受精に進みたい場合の予約の取り方やタイミングを聞いた事があり、それがカルテで共有されていたようで
診察時に「何か聞いておきたいことはありますか?」といつもとちょっと違う声かけをK先生がしてくれた事はありました。

適切なタイミングでの(医師からの)提案は必要だと思いますし、一方で当事者の納得感を大事にされているのだろうな…と受け止めています。
とはいえ、コミュニケーションに齟齬がないようこちらから聞きにいく姿勢はとても大事だと感じます。

というわけで、不妊治療を始めて約1年。
体外受精に進みます。
一度誕生日を迎えてこの時38歳。

余談:コロナ罹患

AIHを進めていく途中、夫がコロナに罹患。
漏れなく家庭内感染し夫婦でダウンしていた期間があります。
内服開始していたのにAIHを断念することになり、意気消沈。
ステップアップしようと気持ちに弾みがつくきっかけにもなりました。

ここからは、あくまで事実ベースで捉えて戴きたいお話です。

夫の精液検査は、いつも良好な数値を示していました。
ちょっと肥満気味(笑)なのですが、昔から嫌煙家でお酒は好まず付き合い程度、忙しいけれど激務という程の仕事内容ではなく、若い頃からジムにも通い続けているので、むしろ独身時代の私より健康では?という夫なのですが。

コロナ罹患後、翌月、翌々月の精液検査の数値が非常に悪かったのです。
一度は、AIH実施しても成功確率は非常に低い、と事前説明が入った程でした。

因果関係はわかりません。
クリニックからは特に指摘はありません。
ただ、感染症に罹るということは、子孫を残すよりまず自分の身体を回復させる事が優先されるのだろうなぁと推察します。

インフルエンザも例年より早く流行り始めているそうで。
感染症対策と健康的な生活習慣には、充分に気を遣っていきたいなと思っています。
(絶対ウイルス持ち込むな、と夫に強めに伝える私の頭には、角が生えて見えた事でしょう)

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