Uber配達員がマック前に待機する真の理由

Uber配達員の記事や体験レポートなどを読んでいると「マック地蔵」という言葉がよく出てきます。
これは配達のリクエストを受けていない待機中の配達員がマクドナルド近くに集まることを意味しています。

現在のUberは店に注文が入り配達員に呼び出しをかける際、ある程度の範囲内からランダムに選ぶシステムになっているらしく、わざわざ狙った店の目の前で待つ必要は必ずしも無いそうです。
しかしかつては一番近い配達員から呼び出しがかかるシステムだったらしく、その当時はマクドナルドの目の前に待機中の配達員が大勢群がっていたのではないでしょうか。
システムが変更されたのはそれが問題視されたからかもしれないと思います。

というのは、事実としてあらゆる店の中でマクドナルドからの注文がダントツで効率がいいからです。おそらく一度配達員を経験すれば誰でも理解できるレベルではないでしょうか。それほど歴然としていると感じます。

効率がいいというのはどういう意味かというと、端的にデリバリーの距離が短いということです。Uberでは配送距離に応じて配達料が支払われるのですが、この距離料金の計算は割がよくないため、遠いのは基本的に損で、近ければ近いほど効率がいいといえます。
マクドナルドのデリバリーは距離が短い。
だから配達員に人気で、みんなマックからの依頼を受けたがるのです。

その理由に関しては「マクドナルドは店舗数が多いのでエリアが狭いから」と説明されることが多いと思います。これはある程度まではそのとおりでしょう。
例えばモスバーガーの配達で隣の駅まで運ばされることはよくあります。隣の駅前にはモスがないからです。それに対してマックであれば、ほとんどの生活圏に存在するため隣の駅まで配達することはまず無い訳です。

ですが、私の実感としてはこれだけではマック最強伝説の説明として不完全だと思っています。
というのは、マックの配達はマジでめちゃくちゃ近いからです。
だからこそどのエリアの配達員も決まってマックに群がっているのです。
私の一ヶ月の体感で語るなら、マックの配達距離は平均値も中央値も1キロ未満だと思います。
数字で言われても未経験者にはピンとこないかもしれませんが、私が配達しているエリアでは大体2キロ前後の配達が多く、1キロ未満の配達自体がそもそもあまり無いというレベルです。
だって、普通に考えて距離が1キロ未満なら歩くなり自転車なりで買いに行きませんか？
それがマックは６００ｍとか余裕であります。なんなら４００ｍもあります。一番近かったときは２６０ｍでした。
自分で取りに来いよとツッコミたくなる気持ちを抑えて「まいどありがとうございます～」と笑顔で配達しました（その距離運ぶだけで３６０円とかもらえるから）
マックはそれが当然で、１キロ以上のこともまあまあありますが、２キロ以上運ぶことはかなり珍しいです。
店舗数が多いからだというのがその答えかもしれません。ただそれにしても近距離からの注文が多すぎることの説明にはなっていないのです。

私の考えを言いましょう。
そもそも、いいですか。よく考えてみてください。
出前を取るというときにマクドナルドを選ぶこと自体がちょっとよくわからないのです。
だってマックって安くて早くてその割にはそこそこ美味いみたいな食べ物じゃないですか？
割増料金で、配達の時間もかかって、出来たてでもなくなるし、デリバリーにしたら利点全部消えてるじゃないですか。てか、家でマック食います？もっといいもん食おうよ。

それなのにマックをデリバリーで頼む人が何故こんなにも多く存在するのか。マックは配達件数も他の店より圧倒的に多いです。みんなめっちゃマックデリバリーしてます。
私の仮説ですが、彼らはマックを食べることが習慣化していて定期的に食べることが日常のルーチンになっているのだと想像します。
マックを選択することに理由はない。むしろ他の選択肢を選ぶのが面倒だから「とりあえずマックでいいや」「マックでも食うか」と惰性的にマックを食っているのです。彼らはもはやマックを値段とか時間で選んでいない。
出前を取る候補の中からマックを選んでいるのではなく、マックを食うときに買いに行くのがダルかったから出前で注文しているのです。
そしてそういう習慣が身についている人というのは、そもそも自分の生活エリア内にマックがあって、ちょっと外出した帰りとかに頻繁にマックを食っていた人たちです。
マックが遠くて「わざわざマックを食う」となる人間は習慣化するほど頻繁に食べることはないし、他の選択肢も視野に入るし、出前を取るとなったらなおさらもっといいものを選びます。
マックを頻繁に食う人間はマックの近くに住んでる人間だけ（遠くに住んでる人間はたまにしか食わない）

これが私の考える、マックの配達だけが異様に距離が近い理由です。