人生でいちにちでも多くこういう日を過ごしたいという日のこと

特になにもない休日である。

目覚ましで起きて、まだ眠かったが洗濯物を回した。けっこう溜まってたので2回は回さないとな、と昨夜思ったのだ。とりあえず回してまた一眠りしようと思った。

洗剤を入れる時、こないだ朝日新聞の記事で見た「化学物質過敏症」という言葉がふとよぎる。この記事を読んで初めて知った、柔軟剤などの匂いに反応して頭痛などの症状が出るということ。知るということは人生を少しずつだけど確実に変えていく。無印で買った無香料の洗剤は大丈夫なのだろうか、などと考えながら洗濯物を回す。

せっせと2回洗濯機を回して、近くのコインランドリーへ行く。乾燥が終わって取りに行くと感じのいいおばさんがいてニコリとしてる。洗濯物を取り出してると「これ使ったら便利ですよ」と奥にあった移動式のカゴを渡してくれる。「私もよく落とすんです、では、ありがとうございます〜」と出て行った。どうやらここのオーナーの人らしい。オーナーの人も自分の店で洗濯すんだな、と思う。カゴを使うと確かに便利で、私はこの先このコインランドリーに来たら必ずこのカゴを使うと思う。また人生が変わった。

先週届いてたクッキー缶を開けた。とても大きい缶でずっしりしている、1kgはあるんじゃないかと思う。実は買ったのは1年前で、人気すぎて1年待ちだったのだ。1年焦らされたクッキー缶、荒れた部屋で開けたくなくて綺麗に片付くまでそのままにしておいた。それを、開けた。整然とそしてぎっしりと詰まった特に飾り気のない誠実なクッキーたち、私もしゃんとしようと思った。少なくとも食べ終わるまでは綺麗な部屋を維持しよう。しけらないように缶の蓋を閉じたうえにマスキングテープで封鎖した。

こわいくらいぎちぎち

3日分ほど貯まったラジオのハングル講座を1日分進めた。ベッドで寝転びながらやっていたら案の定寝た。でも、寝てもいいかなと思いながら寝転がったので気持ちよく寝た。起きるとハングルの助詞는のことが脳内でグルグル回っていた。

起きてもまだ11時前で、いい天気だったので出かけようと思った。人の少ない生活感のあるでかいスーパーがあるような駅に行きたいと思った。若干身体に疲れを感じてたので歩かないとこがいいと思った。選ばれたの新百合ヶ丘だった。

出発のホームで売ってて飲んだヤクルト1000、これが初

特に選んだ意味はなかったが、強いて言えばGoogleで見た地形が面白かった。駅の周りが整備されていて異様に緑が多い。駅の四方には区画整備された道とでかめの一軒家が立ち並ぶ。作られた街ってのは私の好物だ。

快速急行に乗ったらあっという間についた。お腹が空いてきたのでまず昼ごはんを食べようと思った。ベローチェの気配を感じたので迷わず向かった。遠出した時ほど普通の行動をするのが楽しい。ベローチェを見つけたら入らずにはいられない。

新百合ヶ丘のベローチェは地下表記だったが明らかに地上だった。新百合ヶ丘駅の構造はやばくて駅を出て広大なペデストリアンデッキが広がっているのかと思いきや、それがそのまま住宅街へ続いていくのだ。地上に降りることなくそのままぬるっと地上へ繋がっている。やべ〜このつくりの駅初めて見た。やべ〜。

地上なんだが表記は地下のベローチェは入り口こそ狭いものの中に入るとその奥行きの広さに驚く。天井も高くて開放感もある、単に平面ではなく色んなところに段差があって区画が分かれている。一人でじっと過ごすゾーン、何人かで囲みおしゃべりするゾーン、外の景色を見れるゾーンなど…。壁はベローチェ色の深い紅色で統一、ついでにテーブルも同じ色。ランプなどもいちいち洋な感じの装飾がしてある。窓は大きくて明るい光がサンサンと差し込み、仕事する人、勉強する人、ぼーっとする人、ひたすら喋る人などなどもろもろを大きく包み込む。とまあ、かなり最高だったのだ。ここで初めてもちっとナンピザを食べた。ドライトマトが美味しかった。オースターのナショナル・ストーリーズを読む。このひとつひとつの短い物語の贅沢なことよ。

前もらったスクラッチのクーポンで100円引き

ベローチェを出たらボンボンと立ち並ぶ商業施設を巡った。新宿でしか見たことない「ミロード」の中はまるでイトーヨーカドーだったが、小学生が多いのか今の時期はプールグッズがかなり充実していて、色とりどりのプール帽子がセブンPBで売ってたことに感動した。それにしても最近の小学生女子向けグッズはことごとく淡い水色を基調としていて、バキッとした原色やピンク系の色がぜーんぜん無くてすごい。なんというか、大人っぽい。

かわいいハギレの布を買った。元気だったらこれをブックカバーに縫おうと思った。ここにはブリブリに可愛らしいピンクの柄があった。

とにかくdean&delucaにしろ、muji deliにしろ、starbacksにしろ、普通に座れるほどの余裕があることが良い。新宿や銀座などではそこらの店は一生混んでいて座ってる人はどのようにしてそこに座ったのか疑問に思うほど座れることは奇跡と思える有様だ。

有隣堂へ行ったら「ちゃお」が目についた。見ると650円とある。そりゃそうだが自分が買っていた時代は420円だったので500円のお小遣いじゃもう「ちゃお」も買えないんだなと思う。

色々見回って楽しんだところで、まだ明るいうちに帰ることにした。この引き際こそ私が最近身につけた生活の知恵だ。居る時間をびよびよと長引かせてると疲れてくるし家に帰る時間が結局いつもと同じくらい遅くなってしまう。へとへとになるまで歩き彷徨う休日は、今日ではないと、分かる私はすごい。

小田急線のホームに小田急線OXという雌牛コンビニがある。セブンイレブンの商品がたくさんあるがいろんなところのご当地ぽい小物がそこかしこに置いてあって面白かった。八ツ橋の皮が売ってて食べたかったので買った。八ツ橋の皮でしか満たされないものがあるのだ。あのニッキ味をフニフニしたいのだ。

16時前の小田急ホームは日が傾きかけていて、風がささーっと吹いていて、人はまばら、余すことなく西陽が広がっていた。ただ立っていたり、座っていたり、それぞれが電車を待っていた。

空いていた日陰の椅子に座って、隣のホームに座ってる人を眺めて、風が吹いた。そうして一息落ち着いたあと、思った。ああこれ、これが人生の醍醐味。この、この日この時この風景。癒される。晴れてる、時間がゆっくり流れてる、風が吹いている、急ぐ必要がない、何をしてもいい、そういう時にここに来ることを選択したこと、自分がこれに癒されるのだと分かっていること、そういうことで満たされていく。

右側に来た電車が快速急行、左側に急行が来た。中央線快速にいつも乗っている自分からするとイ「急行」の方が快速急行より速そうなんだが、考えてみれば「快速」って字は豪快に速そうでかなり勢いのある字だ。
一旦、より速い方の「快速急行」に乗ったのだが、車両がシルバーでピカピカ、新しい匂いがしていかにも「速いですよ」という感じ、対して向かい側にいる「急行」とやらはまどろんだクリーム色に青の線が入ったちょっと古そうな車両で人もまばら。今の気分は完全にこっちなので乗り換えた。

新宿に着いて、ホームで八ツ橋の皮を食べた。今日のあったかい気温で薄い皮はくっついてまとまった餅みたいになっていて、ニッキの粉?が指についてきて、八ツ橋の皮、歩きながら食べるおやつに全然向いてなくて笑った。

最寄駅に着いたのは17時前ごろ。まだまだ外は明るい。お腹が空いてたし気分も良かったのでお気に入りのご飯屋さんで夕飯を食べて今日という日をさらにハッピーにしちゃおうと思った。

店に着くと17時にご飯を食べる人はいてなくて、お店の人も材料の出し入れなんかをしてた。でもこのお店は昼から夜までぶっ通しでやってて、こんなふうに変な時間に言っても当然のように完璧な定食をさっと出してくれる。炊き込みご飯に惹かれたけど白いご飯にした。

ここのご飯を食べるといつも「食is幸」と思う。食べる喜び、野菜やお肉や魚が他のものと組み合わさって相乗効果で美味しいということの豊かさ、人の作ったご飯のありがたさをぐんぐん感じる。今日もそれを感じたし、白米ってこんなに美味しかったか…?と思い直すご飯だった。米のファーストインプレッションが、「甘い」なのだ。粒が立っていて噛むほどにうまい。すごい。3割くらい食べ進めていると「元気100倍アンパンマン」の絵が浮かんでくる。いつも食べてるとだんだん元気になる。アンパンマンの動画をYouTubeで再生しながら時間をかけて味わった。

今日は移動しながらずっと中川家のラジオを聴いていた。ずっと聴いているので頭の中で考える言葉が関西風になっていく。

最後に買おうと思ってたトイレットペーパーとティッシュをちゃんと買って帰宅した。その前に安い八百屋に行って野菜も買った。また温野菜したくて。

早い時間にシャワーを済ませ、ハングル講座を進めた。

すっかり暑くて毛布など要らない熱帯夜である。

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