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昭和を生きた男たちによる「令和版プレイボーイ講座」、小西康陽とプレイボーイズ『井上順のプレイボーイ講座12章』

ライター:かずきだよし

「プレイボーイはなるものでも目指すものでもない。例えばお洒落なジャケットを羽織るように身に纏うもの。」

どうも。今日は令和元年に相応しいこの一枚をご紹介できれば。

一度はCD屋やレコードショップでジャケを見たことがあるかもしれない、ジャケットモデルを松岡きっこが飾る、前田憲男とプレイボーイズの演奏にのせて五代目圓楽がプレイボーイとは何ぞやということをご教示してくれる一品『円楽のプレイボーイ講座12章』。

このラウンジ名盤を、ピチカートファイブの小西康陽によって現代に蘇らせたのが今作。今回のプレイボーイズには星野源のギターの先生という逸話もあるらしい田辺充邦が参加。
ナレーターは井上順。ダンディでかわいさも兼ね備えた、そしてどこか余裕もあるライトさを感じさせる的確な人選。
2度ほど登場する車の車種がスパイダーなのはそういうことだからなのか。
テキストを担当したのは寒空はだか。
今回のカバーガールはCYBERJAPAN DANCERSのJUNON。麗し。

やっさんがリーダーとなり奏でるお洒落すぎるラウンジミュージックに井上順の軽快な語りがのるゴージャスな1枚。

1月から12月まで各月に1人、様々なタイプの女性との体験談を語るプレイボーイ入門。
語り口は圓楽版と違い、昭和テイストだけどもよりジェントルマン度アップ。これが令和。

バックに流れるのは「枯葉」「ラウンドミッドナイト」「危険な関係のブルース」などのジャズスタンダードナンバーや「星に願いを」「花」などの名曲からからピチカートの代表曲「東京は夜の七時」まで、絶妙な選曲と軽快かつシャレオツなアレンジで時と場所を選ばずに流せる万能さ。

本作の名(迷)言を少し。

「僕はいつだって大吉を引き当てる。コツが知りたい?大吉が出るまで引き続けることさ。幸運は待ってちゃ掴めないんだよ」

「門限なんて言葉、覚えてはいたけど、人間が宇宙に行く時代にまだそんなものが残っているとは知らなかったね。」

「最高の口説き文句はね、喋らないこと。目で誘う。」

「当時、母性本能をくすぐらせたら、僕の右に出るものは雨に濡れた子犬くらいだったね。」

「彼女は僕の手を取って夜の新宿の街を走りだしたよ、Art Blakeyのリズムにのってね」

(プラネタリウムにて)「アポロが月に行く前に、キューブリックが宇宙の旅に連れてってくれる前に、僕らは何万光年のハネムーンをしていたのさ」

「ドレミファ、んー、んー、シドー♪、東京にソラがないという。」

多くを語るのは粋じゃない作品なのでこの辺りで。
是非聴いていただきたい、日本の古き良き哀愁も漂う伊達な1枚。

ラングドシャは日本語で猫の舌という意味。という以上の、男性としてこうあれればと思わせる何かを学べる作品。かも。
ちゃんと演奏だけ聴きたい人のために語り抜きバージョンも収録されています。

じゃーにー!


#プレイボーイ講座 #小西康陽 #井上順

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