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【二人読み】どうか生きて…

人称変更可 語尾変更可 

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男性:ぶぉぉぉぉぉ。

男性:遠い合戦の地で君を思い法螺貝の音を聞く。

男性:必ず無事に君の元へ帰ると誓い。

男性:今は天正。

男性:私(わたくし)は、羽柴秀吉様が率いる兵の中にいた。

男性:羽柴様にとっては大きな戦になると重鎮たちが話しているのを聞いた。

男性:そんな戦に参加できることはとても名誉なことである。

男性:しかし、私は名誉よりも君との時間の方が大切だと思ってしまっていた。

男性:招集がかかった日、私にとって特別な日になるはずであった。

男性:君と盃を交わし夫婦(めおと)になり。

男性:これからは君を守ると決めた日。

男性:私は羽柴様に呼ばれた。

男性:「明日、毛利の方の城を攻める」

男性:信長様の命によるものらしい。

男性:大きな戦が始まる。

男性:羽柴様に仕えている私は明朝敵地へと向かう。

男性:長く続く戦の始まりであった。



女性:ありつつも 君をば待たむうち靡く(なびく) 我が黒髪に霜の置くまでに。

女性:遠い城にてあなたを思い歌を詠む。

女性:どうか無事に戻って来てと願いつつ。

女性:今は天正。

女性:私の愛しき人は合戦の最前線にいる。

女性:羽柴様の率いる兵の中に。

女性:名誉なことである事は知っています。

女性:それでも生きて戻ってきて欲しいと願っている私は罪深き人間でしょうか。

女性:そんな私を嫁に迎えたあなたは幸せだったのかと胸が痛む。

女性:一緒に過ごせたのはたった数刻。

女性:あなたが羽柴様に呼ばれたあの日に私たちは夫婦になった。

女性:2人の時間がこれからという時に。

女性:大きな戦が始まるらしい。

女性:これが今生の別れなのかもしれない。

女性:行かないで欲しい。

女性:手を離さないで欲しい。

女性:叶わぬ思いを内に秘め。

女性:あなたを送り出しました。

女性:着物の裾が汚れる事も忘れて私は膝をつく。

女性:どうかご武運を…。

女性:長く続くあなたとの別れ。


男性:私は音を聞く。

男性:君への思いを乗せて。

男性:生にすがりつく。

女性:私は歌を紡ぐ。

女性:あなたへ届けるために。

女性:生を信じて。

男性:どうか生きて…君の元へ…。

女性:どうか生きて…私の元へ…。

おわり

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手に取って頂きありがとうございます。こちらは他サイトでの企画に投稿していたシナリオになります。
性別指定をさせていただいておりますのでよろしくお願いします。
拙い文字たちですが可愛がってくださると嬉しいです。

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