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若い時、今よりスリムでかっこいいお兄さん(?)だった頃の話です。親切な方のお力を借り木曽から伊豆に出てきたばかり、仕事もさほど軌道に乗っておらず、文句なしに貧乏だったころです。 沼津の一軒の骨董店、私の眼はあるお椀にくぎ付けになってしまいました。 出会いそれは四つ椀でした。漆の肌合いの経年劣化により、相当古いと思われました。四揃いでありしっかりした仕事なので、お寺の什器だったのかもしれません。また、ロクロ挽きや漆の刷毛目にも、人の手による温かみが感じられました。博物館や展