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Iron Pill part1(アイロン・ピル パート1)の翻訳

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キャプテン・スウェーデン:

「お前はまた私を倒した。だが、私は戻ってくるぞ、ははは」

「あぁ…」

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アイロン・ピルの同志:

「ハッタリでしょうか?」

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アイロン・ピル

「残念ながら事実だ、ディジェネラシー(道徳的腐敗)がこの国に蔓延る限り、キャプテン・スウェーデンは顕現の道を見つけるだろう」

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アイロン・ピルの同志

「くそ、我々は無駄な戦いをしているのか…」

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アイロン・ピル

「カマラートよ(*コムレードよ、同志よ)、ヨーロッパはもっと悪い状況から立ち上がってきた。そう簡単にあきらめるな」

「とはいえ、状況は日々悪化の一途を辿っているように見える…」

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アイロン・ピルの同志

「そうだ、アイロン・ピル、僕はいつも不思議だったんだけど、どうして君はそんなにもvolkish(フェルキッシュ、*ナチスドイツも利用したが、もっと古くドイツ民族の”我々”という所属感、特別な響きを持つ単語らしい)なんだ?」

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アイロン・ピル

「友よ、実は、その始まりはかなり最近のことなんだよ、あれは2010年…」

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アイロン・ピル:

「私はオーフス大学の学生だった、名はスティエン・フィッツポルソンン。それまでの私の人生はぼんやりとしたものだった、私は自分の両親に一度も会ったことがなく、里親を転々としていた」

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アイロン・ピル:

「だいたいにおいて、私は平凡な若者だった。私はスポーツをしていたし、薄っぺらな恋愛を繰り返してもいた、パーティー狂だったし、ポップカルチャーにもはまっていた」

「しかし、私の最大の情熱はヨーロッパの民話・民間伝承だった。教養課程の最初の学期を経て、その執着心は失われてしまったが…」

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教授:

「あなた方がまず理解しなければならないのは、歴史というものはユーロセントリック(*ヨーロッパ主観)であるということだ。我々は、白人男性の特権が植え付けられた植民地時代を経て、ポスト植民地時代を生きている。道理を弁えた目覚めた哲学者としての我々の義務は、問題の多い西洋的な観点から離れ、我々の知るすべてを修正し再構築することにある。

では、マイクロ・オプレッション(*デイリーベースの微妙微細微かな差別)と、カルチャラル・アプロプリエイション(*異文化をにわかに取り入れる、利用すること)について見ていこう…」

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アイロン・ピル:

「このスピリチュアル・サブジュゲイション(精神の制圧、支配)は成功した。私がグイド・フォン・リストを読む時間は減り、マルクスを読む時間が増えた。やがて、私は、自分の持つ勤勉さもあって、リーダー的な役割を担うようになっていた。このイデオロギーの持つ本質的な軟弱さもあり、その教養の梯子を上るのは難しいことではなかった」

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アイロン・ピル:

「そして、私はデンマークを代表する学生グループに選ばれ、ニューヨークで開かれる大きな社会主義者のカンファレンスに呼ばれた。用意されたプライベート・ジェット機に搭乗した時の自分の未熟な甘ちゃんな興奮をよく覚えている。私はその偽善・欺瞞に気付いていなかった。

そのカンファレンスは4月15日に行われる予定だった、しかし、このジェット機が着陸することはなかった…」

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アイロン・ピルの同志:

「何があったんです?」

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「Eyjafjallajokullが起きたんだ(*wot u m8?笑)(*2010年のエイヤフィアトラヨークトルであった火山の噴火、が起きたんだ)」

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女性パイロット:

「cisカスが、くたばれ!(*スターウォーズの独立星系連合のネタ?)」

アイロン・ピル:

「アファーマティブ・アクション(女性や黒人の優先登用)で採用されたパイロットが迂回せよという無線指示を「ペトリアーカルすぎる、男尊的すぎる」として無視したんだ」(*この辺は高度なネタ文でほぼすべての単語がネタ的に"かかっている"と思われる)

ジェット機の警報:

「進行を停止してください!!」

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アイロン・ピル:

「混沌が広がる中、私は冷静さを保とうとした。怒り狂った左翼主義者がキャビンで罵声を飛ばしていた」

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アイロン・ピル:

「死が迫っていた。

私は最後の瞬間を、トロツキー主義者の騒音の中で過ごした」

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アイロン・ピル:

「ジェット機は北海に沈み、乗客は皆死んだ」

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アイロン・ピルの同志:

「え、ちょっと待って?」

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アイロン・ピル:

「いや、これがスティエン・フィッツポルソンンの、幻惑の中を生きていた学生の、死だったんだ…」

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アイロン・ピル:

「神秘的な岸辺に打ち上げられた、ただ一人の生存者、この男が今の私に成ったんだよ」

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アイロン・ピル:

「ここはどこだ?ゲホッ」

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謎の人物:

「ツーレにようこそ、小僧」

続く

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