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【劇場版SHIROBAKO】のオープニングがアニメ業界の移り変わりを示してくれている。

※ この記事では、『劇場版SHIROBAKO』の本編・結末に関わる話に触れているのでネタバレが気になる人は閲覧注意です。

『劇場版SHIROBAKO』
TVアニメシリーズを観ていないままで、観にいきましたが面白かったです。すっかりハマって、TVシリーズも後から観はじめました。

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劇場版SHIROBAKO
2020年/P.A.WORKS製作/製作国:日本
監督:水島努

後追いでTVシリーズを観て気づいたのですが、劇場版のオープニングって、TVアニメシリーズのセルフオマージュなんですね。

そんな、オープニングの演出が見事だったので、今日はその話をします。

TVアニメシリーズ「SHIROBAKO」と『劇場版SHIROBAKO』のオープニング

TVアニメ『SHIROBAKO』は、学生時代の宮森を描いた後、時間が飛び、原画の回収に向かう現在の制作進行の宮森の姿へと移行するシーンで始まります。交差点で停止する車。カーラジオで流れるアニメ系ラジオから、車の発進と共にアニメソングがかかり、それがそのままOP曲となり、夜空にタイトルロゴが表示される……そんな演出となっています。

一方『劇場版SHIROBAKO』は、マスコットキャラクターのミムジー&ロロのTVアニメシリーズのあらすじ紹介のあと、TVアニメシリーズ同様、車に乗った宮森が交差点で停止している所から始まります。アニメ系ラジオを聞きながら、発進と共にそこからかかるOP曲、そして夜空に浮かび上がるタイトルロゴ……アニメ版に合わせた演出です。

OPの少しの演出の違いが表すものとは。

一見、一緒の演出で始まるOPですが、実はこの演出に少し違いがあるのが本作の面白いところです。

TVアニメ版のカーラジオでは、アニメ業界が潤っていて、放送本数がどんどん増えているおかげで視聴に追いつかないという話しているのに、劇場版のカーラジオでは、ディスクが売れなくて業界自体が斜陽に向かっているという話題を話しています。

また、TVアニメ版はゲストを呼べているのに、劇場版ではお金がなくてゲストを呼べていないといった内容が展開されます。

さらに、カーラジオから流れる曲も、TVアニメ版ではアップテンポでポジティブな曲でしたが、劇場版では落ち着いた曲でタイトルも「仕方ないのでやれやれ」という、ネガティブに振り切らないまでも、下向きな曲になっていました。

これはTVアニメ版が、これから激動のアニメ業界の物語を展開していくと言うことを表している一方、劇場版では、武蔵野アニメーションの経営があまりうまくいっていないことを示唆する演出となっています。

そして、実はこれ、作品の展開だけでなくアニメ業界の“ある事“を表す演出でもあったりします。

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2014→2020で変わりゆくアニメ業界

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