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症状から疾患を予想する②総論~聴診・打診~

前回の視診で目で見て疾患を予想するパティーンをまとめてみたわけだが、今回は耳で聞いてバージョン。
聴診器で患者さんから自然に発生してる音を聴いたり、叩いて出た音を聴いてみたりする。

聴診

心音

心臓は絶えず拡張(等容性弛緩期→充満期)と収縮(等容性収縮期→駆出期)を繰り返して、ポンプ的に血液を全身に送っているわけだが、心音を聴くことで問題なく働いてくれているかなんとなく分かる。
どっくんの「どっ」が第1心音「くん」が第2心音。
第1心音は低くて、第2心音が高いらしいけど、葱が音感無さすぎるのか全然分からん(笑)
第1心音=収縮が始まる音(等容性収縮期)
    =充満完了=房室弁が閉まる音
第2心音=拡張が始まる音(等容性弛緩期)
    =駆出完了=動脈弁が閉まる音

心音は弁が閉まる音
~弁の位置関係もおさらい~

心音が
弱くなるのは周りから圧迫されたり(肺気腫とか)心筋自体がやられたり(心筋梗塞とか)で心臓の動きが悪くなったとき。
強くなるのは興奮気味だったり(甲状腺機能亢進症とか)弁の動きに問題があったり(弁膜症とか)で弁が閉じるときの圧が大きいとき。
※ 弁膜症はいろんなタイプがあって、僧帽弁閉鎖不全症とかだと第1心音が弱くなったりもする。

呼吸音

空気の通り道は気管&気管支なので、息を吸うときも吐くときも気管気管支呼吸音が聞こえて、空気で肺が膨らむとき(吸うとき)に肺胞呼吸音が聞こえる。
弱くなるのは、肺が水とか空気で圧迫されて換気量が少なくなったとき(胸水とかCOPDとか)
強くなるのは、換気量が多くなったり(過換気症候群とか)音が伝わりやすくなったとき(肺炎とか)
※ 空気より水のほうが音が伝わりやすいので、同じように呼吸をしても肺に水が溜まっていると音が大きく聞こえる。(肺炎とかで肺胞に水が溜まってると大きく聞こえて、まわりの胸膜に水がたまって肺が膨らみづらくなると音が小さくなる感じだと思ってる。)

呼吸音いろいろ
~ベルクロラ音の由来が会社名なのがじわる~

副雑音は、名前だけでなんか複雑な感じがするけど、葱は呼吸器専門じゃないのでシンプルに考える。
大きく分けると二つ。
連続性(乾性)ラ音と断続性(湿性)ラ音。
連続性ラ音は、気道が狭くなっているときに聞こえる音で、どの辺が狭くなってるかによって音の感じが違う。
断続性ラ音は、肺炎とかなら水泡がはじける音で、肺線維症とかは線維化した肺が一気に開く音。

腸雑音

腸が元気なら普通にぐるぐる音がなる。
腸閉塞とか急性腸炎(食中毒的なやつ)とか、頑張って出そうとしてるときはめちゃ音鳴る!
麻痺性のイレウスとか腸が頑張れないときは無音…

腸の音が大きいとか小さいとか
~グル音ってドイツ語とか英語が由来なんだって…グルグルいうからグル音じゃないんだって…~


打診

体を叩くと中身によって音が違う。
肺(清音)を基準にすると…
胃みたいなスカスカ系(中空性臓器)はよく響いて(鼓音)
肝臓みたいなミッチリ系(実質性臓器)は響かない(濁音)
なので…
まわりに水たまったりで肺の空気が減っちゃうと(胸水とか)すると濁音ぎみになって
空気でパンパンになっちゃう(COPDとか)と鼓音ぎみになる

打診法
~はりきってやると指痛い~

実際に自分や身近な人の音を聞いてみよう!

身体の音を実際に聞いてみると意外と面白い。
時々自分の心音やら呼吸音やら聞いてみるが、体調悪いときとかに聞くといつもと違う音が聞こえてくるので、勉強にもなるしちょっとテンションも上がるし一石二鳥。
お家用なら何万円もする奴じゃなく1000円くらいので十分。
ちなみに葱は↓を購入。耳の部分の方向さえ間違わなければ普通に聞こえる。

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