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#2 願えば叶う 創造的起業のすすめ「想像力を高め自分流の企画術を身につける」

皆さん、こんにちは!㈱アート・ラボの髙木です。

さて、いきなりですが「企画」の定義ってなんでしょうか? 「企画」というと、人はまずプランニングという英語に馴染みがわくかもしれませんね。
しかし、プランニングとは「計画」という意味合いが強いので、少し違ってきます。
英語で表現すれば、私は「デザイン」という言葉の方がしっくりきています。デザインという言葉も「絵を描く」というような狭義に捉えられがちですが、絵を描かなくてもデザインすることはできます。この場合には、「想い描く」という意味の方が重要だと言えるのではないでしょうか。

この「想い描く」ことこそ、起業にあたっては一番大切な事だと私は常々思っています。
そう、想像力。想像力こそが人間に与えられた最大最強の能力であり、想像力が欠落していれば何も始まらないとさえ思っているのです。(極論ですが!)
では、「企画力」はどうしたら高められるのか?この問いに話を戻しましょう。
「企画力」については、私自身の最初の仕事が企画開発の仕事だったということもあり、企画という言葉については、若いときから馴染みがあったのですが、そのころはモノを作りだすことが企画だと思っていました。実際にモノのデザインを考えて製品として世に送り出すまでのことだと思っていたのです。
しかし、それはほんの一部分しかとらえていないことに後で気づくことになります。

企画力を高める方法とは、一言でいうなら想像力を高めること。
しかしそれでは、想像力を高める方法は?という連想クイズの様相を呈することになってしまいますが、いくつかある想像力を高める方法のうち私が一番おすすめなのが、アマノジャク法という方法です。

実際に「天邪鬼」とは、何でも人の反対を言う人のことや、ひねくれた性格の持ち主という表現をしますが、実際にそうしなさいということではなく、「当たり前だ、とか常識だ」、とほとんどの人が思っていることに対して、まず疑ってみるということです。
それは人類がその「疑問や疑い」を梃にして進歩発展してきたからに他ならないのです。
アイザック・ニュートンの万有引力の発見や、エジソンが度重なる失敗の連続からも逃げずに発明王と呼ばれるまでに至った経緯からみても理解できることです。


Point1:
【常識を疑ってかかる 天邪鬼的な思考経路を意識して持つ】

私たちは、日ごろから社会生活を維持してゆくために、その思考にいろいろな制約を自ら課しながら生活しています。まず、疑問を持つことが習慣になっていないひとも大勢いますので、いかにそれを習慣づけるかが大きな出発点です。

Point2:
【対局のキーワードになる言葉を複数持つ】


これは、今日からでもすぐに試せる発想の転換方法です。
1.子供用を大人用にする   2.男性用を女性用にする
3.海外向けを国内向けにする  4.室内用を野外用にする
5.ベスト3をワースト3で思考する。 6.大きなものを小さくしてみる

賢人は「発想の転換をしなさい」、とよく言いますが、具体的なその物差しがなければ、私たちは、どういう風に頭を切り替えたらいいのか対処できないものです。
そのような時に上のようなキーワードをたくさん作っておけば、いつでもそのツールに基づいて切り替えられるということです。

1.の例では、おむつがあります。おむつは幼児用という概念しかありませんでしたが、少子化によって売上は激減します。しかし老人が増えしかも長寿になるにつれてその需要は大きくなり今や大きなマーケットになっています。(おむつを老人用にして考える)
4.の例では、いまから40年ほど前の話になりますが、ソニーのウォークマンが該当します。当時までは、音楽は室内でしか楽しむことがなかった時代でした。
音楽を野外でも聞ける娯楽にしたのは、画期的な出来事のひとつでした。
当時は世界がSONYを注目していましたし、かのスティーブ・ジョブズもSONYから影響をうけていました。


Point3:
デパートや商業施設の全フロアー視察(定点観測)


これは、私が商社時代に、上司から課された週末の日課でした。
ポイントは、全フロアーへの視察というものです。屋上から地下までくまなく見て回るという行為なのですが、当然のことながら女性下着売り場へも行かざるを得ず、大変恥ずかしい思いをもちながら仕方なくやっていました。
当然、店員さん(全員女性)たちから白い目でみられ、ひょっとして変質者だと思われているかと危険さえ感じていたのを思い出します。
そのような時、若い私がとった行動は自分の彼女を探すようなふりをしてその場を逃れていました。
いま、こんなことができるのかどうかは非常に疑問ですが、その努力(努力と言えるのかどうか?)はやがて実を結びます。
フロントホックブラという名前のブラジャーがあったのですが、そのキャッチフレーズは「片手で簡単に外せる」というものでした
当時、スキー用品も企画を任されていましたが、スキーバックの前に小さなポシェットを取り付けて、スキー小屋に行って大きなバッグを置いて、その前についているポシェットだけを首からぶら下げてスキーをするというものです。スキーグローブをはめていても簡単に着脱できるポシェットのヒントになりました。

当時は、市場調査(マーケティングリサーチ)というとその言葉通り、それらを販売している場所に出向き他社のモノも見て、また消費者の購買行動も観察することが市場調査だと考えられていたように思います。そしてその行為は半ば義務付けられていました。
しかし、私の上司はすこし人と違っていました。


「スキー板を考えるのに、出来上がったスキー板を見てもしょうがない」と言われたのです。私も同感でした。違うジャンルの違う製品を見るならまだ意味がありますが、目線を変えなければ同じ類のものしか生み出せないという、極々当たり前のことです。どこの業界でも明らかにコピー商品とわかる商品が山のようにありますが、どこの会社の担当者もおそらくは同業他社のことばかり調べて、そこから抜け出せないでいるのでしょう。いいアイデアは参考にさせてもらってもいいと思うのですが、そのうえでもっと新たな価値を生み出すものに進化させるべきでコピペするものではないはずです。

Point 4: 
【K J法という方法:アイデアを集積し定期的に閲覧してテーマに基づく要素を引き出す】


これは、とても役に立つ方法です。
①文章やキャッチフレーズなどを書き留める。
まず、アイデアが浮かんだらメモカード(昔の単語帳カードが最適)にそのアイデアを書き留めます。メモカードには必ず一つのアイデアしか書かないようにします。
②雑誌の切り抜きや画像などを同じぐらいのサイズに加工して空になった菓子箱などに保管しておく。
この2点を継続的に作業として続けます。
やることは、なんとこれだけです。

それが、何カ月、何年と続けることで大きな気づきの源になるということなのです。
それは外からただ与えられた情報ではなく、自分の思考のその時のテーマ性や感性などのフィルターが掛かっている情報なので、脳の中のシナプス回路をビジュアル化するというイメージです。
そして、必要な時に箱から全部を出して神経衰弱ゲームのようにテーブルに広げるのです。後は、ランダムに組み合わせてみて、つながるイメージや2つを合わせた時のキーワードなどをチェックします。

思いがけない発見がそこにはあります。
無意識に選んだ2つのアイデア、あるいは2つの画像の切り抜きからびっくりするようなアイデア(これこそが企画の糸口となる)が生まれるのです。

POINT4のまとめ
①一つのメモカードに一つのアイデアを記載。また、写真や画像データも個別に切り取り、空き箱に保管。
②6カ月、あるいは1年ほどの期間を経て、すべてのメモカードを箱から出す。
③ランダムに組み合したりして、共通するキーワードやその展開を見つける。


これは、ひょっとしたら現在はアプリでもすでにできるようになっているかもしれませんね!どなたか知っている方がいらっしゃれば教えていただきたいです。ただし、自分のイマジネーションだけはAIに託さない方がいいと私は思っています。

キーワード検索や、グルーグルトレンドなどと根本的に違うのは、よりパーソナルな個人の脳内の情報整理システムということになります。市場が今関心を持っていることをマーケティング的に合理的論理的な方法で拾うということとは、全くその目的が違ってきます。

もともと企画とは?何だろうっていう問いに対して、私は別の言い方をすれば、次のように考えています。
企画とは=情報の収集 ⇒選択 ⇒組み合わせ ⇒再加工
(⇒の各プロセスでは感性が必要)
それは、プロダクトデザイナーでも音楽家でも私のような調香師でもみんな思考の道筋は同じように思います。
AIが取って代われる部分もあると思いますが、決定的に違うと思っているのは、そこに感性がかかわっていなければ創造的な作品とはなりえないのではないかということです。理性と感情の狭間で生まれるパッションのようなもの。それこそが人間のために人間が生み出すべき価値そのものだという信念からです。

皆さん、今回はいかがでしたでしょうか?自分流の企画術を手に入れて創造的な起業のヒントを是非つかんでください!

次回の「願えば叶う」第3回は、「頭の体操」についてお話いたします。是非おたのしみにしてください。


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