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構図と演出の雑記

インターネットお絵描き歴がそろそろ1年になります。お世話になっております。

昨年に推しの過剰摂取とルックバックの煽りを受けてお絵描きの勉強をちゃんとやるようになりました。
自分の絵が上達しているかはさておき、様々なコンテンツを観る際の物の見方が多少変わってきて、構図や人体・モノの構造が気になるような変化が生まれました。

特に映像と静画(イラスト)での構図や演出は類似点はあるものの構図や演出が違うんだなあとふわふわした気持ちに気づいたので雑に書きなぐっておきます。

例えば最近ヘビロテしている(広義の)ボカロ曲にPVの演出が特に自分に刺さっているものが何曲かあり、それがr-906さん制作のノウナイディスコです。

ノウナイディスコはCeVIO AIという最新の合成音声ソフトウェアにおけるライブラリ『IA』のデモソングとして制作されたものです。

楽曲の良さはさることながら、PVで使用されているイラストと開幕の演出が特に好きで、よく動画サイトで目に留まるたびに見返してしまうほど。

色の三原色の図をモチーフにした円環模様がイントロの入りのパーカッションとともに表示され、直後に無機質な円柱の舞台にぶち撒けられたそれらシアン・マゼンタ・イエローの3色のペンキと、中央に立つ白黒中心の衣装に身を包んだ女の子──IA の長髪と不安定な足元のみが描写された、古いテレビ画面のように加工とレイアウトが施されたイラストに切り替わります。

楽曲の歌詞中に色の三原色に関する言及は明確にされていないものの、このイラストとそれに繋がる開幕の演出はキャッチーでかつ曲調にマッチしていて美しいなあと感じています。
そんな楽曲をモチーフにしてイラストを描いてみようかなーー!などと考えたのは良かったものの、どうしてもこの演出とイラストの世界観以上に楽曲の良さを伝える構図が思い浮かびませんでした。
恋愛感情の不安定さと孤独感、ディスコに見立てた脳内の夢中さなどを的確に描くスキルはないし、静画だし……
なんとか先日に描き上げましたものの、PVの描写と演出とはそもそも比較できないなあという気持ちになりました。

また、今日観た映画で『女神の継承』というモキュメンタリー形式のホラーがあります。
撮影班がタイの地方に伝わる女神に仕える巫女とその家系にまつわる異常現象を追う内容で、手持ちカメラや固定カメラによる映像を中心として構成されています。
予告編だとそうと分かるシーンはほとんど使われていませんね。これだけでも怖いので閲覧注意です。

映画というとどの瞬間を切り取っても絵になるといいますか、構図と陰影の美しさが分かるよなあという先入観がありました。
ストーリーボードなどの資料を目にしても、場面のレイアウトがかっこよく自然になるように設計されていたりしなかったりするなあと
しかし女神の継承のようなモキュメンタリーや、思い返してみればPOVと呼ばれるような作品は臨場感の獲得や被写体の追跡のために画面が狭かったりフォーカスが合っていなかったりします。映画のレイアウトが全てイラストレーションのような構図になるわけじゃないなと改めて気づきました。
もちろん作中インタビューの映像でも意図的?に人物を中央から少し外したり斜めから撮ったりして、背景の奥行きがきちんと映るようになっていたりはするのですが、それがいわゆる「映え」の文脈に則っているかといえば目的が違うように思います。
どちらかといえば現場の生々しさや人物の発話による感情を客観的に捉える視点を用意しつつ撮影場所を自然に理解させるためなのでしょう。
ただそれだけではなく、人物の追跡の様子を映した映像などではドキュメンタリーチックながらも構図やライトの明暗を不安げに、褪せたように描写していて、それもまたかっこいいし不気味で、ただドキュメンタリーの構図だけではなく映画の演出も嫌味なく使われていて最高だな、とか。
監視カメラ映像の端に映る不気味なモノは固定視点なのに気づいた瞬間全体がおぞましい映像に変える力があるなあ、とか。
ただ映画の内容としては相当怖いし最悪なので、耐性なしに観るのはオススメできないです。

何が言いたかったのかわからなくなってきてしまった。

構図と演出には目的があるし、動画には動画の、静画には静画の、映画には映画の演出があるよなあみたいなことを漠然と感じました、みたいなことを書き留めたかった気がする。
あと女神の継承怖すぎて色々考えたりお話したりしたかった気がする。

イラストの話に帰ってくると、自分のお絵描き知識の9割ほどはインターネット上のイラスト講座に依ります。
主にやっているのがキャラクターイラストなのでその構図について聞きかじった範疇だと、

  • 1枚の中に人物を大きく描きましょう

  • 見せたいものとそれ以外で情報量を区別しましょう

  • 立体感を意識しましょう

  • こういう構図がいいですよー

などの知見を頂戴してお絵描きに勤しんでいるわけですが、もちろんそれは1枚で完結するイラストを前提としたもので、動画や映画、漫画では次に繋がる開幕や中間の演出としての映像や構図というものが存在するのだと思うし、それら全てが映えの文脈にあるわけではないのでしょう。

そもそも画面のレイアウトが違うし、見せたいものが違うし。

脱線した内容の1行をしたためると、あすてろidさんの3D探索ゲームのような構図のポケモンファンアートは、空間の広がりの見せ方とか世界観の作り方が「映画みたい」と言われて久しいゲームの構図と演出をうまく切り取っていてすごく好きです。

なんというか、見せたいもの描きたいものが明確にあるって大事なんだなあと改めて思いました。

映像や漫画のような絵の連続性というか、1枚で完結しない流れからしか得られない感情の機微ってあるよなあと。
映像も楽しそうだなあ。

とりあえずメモでした。しまらないねえ

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