幸せはマーブル模様

幸せ者なくせに!

何年か前だが、ある後輩の悩みを聞いていたときの話。

僕は後輩の悩みにうんうんわかるよと共感していのだが、急に「そうは言っても先輩は結婚してるじゃないですか」と言われた。

後輩からすると、幸せ者なくせに自分の悩みに共感できるものか、と言いたかったらしい。

なるほど。

後輩の言うこともわかる。そのときの後輩は人生のパートナーが欲しかったのだろうし(そういう種類の悩みを聞いていたわけではないが)、それを成し遂げている(?)人間に共感されてもそんなはずはないと思ったのだろう。

そういうことってあるよね、とは思ったので、僕はそのとき多くを語らなかった。

でもですね…

でもですね、後輩よ。そんなに簡単な話ではないと先輩は思うのだよ。

じゃあ結婚してる人はみんな24時間年中無休で100%ピカーンと幸せなんですか? そんなことないのは世の中見てればわかるでしょう?

だいたい、そんなことを言いだしたら、雨風凌ぐ家がなく飢えに苦しんでいるような南の国の子供たちに比べたら、何不自由ない生活を送れるあなただって何も悩みがなく幸せに過ごせてたっていいんじゃないの? でも日々生きてれば現にこうして色んな悩みがあるでしょう?

これは別に屁理屈で言っているんじゃないし、だから結婚に希望がないのかとかそういう話ではないのさ。

想う人と一緒になれば素敵なことはたくさんあって素晴らしいし、飢えに苦しむことがないのも大変に恵まれたことで間違いない。

でも幸せは相対的だし、生きてると色んなことが起こる。だからそのときそのときで楽しかったり辛かったりする。そういうごく当たり前の話なのだよ。

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幸せはマーブル模様だ、と最近よく思う。

僕たちの日々はうねっていて、楽しさが濃いときもあれば、悲しさが濃いときもある。全体的に楽しい色の割合が多い人もいれば、そうでない人もいるかもしれない。日々にはグラデーションがある。

良い大学に受かったら、良い会社に内定したら、結婚したら……それはそれで嬉しいけど、それで24時間365日全ての悩みがなくなるわけじゃない。

結婚したら幸せ100%になれるかのような夢を見ている後輩にはなんだかつまらない結論かもしれないけれど、でもそういうものだと僕は思うよ。

逆に、つらいことが起きたからといって人生全部がダメになるわけではない。90%悲しい気分でいっぱいなときでも、10%は楽しい部分もあるかもしれない。それがまた少しずつ50%に上がってくればいい。君が思う結婚や就職は、それを支えてくれるかもしれない。

ゼロかヒャクかではなくて、マーブル模様とグラデーションで考える方が、僕はいいと思うよ。それが本当だし。

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