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【ゴブリンスレイヤー -GOBLIN'S CROWN-】はゴブリンスレイヤーの魅力が全然わからなくてもったいない。

『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』観てきました。

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ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-
2019年公開/製作/製作国:日本
監督:尾崎隆晴

本作はネット小説が原作のTVアニメ『ゴブリンスレイヤー』の続編OVAを劇場公開した作品。本編は1時間ほどのタイトな作品です。

私、恥ずかしながら『ゴブリンスレイヤー』という作品自体を知りませんでした。それでいて、まったく予習をせずに『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』を観に行ってしまったせいで、十分に『ゴブリンスレイヤー』を楽しめず終わってしまいました。正直、『ゴブリンスレイヤー』ってあんまり面白くないんだなぁ、と思ってしまったのですよ。

ただし、コミカライズ版を読むまでは。

『ゴブリンスレイヤー』には、小説版を漫画にした作品が複数作出ているのですが、それを読んでみてわかりました。


『ゴブリンスレイヤー』、めっちゃ面白いです。


コミカライズ版を読んで『ゴブリンスレイヤー』のディテールが分かり、その面白さがわかりました。それと共に『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』について、根本的な部分でわかっていなかったことがいっぱいあったと気づかされました。
ので、今回はそんな『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』で根本の部分でわからなかったことを紹介します。

根本的にわからなかったことその1:この世界でのゴブリンの扱い

この『ゴブリンスレイヤー』の世界で、ゴブリンがどういう扱いなのか、『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』では十分にわかりませんでした。作品に登場する女性騎士のチームが、オープニングであれだけバッサバッサ倒していたのに、中盤では簡単に負けてしまっていて「?」と思ったのですが、この世界のゴブリンの扱いがけっこう絶妙な存在と知っていろいろ腑に落ちました。

■ゴブリン以外にもより強い、いろんなモンスターが存在すること。
■ゴブリンは人間がまったく太刀打ちができないほどは強くはないこと。
■かといって場合によっては小さな村を滅ぼすぐらいには危険な存在であること。
■ゴブリンの中にもホブゴブリンやゴブリンシャーマンといった特殊な能力を持ったゴブリンがいること。

……などなど、こういった細かな設定が『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』だけではわからず、ゴブリンが“ただの悪いやつら”にしか映らなかったのが惜しかったです。

根本的にわからなかったことその2:ゴブリンスレイヤーさんがどういう人か

で、そんなゴブリンという存在をやっつけるプロフェッショナルが、『ゴブリンスレイヤー』のタイトルにもなっている、主人公のゴブリンスレイヤーさんなのですが、この世界のゴブリンの存在がどういう立ち位置かも分からないので、もちろんゴブリンスレイヤーさんのことも、あまり分かりませんでした。たとえば、本編で理解できなかった要素がこんなこと。

■この世界で下級のモンスターであるゴブリンばかりを一貫して倒している人であること
■そんな下級のモンスター退治をしていながら等級の高い珍しい戦士であること
■ゴブリンに対して私的な恨みを抱くような因縁があること
■ゴブリン退治に関しては徹底したプロフェッショナルであること

このあたりの要素がわからなかったので、ゴブリンスレイヤーさんが“ただモンスター退治に長けている人”としか映らなかったのがもったいなかったです。なんでこの人こんなに強いんだろう、とか、なんでこの人だけいつも鎧つけているんだろう、とかそういう細かな部分がしっかり練られているところが『ゴブリンスレイヤー』の魅力なのに、『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』ではそれが伝わらないのは、もったいなかったです。

その他にわからなかった細かいこと。

あと、これはもう、一見さん鑑賞ではしょうがない問題のですが、細かな専門用語がわからなかったのも『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』を見る上では結構致命的に思いました。

前述のゴブリンの種類の話もそうなのですが、会話に出てくる“渡り”のゴブリンが通常のゴブリンよりも手練れのゴブリンであることや、“奇跡”といった特殊能力があってそこに1日の回数制限があることなど、『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』だけを見ていては分からず、むしろノイズのように感じました。

『ゴブリンスレイヤー』は戦闘・戦略が面白さの鍵となる物語でありながら、この世界の戦闘を楽しむ上での細かいルールが分からない状態だと“独自のルールでなんかすごいことをしている”というぼんやりした感想しか漏れない作品となってしまいました。


ファン向けの作品として割り切って、一見さんへの配慮を一切カットしてしまうという選択肢は、作品を制作する上で全然あり。なのですが、個人的にはせっかくの劇場公開なのだから、一本の映画として『ゴブリンスレイヤー』を観ていなかった人にも作品の面白さを知れる作品になっていたら良いのに……なんてことを、あとあとファンになった身としては思ってしまったりします。

もし、私のように『ゴブリンスレイヤー-GOBLIN'S CROWN-』がいまいちだったなぁと思ってしまったゴブリンスレイヤービギナーの方は、ぜひコミカライズ版やアニメ版を観てみてはどうでしょうか。意外と私みたいにこっちだと刺さる!みたいなケースもあるんじゃないかな。


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ゴブリンスレイヤーさんのここが大好きなんだ!

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