4.21

すっかり暖かくなった。今日は完全に初夏の風が吹いていた。日陰で初夏の風を感じるのはもう何回目なのか分からないが、え、まじかと新鮮に驚くほど気持ちがいい。

朝イチで映画『AIR』を観に行った。松竹系の会員サービスは一度映画を見ると次の映画が1300円になるクーポンが発行されるというドリーム循環があり、これも毎度新鮮に驚くほどありがたい。チケットを買おうとしたらちょうどそのクーポンの有効期限が今日だった。サービスをうまく使いこなしている感じがして嬉しい。

『AIR』はナイキのエアジョーダン誕生に至るまでの成功談で、靴そのものやバスケ、マイケルの偉大さなどではなく、ビジネスの話という感じだった。大きなリスクを伴う賭けが当たった、というプロセスをただ観ているだけで楽しめるし、「ただの靴」をアスリートが履くことで価値や意味を与えていくのだというのはまさにブランド戦略の基盤なんだなぁと思った。
Amazon Studio作品で、元々配信予定だったんだが試写で好評だったので劇場公開したらしく、なるほどそれは分かる分かる!80年代ソングガンガンかかる映画は最高だし、お話も面白いし、なんといってもマット・デイモンの熱が最高潮になる即興プレゼンは見ものだった。すごい。
とはいえ出てくるのは企業の上層部のオジサンたちとマイケルのママだけであまりにも女の存在が無さすぎるなとは思った。あとノンフィクション系の定番として最後に本人の写真と後日談みたいなのがテキストで出てくるのだが、「CEOは〜ドル〜に寄付した」とかあってそりゃクソ金持ちなんだからそんくらいするだろう&劇中と関係ない情報すぎてだからなんだよ感があった。
超最高だったのは仲介代理人役のクリス・メッシーナの電話ブチギレシーン。最高すぎる。

電話映画と言えるくらい電話シーンが多い

映画をみたあとは朝食を食べにベローチェ。ベローチェに朝行けるとかなり幸せになれる。ベローチェに行ける日々をとても愛おしく思う。そうそうそれなんだよ、これがいちばんええんや、というピーナッツクリームが挟まっただけのサンドウィッチ150円とブレンドコーヒー280円、しめて450円で本を読みつつ混み始めてきたランチ前に退散。

相変わらず気持ちいい風が吹いている。街は平日の昼にもかかわらず人が多い。本当に人手が戻ってる。欧米、アジア、さまざまな観光客がいる。
道を歩いてるときも、買い物中でも、支払う時も、とにかくずうっとテレビ電話をしている人をよく見ると、自分と全然違う文化を持ってるねぇと思う。

ディズニーストアになんとなく入ったら、カーズのプラスチックのコップで側面にに水とキラキラしたなにかがうようよ浮いてるのを見つけて、子供の頃使ってたこれと同じ仕組みでミニーちゃんのコップを思い出し欲しいな…という気持ちがむくむく出てきた。買うならプリンセスの絵柄でピンクキラキラものが良かったので公式オンラインショップを見るとどうやら物自体はあるようだった。ここには在庫が無いようだったが、町田の店舗ならあるかも、と見て取れた。

まだ昼だしこのあとの予定もないし、あるかは分からんがふと町田というところに行ってみるのも良いかもなと思った。意外と35分くらいで着いてしまうのも良かった。

小田急線の地上にあるホームは広くて好きだ。天気の穏やかな日にしか行かないからかもしれないが、この辺りのホームは大きいし散歩していても穏やかで気持ちがいい。窓越しにマンションのベランダに緑の植物をたくさん置いている家々を眺めながら、スマホでこの辺りの駅から仕事場までの勤務時間、家賃などを調べていた。
多摩川を越える時にちょうど隣の線の列車と並行し、隣の列車の窓を通してその向こう側に見える景色を眺めた。郷愁の思いがして、やはり多摩川の近くで幼少時代を過ごした記憶が染み付いてるのだろうかと考える。
川を越えると急に郊外の風景となった。森林や竹藪が沿線から見えるところに現れ、総合病院やなんらかの巨大な立体駐車場などが見られた。

小田急線の町田駅にはセブンイレブンがホーム上にあった。そういえば新宿の小田急線ホームにもセブンイレブンがあるな。さらにそういえば、キオスクって最近あまり見ない、もしかして減ってたりする・・?

町田駅を降りるとあらゆる商業施設がこれでもかと乱立しており驚いた。まず小田急百貨店があり、modiがある。それを越えると大きめのOIOIがあり、LUMINEまである。そして名前は知らないがあと二つほどそれらと同じくらいでかい商業建物がある。「ああ、全部ある」と思った。
その一つ一つを見るとなんだか都内のそれとは違うというか同じものが並んでいるはずなのに得体の知れないちゃっちさがあった。なんと言っていいのか分からない。

そう、町田に行ったらブックオフに行きたかったんだ、と思い出し向かう。「探し物は大体町田ブックオフで見つかる」と誰かが言ってたのを覚えている。

本を扱うブックオフに行った(本を扱わないブックオフもあった)ら、なるほど、これはすごい。蔵書の数で言ったら都内になかなかこの規模は無い。ジュンク堂よりすごいんじゃ?。しかも広いだけじゃなくて本棚がめちゃくちゃ整然としていて綺麗なのだ。子ども向けの本棚だけで4,5列あるのだが、そのどれもが整理整頓されており、美しく並べられているのだ。これは、とっても几帳面な人が店員にいるにちがいない。

海外文学だけで2ブロックほどある。値段は基本的に他と一緒だが50%オフシールが貼ってあるのが時々あった。掘り出し物はなかったが、シャーロックホームズの文庫が5出版社ほど揃ってるのには感動した。

思いの外時間を使ってしまったのはその上にあるフィギュアなどのフロア。ここにカプセルトイの中古コーナーがあって、ガチャガチャの小さい小物類が一つずつ袋に入れられそれぞれに丁寧に値付けがされているのだ。むむむこんなのいつまででも見ていられるぞ…と物色していたところ結構長い時間が経ってしまい集中してたので下の方を見ようと屈んだ時に後ろに店員さんが居るのに気づかずお尻アタックをかましてしまったのでちょっと冷静になり何も買わずあとにした。

町田にもベローチェがありそこも行きたかったのだが、腹が減ったのでバーガーキングに行った。バーガーキングに行ったのは人生で2回目くらいなはずだ。それも何年ぶりかわからない。表から見えたメニューにセット価格550円とあって「安いな」と思ったのと、朝のベローチェが450円だったので朝+遅めの昼=1000円はなかなか良いなと思ったのも決め手だった。
550円でチキンタルタルバーガーとウーロン茶とポテトたくさんが食べれるなんて、本当に日本は物価が安いな〜と思いつつ、その少し前に聞いてた中川家のラジオのポッドキャストのことを思い出していた。

幸せやな〜と感じることって何?って話で、二人は歳を重ねたことで本当に些細なことが幸せやな〜と思うようになった、という話。例えば桜が咲いたな〜とか、ああこれからカップラーメンを食べるぞとか、Netflixをつけてから冷蔵庫に食べ物取りに行ってそれを食べながら見る時とか。
それは本当にわかる、わかる幸せで、わたしも今日朝映画を見た時もベローチェに行った時もここでバーガーキングのジャンクフードをむしゃむしゃしてることもすべてかなり結構幸せだ。
この足が動く間、美味しく食べれる間、これを幸せと感じる間、何回でも、何回でも、ここに辿り着きたいなと思った。

ポテトのはみ出具合が豪快で良いよ

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