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ゆる言語学ラジオ立ち上げ前夜(編集者視点)

この記事はゆる言語学ラジオ非公式adventar calendarに参加している。文章を書くなぞ果たして何年ぶりかと思うような人間の駄文につき、全体的にまとまりがなく、読みにくいことは勘弁していただきたい。

正直に言うと、このゆる言語学ラジオ非公式adventar calendarの話を何も考えずに受けてしまったことを軽く後悔している。他の日を担当するサポーターの方の記事タイトルを見ると己の得意を生かした面白げな記事や、ゆる言語学ラジオ自体に関わる興味そそられる記事など様々見て取られ、この中に自分の駄文が連なるのかと思うと少し申し訳ないような気がしてしまう。

加えて12月4日という日付も良くなかった。
この記事が公開される12月4日は私の誕生日であり(祝え)、たまたま記事を書く人が埋まっていない12月4日の日付を見た際に運命のようなものを感じ、そのまま自分の名前を入力してしまったのだ。一体何が運命か。名前を入力し、非公式adventar calendarに参加すると表明したのは11月30日。記事の公開までは数日しかなかった。

そこから数日悩んだが、結局記事を書く良いテーマは出ず12月3日を迎えた。最初は個人的にストックしている堀元見およびゆる言語学ラジオに対してマイナス方向でのお気持ち表明をしている動画・テキストコンテンツのリンクをまとめた保管庫のようなものを作ろうと考えていた。しかし、仮にもTwitterのアカウント名を「たゐき ゐけだ@ゆる言語学ラジオ編集」などとして公式側の人間であることを押し出したSNS遊びをしている人間がそれをしてしまうのは、あまりにもモラルを欠くのではないか、余計な火種を『ゆる言語学ラジオ』に生んでしまうのではないかと思い直し断念した。

まったくの余談だが、自分がある程度深く関わるコンテンツに対してお気持ち表明しているのを見るのは大変楽しい。『ゆる言語学ラジオ』のリスナー諸氏には趣味のひとつとしてぜひおすすめしたいので機会があればぜひ探してみてもらいたい。
個人的にはYouTubeの検索窓で「ゆる言語学ラジオ」もしくは「堀元見」入力した後公開日順で並び替えを行なう方法をおすすめする。堀元さんが謎にメンヘラ呼びされていたり、町で会ったら殴り飛ばすとまで言われていてめちゃくちゃ面白い。


と、ここまで適当に文字数をかせいできたが、さすがに限界が来たのでとりあえず僕から見たゆる言語学ラジオ誕生前夜でも書いてみたいと思う。

こういう機会でもなければなかなか世に出すこともないし、これに関しては結構書きたいことが思い浮かぶ。
堀元・水野視点からのゆる言語学ラジオ誕生前夜については以下の動画に詳しいので一緒に参照してもらいたい。

こちらの動画では
「水野さんが堀元さんに連絡を取って会い、そこから堀元さんとの交流が続いていく過程」や「突然堀元さんからの送られてきた長文のオファーで『ゆる言語学ラジオ』が始まっていく流れ」みたいなエモい経緯がふたりによって赤裸々に語られている。

このライブがあったころにはすでに堀元・水野さんとは1年以上の付き合いであったわけだが、僕自身ここで初めて聞く話は少なくなかった。

さすがにゆる言語学ラジオを始めるにあたってある程度はどういう経緯で始めることになったかのざっくりとした話は堀元さんから聞いていたが、それも

「この間飲みに行った人が人がめっちゃおもしろかったから、その人と”ゆる言語学ラジオ”っていうの始めることにした!これは絶対に伸びる!」

程度のものである。

その時点で水野さんを紹介されたわけでもなく、唐突に上のような言葉を聞かされ、編集として関わることが決定した僕が、当時かなり混乱していたのも想像に難くないだろう。

今回はそんな僕が最初期から『ゆる言語学ラジオ』の編集として関わっている立場で、チャンネル立ち上げ~チャンネルが伸びるまでをどう見ていたのかを書いていく。

1.ゆる言語学ラジオ立ち上げ以前

当時は山形県で大学生をしている身分であったが、不思議な縁で堀元さんの個人チャンネルの動画編集を担当させてもらっていた。堀元さんの企画記事に参加させてもらったときからなんとなくつながっており、進路に悩む僕に堀元さんがなんとなく仕事を振ってくれていた形になる。

そのころ堀元さんがYouTubeに上げていた動画は後のインテリ悪口の原型になったであろう「アカデミック悪口」のシリーズや、中田敦彦のYouTube大学に影響された解説動画などであった。

今見るとアカデミック悪口の紹介シリーズなど後につながるものが見えて面白いが、純粋にコンテンツとしての面白さはそうでもなかったような気がする。

あっちゃんなりきり動画にいたっては喋り自体が本家の7割くらいの完成度で、さらにそこに当時まだ拙かった僕の編集が加わることで4割YouTube大学と化していた。(というか正直言って、似合わないテンションでオーバーな喋りをする堀元さんは見ていて少し痛々しく、当時は編集するのも辛かった記憶がある)

そんな編集ヘタクソ4割YouTube大学をネット上に量産する中で唐突に言われたのが

「この間飲みに行った人がめっちゃおもしろかったから、その人と”ゆる言語学ラジオ”っていうの始めることにした!これは絶対に伸びる!」

である。

正直「なーに言ってんだこの人は?絶対伸びるわけねー!」と内心では思っていた。しかしこれに関しては当然の感想だろう。

4割YouTube大学をネット上に量産する人間が言う「絶対に伸びる!」ほど信用できない言葉がこの世にあろうか?しかもよりにもよって言語学?何だその学問?それの解説動画を始めるの?1度会っただけの人と?

「酒の席で喋った人がめっちゃ面白かったから、その人と始める名も知られていないマイナー学問について解説するチャンネルがぜったいに伸びる!」って本当にシラフで言ってるの?まだ酔ってる?気は確かか???

そんなことを内心では強く思っていたが表面上は「へー!いいですね!めっちゃ面白そー!」と返しておいた。堀元さんが作る動画コンテンツはそれほど面白いと感じていなかったが、テキストコンテンツなどはめちゃくちゃに面白いと思っていたので、単純に好きなクリエイターに嫌われなくはなかったのだ。

しかし内心ではやっぱり、堀元さんがこれから始めるという『ゆる言語学ラジオ』は伸びることもなく、有り体に言えば失敗するだろうと考えていた。

唯一希望があるとすれば堀元さんが言う「先日会っためっちゃ面白い人」が本当にめっちゃ面白い人であることだが、なにせ4割あっちゃんが酒の席で会った「めっちゃ面白い人」であるためそちらも望み薄である。

しかし、堀元さんに「絶対に伸びると思うんだよねー!」の後に「こっちの編集にも関わってもらえれば!」と続けられては断れない。堀元さんのことは好きなのだ。好きな人の頼みは断れない。三段論法。

こうして「絶対に伸びるワケがねー!」という思いと、めちゃくちゃ面白い人らしい「水野」という人物への不安を抱えながら『ゆる言語学ラジオ』の編集としてチャンネルに関わっていくこととなった。


2.ゆる言語学ラジオの立ち上があり

ゆる言語学ラジオの最初の動画何本かは堀元さんが編集をしている。堀元さん自身がゆる言語学ラジオの編集方針を固めるためと、僕のために編集例を作る目的があったのだろう。
憶えている限りでは僕が編集として参加しだしたのは4本目か5本目からで、それまでは他の視聴者と同じように公開される動画を追っていた。

たぶん⇧が僕の初『ゆる言語学ラジオ』編集動画。

1本目が公開されて、僕もそこで初めて『ゆる言語学ラジオ』というものを見たのだが、それに対する率直な感想は「確かに面白いが、伸びはしなさそうだ」であった。

めちゃくちゃおもしろい人だと聞いていた水野さんの話は確かに面白かった。それに加え、2回目・3回目の動画には堀元さんが自分の知識を語る部分があるのだが、それに対する聞き手がいるだけでこうも聞きやすくなるのかと感動も覚えた(ひとり喋りの堀元さんはたまに聞きにくい部分があった)。

撮影当日が会うのが2度目らしい2人の掛け合いからは若干のぎこちなさが感じられたが、それは回を重ねるごとになくなり、更に面白いコンテンツになっていくだろうと未来への期待も感じられた。

しかし、これがYouTubeやPodcastで伸びるのかと言われれば話は別である。第1回~第3回あたりを見て言語学がどういった学問であるかは分かったし、水野さんから言語学だとして語られる知識は僕にとってたいへん面白いものではあったが、それが一般受けして多くの人に求められるコンテンツになるとはどうしても思えなかったのだ


※ここから先、当時の僕が『ゆる言語学ラジオ』はあまり伸びないのではないかと考えた理由を少し書いていくが、YouTube側だけに限定させてほしい。両方書くととんでもない文量になる上、そもそもPodcastが日本であまり一般的では無い以上、Podcast側のゆる言語学ラジオが伸びるのはどのみちYouTubeで伸びた後だろうと考えていた。
(もう少し書くと、Podcastは知識解説系の番組が多く、この競争率の中で「言語学」という聞き馴染みのあまりない学問ジャンルで立ち向かうことはできないだろうとも考えていた。)


まず、そもそもYouTubeでは純粋に知識欲を満たすような動画は伸びにくいのではないかと思われた
当時YouTubeで伸びている知識系の動画といえば『中田敦彦のYouTube大学』やメンタリストDaigoさんのチャンネルが思い浮かぶ。それらはどちらも様々なジャンルの知識を扱ったチャンネルだが、チャンネルの動画の多くをビジネス・投資・心理のようなジャンルが占めている。

これらの動画を見る人は知識そのものが目的ではなく、投資の知識を得た上での実践で得られる金銭、心理学?の知識を得た上で実践で得られる人間関係など、その先をのものを得ることが目的であることは想像に難くない

対して『ゆる言語語学ラジオ』はどうか。言語学を学んだ先に何か得るものはあるだろうか?いや無さそうだ。反語表現。

僕が観測できる範囲内だけの話ではあるが、YouTubeに単に知識欲を満たすだけのコンテンツはかなり少ないのではないかと思われる。
多くの人が上のような「知識を得た上での実践によって得られる何か」か「そういった知識を得たという実感だけ」を知識系のYouTubeチャンネルに求めている。

ゆる言語学ラジオのように本当に知的好奇心を満たすために、興味深い事象ひとつをとって一から道筋立って解説するコンテンツはYouTube上ではあまり求められていないのではないかと感じられた。


また、知識を解説する動画の文化として「ゆっくり解説」というものがある。こちらは上と違い純粋に知識を享受することを目的として視聴している人が多いのではないかと思われるし、実際コンテンツとしてもそういうふうに作られている。

堀元さんは以前ゆる言語学ラジオが流行った理由として「ゆっくり解説という文化が以前から存在したから、似た感じで受け入れられた」と言っていたが、それは少し違うのではないかと思う。

「ゆっくり解説」はデフォルメされた東方Projectのキャラクターを使って時事問題や様々なジャンルの知識について解説する動画郡だが、文化となった時点で元ネタとなったキャラクターたちのことは、ほぼ動画内で気にならない程度に忘れ去られているように思われる。事実、今では元となったキャラクターのことを知らずにゆっくり解説の動画を視聴し、また作成する人も少なくないと聞く。

そういうふうに、ほとんどフラットな状態で知識を享受できるという部分が魅力となり「ゆっくり解説」に根強い人気を生んでいると考えるが、そのフラットな状態で知識を楽しめる「ゆっくり解説」にアラサー男性✕2という要素を足したのが『ゆる言語学ラジオ』である。

「かわいい女の子」という要素が消え去りつつあり、そのフラットな状態で知識を享受できることがウケている「ゆっくり解説」と、そのフラットな状態にアラサー男性を2人ぶち込んだ動画が同じ文脈でウケるワケがない。


そういった理由で当時の僕は、いくら面白いコンテンツであっても『ゆる言語学ラジオ』がYouTube上で大きく伸びることはないだろうと考えていた。

具体的な想定としてはチャンネル登録者数が1万人程度、めちゃくちゃな上ブレをしても3万人。再生回数が数千回程度の動画が並び、たまーになぜがめちゃくちゃ視聴回数を稼いでいる動画があるような、そんなチャンネルになるのではないかと考えていた。


ちなみに、上記の通り堀元さんから「ゆる言語学ラジオっていうの始めるよ!」と言われた段階では水野さんのことを何も紹介されていなかったので、僕が初めて水野さんのご尊顔を拝んだのは第1回の公開時である

第1印象は「なんか怖そうな人」だった。

初見の大学教授がなぜか怖い人に見えるように、「知識がある人」というだけで、何かこちらに誤りがあるたびに執拗に詰めてくる人なのではないかというバイアスがかかって見えてしまう。たぶん初の撮影で水野さん自身緊張していたのか、あまり表情が動かなかったのも原因と考えられる。

直接言葉を交わすのは数カ月後になるのだが、それまで上のような勘違いをかかえたまま、毎日のように編集のためになんか怖そうな人と一方的に顔を合わせていくことになったのだった

初めて見た水野さんの顔(ゆる言語学ラジオ#1冒頭より)

3.「象鼻」動画爆伸び事変

そんなこんなで数ヶ月、動画を堀元さんの個人チャンネルから専用のチャンネルへとお引越しさせたりなどもありつつ、順調に動画は増えていった。

だんだんと僕も編集に慣れていき、動画も20本ほどあがったころ、何の前触れもなく唐突にチャネルが伸びた。「象鼻」の回が伸びた。

忘れもしない2021年の5月15日、唐突に「象鼻」の回が伸び、それに伴ってチャンネル登録者も1.2万人ほどにまで激増したのだ。

後から思えばその前日に登録者1000人を突破し、「これで収益化が叶う」と喜んでいたのだが、その時からチャンネル登録者激増の波は来ていたのかもしれない。


少し話はズレるが、チャンネル登録者が激増した日、僕は友人らと肝試しで隣県の心霊スポットとして有名な廃墟を訪れており、そこでけっこうマジの心霊現象に遭遇していた
基本的に幽霊等の超常の存在は信じない質なのだが、この経験があるからこそ、ここから先の人生で「幽霊など存在しない」と口ではいいつつも頭のどこかでは「もしかしたら…」と考えてしまうであろうことが予想できるくらいのガッツリとした心霊現象を体験した。

チャンネル登録者が爆増しているのに気がついたのは、心霊現象に遭遇し、女性陣が泣き叫び、男性陣が青白い顔をして廃墟の3階から1階へと脱出のために降りようとしている最中であった。

当然そのときは僕も他と同じく頭が恐怖に埋め尽くされ、青白い顔をしていたのであろうが、廃墟を後にするまでも、帰りの車の中で全員が無言でいる中でも、スマホを開くたびにありえないほどに増えるチャンネル登録者に僕の情緒は完全に破壊された

5000人となり、8000人となり、1万人を越えたあたりでもうさっきの心霊現象などどうでもよくなり、頭の中がチャンネル登録者が爆増した喜びに支配され、とうとう我慢できずに横に座っていた女友達に自慢した。なんかキレられた。


正直言って、あのときどうして「象鼻」の回がいきなりのびたのかはよく分からない。YouTubeのアルゴリズムによって選ばれて、「象鼻」の回がみんなのおすすめ欄に表示されたのであろうことは分かる。しかし、それでここまで唐突に伸びるものなのか?

「象鼻」の回を編集したのは僕だが、編集している最中もこれが多くの人に受け入れられる動画であるとは微塵も思わなかった。「ま~たニッチな動画出してきたよ」と思っていたくらいだ。

それがなぜか1日で何万回も再生され、ここを入り口としてどんどん視聴者がチャンネルに入ってきている。

正直なんか変な夢でも見ているのではないかとも思えた。

しかしその夢は1日では終わらず、2,3日が経過する頃には僕がどれだけいってもこれくらいだろうと予想していたチャンネル登録者3万人はゆうに超えていた

4. 爆伸び事変~銀盾獲得まで

そこからはある程度トントン拍子にことが進んでいった気がする。

動画の内容に誤りがあったことで一時的に「象鼻」の回に批判が集まったこともあったが、堀元さんらの迅速な対応でそれも収束していった。

それよりもヤバかったのは水野さんである。批判が来たことでだいぶメンタルに来ていることがチャットからも読み取れるほどであり、仮にゆる言語学ラジオが終わる危機があったのだとしたら間違いなくそこのタイミングであっただろう。

そのときは僕だけ遠方にいたので若干蚊帳の外気味ではあったのだが、それでも「ワンチャンゆる言語学ラジオはここで終わることもあり得るな」と感じていた。

それでも堀元さんのメンタルケアにより水野さんが持ち直し、水野さんの肩書が「言語学ガチ勢」から「言語オタク」に変わり、エンディングに堀元さんの「このラジオは~」という文言が加わると、あとは今の通りである。YouTubeのチャンネル登録者は毎月5000~1万人ほども増えていった。

(たしかそのとき「水野さんの肩書を”言語学ガチ勢”から”言語オタク”に変えるなら、堀元さんの肩書も”言語学素人”から”言語素人”に変えた方がいいのでは?」と提案したのだが、「言語素人は言語が何も話せない人みたいになるからダメ」と堀元さんに却下を食らった気がする。「2人の肩書がMECEじゃない!」とお怒りの皆さん、これで納得してください。)


そしてちょうどそのあたりで堀元・水野さんと3人で初めて顔を合わせて話す機会があった。僕が遠方にいるためオンラインでの対面であったが、そこで水野さんとは初めて言葉を交わしたことを憶えている。

上の通り水野さんのことは「なんか怖そうな人」と認識していたので若干緊張していたのだが、喋ってみた感じやっぱり怖かった。

今ではそんなこともないのだが、当時アッパラパーな大学生であった僕は水野さんの圧倒的な仕事できる人オーラに圧倒されたのだ。(堀元さんは普段喋っていると、そんなに仕事できる人オーラを感じられることはない。水野さんは割りと常に仕事できる人オーラがにじみ出ている)

確か「どのタイミングで本を読んでいるか」的な話題になったのだが、水野さんが言う「僕は人と会う前に、その人が興味ありそうな知識を本で仕入れて行きますね」を「俺と喋ることが分かってたんだから、言語学系の本を1冊でも読んできたんだろうな?」に読み替えて内心冷や汗を流していたような気がする。それくらいには怖かった。

一応水野さんの名誉のために言っておくが、上記の発言に僕が思っていたような意図は一切なく、僕が勝手に深読みしただけである。


そこからさらに数カ月後、僕が大学を卒業するタイミングとなった。
新型感染症の影響もあり就職活動がうまくいかず(2社しか受けていないのでそもそもやる気がなかった説もある。両方最終面接で落ちた。)、来年からやることがないなーとぼんやりしていた時期に堀元さんから「卒業後は東京に来て編集としてガッツリ参加してもらえないか」とのお声がかかり、そのまま東京へとホイホイ出て来た。

当時は実家暮らしであったのだが、そのことを両親に説明しようとするとかなり面倒なことになることは分かりきっていたので、ほとんど何も説明せず、自分の荷物を友人の車で全て一旦堀元宅へと運び出し、そしてそのまま1ヶ月ちょっと程居候させてもらった

そうして今に至る。それからは山形から東京へと拠点を移し、編集以外の部分でも『ゆる言語学ラジオ』へ関わている(具体的に言うなら、ゆる言語学ラジオの画角に映る黒い吸音材を貼ったのも僕だし、背後の棚も、使っている机も、映らぬ場所にあるテレビ台も組み立てたのは僕だ。これらは居候を初めて最初の仕事だった)。

あ、一応言っておくが何も説明せずに実家を出てきたが、実家と縁を切ったワケではなく、ちゃんと正月と盆とGWには実家に帰っているので安心してほしい。

あとは堀元宅へ居候している間に水野さんと今度は直接顔を合わせる機会があったのだが、思った以上の高身長に今度はフィジカル面でも絶対に勝てぬと恐怖した。


そして僕が東京へと拠点を移してしばらくした頃に『ゆる言語学ラジオ』のチャンネル登録者数は10万人を突破した。確か僕が堀元宅に居候させてもらっていたころあたりの出来事であったと思う。

届いた銀の盾と記念撮影をさせてもらった。
今見るとめちゃくちゃ我が物顔で銀の盾を片手に持っていて面白い

よく考えると銀の盾が届くまでに時間がかかったはずだから、
記念撮影自体は居候解消した後だったかも

5.それから…

堀元さんはチャンネルの伸び方をどこまで予想できていたのだろうか。

僕はチャンネル開始当時はどれだけいっても登録者1~3万人程度が限界と考えていたし、後から水野さんにどれくらい伸びると目算を立てていたのかと聞いたときは僕よりも小さい数字が返ってきた記憶がある

開始時点で相方も、編集者も「そこまで伸びることはないだろう」と考えていた状態でただひとり堀元さんだけが「絶対に伸びる」「天下が取れる」と考え続けていた。

そして事実、『ゆる言語学ラジオ』はYouTubeのチャンネル登録者が17万人へと迫り、再生回数ではYouTube・Podcast合わせて10万回は安定して再生されるような一大コンテンツへと成長した。JAPAN PODCAST AWARDSでは2冠も達成している。

これは明らかに「伸びている」と言ってもいい現状であろう。

堀元さんには始めからこれが見えていたのか?


ここで堀元さんに「最初から見えていたんですか?」と聞くことにはあまり意味がない。

以前「なぜ象鼻回で伸びたのだろう?」と堀元さんと話題にしたことがあったが、「良いコンテンツをあげ続けていたから、それがアルゴリズムに評価され、おすすめとして多くの人に表示された。そして実際に良いコンテンツだったから多くの人が見てくれるようになった」という「それは知ってるよ!」みたいな答えしか返ってこなかった。

こっちが知りたいのはなぜ自分が作っているものが「良いコンテンツ」だと確信し、作り続けられたのかである。

象鼻回は10本目の動画であるが、実際に伸びたのは20本目の動画をあげた頃の話であった。YouTuberとしてはかなり早く当たりが来た方だとは思うが、当時は週1更新であったため、実に半年近くもの間あまり再生されもせぬ動画をあげ続けていたことになる

ゆる言語学ラジオは他のYouTubeのチャンネルより1本の動画を作成するコストが高い。水野さんには本を何冊も読んでもらわなければならず、準備のためにかなりの時間を要するものもある。

更にそのために僕に編集を頼んで金銭を支払い続け、初期投資として安くな設備を整えていた。収益化もしていなかった頃にだ。

自分がいくら良いものだと感じても、その過程のどこかでは自分の感覚に疑いが出てしまうものである。しかし、そこで自分の感覚を信じ続け、自分が理想とする『ゆる言語学ラジオ』の形を具現化していけたことが今のように『ゆる言語学ラジオ』がのびた理由なのではないかと思う。

上で挙げたような最初に僕がYouTubeではあまり伸びなそうだなと感じた理由を堀元さんが考えていなかったワケがない。しかしそれらを考えた上でもなお『ゆる言語学ラジオ』は良いコンテンツだ。だから伸びる。と信じ続けたのだ。

ちなみに、そのあたりについても堀元さんに「なぜ良いものだと信じ続けられたのですか?」とも聞いてみたこともあったが、「自分が作るものが面白いものだと信じられなくなったらクリエイターとして終わりだと思っている」という答えになっているんだか、いないんだかよく分からない回答が返ってきた。

でもまぁ、堀元さんが信じ続けたからこそ今の『ゆる言語学ラジオ』は存在するし、制作に関わる1人として今後も堀元さんが信じるものを同様に信じ続けるしかないだろう


それに「象鼻」の回で伸びた後の話で言うならば、堀元さんが「サポーターコミュニティを作る!」と言ったときも「入る人いるのか?」と思っていたし、今年の末にある大忘年会についても「700人入る会場押さえた!」と聞いたときは「な~にやってんだこの人は?」と思い続けてきた。

ちなみにサポータコミュニティについて水野さんは「はじめは30人くらいしか入らないと思っていた」とたしかどこかで言っていたような気がする。

しかし事実としてサポーターコミュニティは1500人を超える大所帯となり、大忘年会もチケット発売開始2日で売り切れる大人気イベントとなった。

堀元さんが確信したことについてはある程度僕らも信頼をおいて大丈夫そうだ


今では『ゆるコンピュータ科学ラジオ』『ゆる学徒ハウス』そしてそれに付随して始まる新番組など、『ゆる言語学ラジオ』以外の部分にもどんどんコンテンツが広がり続けている。

編集の立場ではあるが、堀元さんが関わるそういったコンテンツの中にもあまり追えていないものが出てくるくらいには『ゆる〇〇学ラジオ』の界隈は広くなってきた。


先日堀元さんは「これらのコンテンツが終わりを迎えるのは、僕がトチ狂ってラスベガスで全財産を失ったときであろう」と話していた。

上の傾向から見てもたぶん堀元さんのこの予想は当たっているのだろうと思われる。
つまり僕の仕事は究極的には堀元さんをラスベガスに向かわせないようにすることであり、それ以外は堀元さんをが信じるものを、同じように信じていることである。

これを読むゆる言語学ラジオリスナー諸氏もぜひ今後とも、堀元・水野さんのことを信じ、コンテンツを追い続けていってほしい。彼らが言う「〇〇始めます!絶対面白いものになるよ!」みたいなことが外れることは少なさそうであるから。

あと堀元さんがいきなり「インプット奴隷合宿 in ラスベガスをするよ!」とか言い出したときには全力で阻止してやってほしい。コンテンツ存続の危機である

終わり


誕生日なんだよ!誰か祝ってくれ-!

上でも書いた通り本日12月4日は僕の24回目の誕生日である。

そんな喜ばしい日でも相も変わらず、PC前に座り、アラサー男性2人の顔を睨んだり、今月末から始まる新番組のパーソナリティである若者2人の顔を睨んだりしている。

誰か…誰か…僕に祝福の言葉を…

「おめでとう」の一言でもあれば人のぬくもりに飢えた僕は軽く小躍りするだろう。

あと先人に習ってAmazonの欲しいものリストを公開したから誰か何か買ってくれ…(本題)

最近部屋にベッドを買ったら思ったよりも高くついてしまって今月金欠気味なんだよ…誰か…どうか食料をおくれ


あとさっき書いた心霊現象はちょうどその時スマホのカメラを回していたのでしっかり撮影できている。何かしらで声かけてもらえれば送るので気になる人は言ってほしい

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