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1875年のイギリス人と日本人比較論

英国は自進んで交易を開きしものなり。わが国は米人に逼られ止むことを得ずしてこれを開きしものなり。英国の民は心計に長じ、工作に巧なり。わが国の民は心計に短く、工作に拙し

西村茂樹「自由交易論」山室信一・中野目徹校註『明六雑誌』下巻、p.33

『明六雑誌』第29号(明治8年2月)の論説であるが、へえそうなんだ…。という印象。

ジャポニズムの流行を知って、日本が世界に誇れるのは美術なんだという勢力が大きくなっていくのはやはり明治20年代であって、明治8年くらいだと、日本人はイギリス人と比べて「工作」(この場合は手先が器用とかいう話ではなく工業生産物だと思うが)に拙いっていう見方をするのだなあと改めて思った。

日本文化論や日本人論はやはり時代によって移り変わるものだ。

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