加茂市立図書館と坪谷善四郎
ここしばらくの間、科研費の研究のため、新潟県の加茂市立図書館に行って調査を続けています。
ここは博文館の編輯局長であった坪谷善四郎の郷里であり、彼の寄付によって設立された図書館が、今日まで伝わっています。坪谷の関係資料が寄贈されていることもあって、博文館の研究をするため重要なものがいくつも残されているのです(その辺のことは最近はWikipedia記事にも載ったようです)。
また、その史料についての調査結果もあります。
もともと卒業論文で、博文館の『太陽』で活躍した高山樗牛を研究テーマに選んだ私は、浅岡邦雄先生の論文でたまたま加茂に坪谷の日記があると知って驚愕。修士論文執筆のためにお伺いして、日記を見せていただき、さらにたくさんの関係者からの書簡も残っていることを知って、これって宝の山なのでは…と思ったのでした。
それが2003年頃なので、途中、就職したり別のテーマに移ったりして間は空いてしまったのですが、20年かけて何とかしてこれを活用できるようにしたいと思ったことが現在に繋がっています。
※なお、部分的な成果は、かつて以下の論文にまとめました。
今回の研究の目的は、吉田先生の調査結果をさらに発展させて、坪谷善四郎史料の全容を明らかにし、目録を作ることです。
坪谷自身がとても研究対象として魅力的であること、それは図書館史・出版史・文化史の上で本当にそうだということが、この頃の実感です。
今回の研究によって今後の研究の発展に貢献出来たらと考えております。