チェリまほ初心者の備忘録

ありがたいことに3日の連休を手に入れた。ニュースでは交通状況が映し出されているけれど、それを横目で見て、リモコンを手に取った。
チェリまほのドラマ版を見るためだ。
チェリまほ、とは「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」という作品の通称であり、現在上映中の映画では題名にもなっている。(映画の正式名称は「チェリまほTHEMOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」)

原作はガンガンpixivで連載中の豊田悠による同名コミック。ファンの間では通称「チェリまほ」と呼ばれ愛される、累計80万部を突破した超人気作です。
童貞のまま30歳を迎えたことにより、「触れた人の心が読める魔法」を手に入れた、冴えない30歳のサラリーマン・安達清。思わぬ力に困惑する中、ふと社内随一のイケメンで仕事もデキる同期・黒沢優一に触れたとき、なんと彼から聞こえてきたのは、自分への恋心だった…!初めて誰かから寄せられる好意に戸惑う、“初々しさ全開”の安達×クールなポーカーフェイスの裏で安達への恋心が爆発している“恋する乙女全開”の黒沢。そんな二人の関係が「心の声」を通して時に繊細に、時にコミカルに紡がれていきます。

https://www.tv-tokyo.co.jp/cherimaho/intro/
テレ東「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」イントロダクションより

ドラマ化する前から漫画で知っていた。けれど、知っていた止まりで、この日も時間があるし、ドラマ版でも見てみるか、程度の軽い気持ちだった。
見てしまった。一気に最終話まで駆け抜けてしまった。
最高だった。
主演俳優お二方の演技も、衣装も、セットも、全てが安達と黒沢という人物の解像度をぐっと高めていた。30歳まで童貞だと人の心が読める、そんなことあるはずないのだけれど、いやでもまさかねと思わされる。ラブコメディに止まらないところに作品を昇華させていた。
周りのキャラクターも魅力的だった。特に藤崎さん。漫画では、確か安達と黒沢の関係について萌える人物として描かれていたような記憶があるが、ドラマ版では恋愛に興味のない人物として描かれている。「安達が好きそうな女の子」という役割も当然背負っていたのだと思う。でも、それ以上に、彼女へ向けた安達の言葉や、最終話の彼女の言葉、行動はこのドラマで重要な役割を果たしていたと思う。
ドラマを見終わった後いてもたってもいられず、そのまま映画館へと直行。
映画版の方も堪能した。
黒沢という人物の寂しさが、安達という存在によって少しずつ溶けていく。安達という人物の強さを感じた。
結婚式って終わりじゃないし、キスしたり、行為をしたりが終わりじゃない。BL作品は肉体の繋がりに重きを置く作品も多い気がする。(それが悪いわけではないと思いますが)でも、チェリまほはドラマ・映画を通して、終始言葉に信頼を置いて作品作りがなされていたと感じた。(キスの撮り方…!とか色々思うところはあったのかもしれないが、私は気にせず見られた。その分、一貫して手の描写が贅沢だったような気がします。)
言葉に信頼の置けないこの世の中で、純度の高い、言葉への信頼を見せてもらえて、嬉しかった。
二人は、これから先も、周りの人と関わりながら、社会の中で生きていく。それを感じた。

もう一回見に行きたいので、もう少し公開していてください…!!!

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