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Soul Journey#6カナダ【忘れられないヒーリング】

その日、私は初めてREIKIヒーリングを受けることになっていた。

受付を済ませて、通された一室にはナターシャという自分より少し年上の可愛らしい女性が出迎えてくれた。

ヒーリングを受けるのは初めてで、勝手にヒーラーは50代くらいの女性だと想像していたので、20代の若い女性が現れて少し驚いた。

「年齢は関係ないわ」

彼女は優しく笑った、本当にその通りだよなと思った。

「じゃあ、早速始めていくわね」

彼女が揃えた両手を、ふわりと私の体の上に乗せた

まもなく、今までに感じたことのない、あたたかで、柔らかな、なんとも言えない心地の良いエネルギーが、じわーーーっと全身へと広がって行くのを感じた

体の力が抜けていく、、、

感じたことのない優しく心地の良い感覚だった

無意識のうちに溜まっていた海外での暮らしの緊張感、
おじいちゃんを亡くした寂しさが、ゆっくりと溶かされていく

それはまるでポカポカの温泉に浸かっているような、
母親のお腹の中にいるようなそんな心地の良い安心感だった


彼女が鎖骨のあたりにふわりと手を置いたとき、
胸の詰りほどけて、自然と涙が溢れでた

「あなたは、素晴らしいアーティストよ。過去生でたくさんの絵を描いてきたの。ヒーラーだったこともある。今世でもぜひ絵を描くといいわ、人生がすごく喜びに満ちたものになるから!」

彼女は、レイキヒーラーなだけでなくミディアムでもあったのだ。
(彼女のそのリーディング能力は子供の頃からのものだと言っていた。)


スッと彼女の言葉が自分の中に入っていき、妙に納得をした。
(中学生の頃、自由研究で前世について研究していたような私だ)

小さな頃から絵を描くことが、何よりの喜びだった。
絵を描くという情熱が溢れ出て、休みの前は夜中まで漫画を描くような子供だった。

けれど、大きくなるにつれ、それが将来一体何に役立つのかと考え始め
絵を描く機会がどんどん減っていったのだ。

進学のタイミングで、美大に行ってみたい、そう思うこともあったが、結局同じく大好きだった英語を学ぶ道へと進んで、今こうしてカナダにいるのだった。

(帰りに画材屋さんに寄ってまた絵を描こう。。。)


私は絵を好きなままでいいのだと思えて、なんだかとても嬉しかった。

私の魂はずっと、過去も今も絵を描きたがっていたのだ。

「アジア人のおじいさんが見える、、あなたの側にいてくれているわよ」

ドキリとした、きっと私のおじいちゃんだ。彼女にはおじいちゃんが亡くなったばかりだということは話していなかったのに。

彼女は続けた

「胸を痛めて亡くなったようだけど、今はとても穏やかな場所にいるわ、踊ったり、とっても明るくて楽しそうよ。赤ちゃんとも一緒に遊んでいるわ」


ハッとした。当時私の一番上の姉が妊娠中だったのだ。亡くなったおじいちゃんが姉のお腹の中にいる小さな赤ちゃんのそばにいるのだと思うと、愛おしい2人を思ってとても温かで優しい気持ちになった。

「それとねおじいさん、あなたにGOGO!って言っているわよ。どんどんやりたいことをやっていくことね」

大好きなおじいちゃんが、私を応援してくれている。
彼女からの思わぬリーディングメッセージが、私の心を温め、大きな心の励みになった。

そのまましばらく彼女のヒーリングの心地よさに完全に身を委ね、溢れ出る涙をそのままにしていた。


ヒーリングを終えたあと、今までに感じたことのない種類のリラックスを感じることができたことに心から感動していた。

人生の中でも何か大切なものを見つけたような衝撃だった。


ヒーリングの帰り道、私はまっすぐ画材屋さんに向かっていた。

道中の夕方の赤と黄金色の輝く光があまりに美しくて胸が震えた。


15年以上経った今もその光景がはっきりと浮かんでくる。


その後、素晴らしいタイミングが重なり、私はすぐにカナダでレイキを学ぶ機会に恵まれた。


私の霊性の旅路は、この出来事をきっかけに本格的に始まっていったのだと思う。


この頃はまだ、自分がヒーラーになるだなんて、思いもしなかった。



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