漫画家がWorld Maker使ってみた
先日、Twitterで集英社の化物編集者・林士平氏がこんなツイートをしていました。
「World Maker」は
「絵が描けなくても、
頭の中にある物語をビジュアル化することができる
スマートフォン専用の無料Webサービス」とのこと…
集英社、漫画出版社最大手なのにどんどん新しいことにトライしていく姿、、、本当にすごいです。
スマホで簡単4つのステップで、漫画のネームを世の中に公開できる!
現時点で既に背景、キャラクター、オノマトペ、さらには「いらすとや」など使える素材は約60万点!
さっそく自分もつかってみて、思ったことなどを記事にしました。
World Makerの何がすごいのか
僕が「すご!」と思った理由は、このサービスがあれば、漫画を描く人が増えるかもってところ。
これについては林士平さんも下記のインタビューで答えている通り
「漫画をつくる人を増やすにはどうすればいいのか」を考えてこのWebサービスの着想を得たのだそう。
漫画を描く人が増えると、相対的に漫画に親しむ人も増えるので、経済圏全体が大きくなります。
クラスタ化社会は経済圏の陣取り合戦です。
もちろん自分個人の生活もうまく立てていかなければならないのですが、自分の関わる業界全体が盛り上がることも、全員が頭の片隅に置いておかねばならない時代になりました。
「我々は一個人でありながら、宇宙船地球号の乗組員の一人だ」という意識が、最近世界的に叫ばれているのも、日常生活の中でもそういう視野に立たねばならない局面が増えているからだと思っています。
ただ、個人で業界全体に影響を及ぼすような貢献するのって難しいので、こういうお上が動いてくれた時には精一杯応援しよう!という感じで今回記事にしております。
おすすめの使い方
World Makerは具体的にどんな人にとって良いサービスなのか?
実際に使ってみて、現段階で思ったことを書きます。
・エッセー漫画
World Makerでできるのは、絵が描けない人でも簡単に漫画が作れる、ということで、現段階ではアイディアや構成自体は自分でしなきゃなので、ここを突破してるものが適していると思います。
エッセー漫画は、実際に起きたことを思い出しながら描いていくので、まさにWorld Makerのいい所を存分に使えると思います。
日々のツイートなどを漫画化して、より多くの人に届けてはいかがでしょうか??
現在一つのトレンドとしてタグのブーストもかかっているので、World Makerを使うことで、普段届かない場所にも届けることができます。
・解説漫画
他メディアと比べての漫画の情報量の多さと伝達性の高さは、自分が卒論に書いたほどで(…それは何の説得力もないですが)、でも実感として多くの人が持っているはずです。
テキストで伝えた方が早いところと、絵で伝えた方が早いところを上手に使い分けながら、しかも低コストで分配することができます。
しかも漫画は動画と違って自分のペースで読めるので、時間当たりの情報伝達量がめちゃめちゃ高いです。
World Makerを使うことで、どんな人でも気軽に最良コスパで情報を伝えられるような時代になるかもしれません。
また、これはちょっと専門的な使い方になるかもですが、漫画家さんに作画を依頼したいときに、クライアントの人がイメージを伝えやすくなるかと思います。
工数を一つ減らせるので、コストを削減できる可能性があります。
・すでにあるテキスト作品の漫画化
自作の小説などを漫画にすることで、より多くの人に届けることができるかもしれません。
現段階では表現手段が限られているので、面白さの再現度・解像度は独特なラインになってしまうかもですが、逆にそれを利用した作品や作家さんも出てくるかもしれませんね。WM作家!!
また解説漫画の時と同様に、原作者としてコミカライズのプレゼンの時にも使えると思います。
WroldMakerによって業界は変わるか?
先ほどWM作家とか書きましたが、、、
最近自分が思うことは「漫画家」という枠組みは、職業としてすでにもう大きすぎるのでは?ということです。
職業欄に「IT系」と書かれていても、何してる人なのか分かりませんよね?そういう感じです。
縦スクロール漫画もTwitter4P漫画もWeb漫画も紙雑誌漫画も、共通してるのは絵とコマとセリフで情報を伝えるというところだけで、トレンドも演出もあらゆるものが違います。
そこに今回新たにWorld Makerが表現の手段・媒体として加わった、というのが僕の認識です。
漫画家の仕事がなくなるのでは…?なんていう声もありましたが、それは自分次第だと思っています。
写真撮れば伝えられる情報を、写真と見間違うくらいリアルに描くことに情熱を燃やしている人がいますよね?
そして、それに価値を感じて、相応の対価を払う人もいます。
大事なのは、「自分が何が好きで何にこだわっているか?」ってことじゃないでしょうか。
World Makerがどんどんアップデートされていったら、いずれ漫画の基本的な作画・演出は自動でできるものになってしまうかもしれません。
そんな世界でも、そこにない新しいものを作ったり、あえてそれを人の手でやりたいと思う情熱の方に、価値の重心がシフトしているような気がします。
終わりに
先日、声のフォント化アプリもリリースされました。
World Makerでもセリフが音声化されたり、動画化されていく未来もあるかもしれません。
何しろ、Manga MakerではなくWorld Makerなのだから。。。
ちなみにWorld Maker以外にも、コミPo!という、漫画を3Dで作るアプリもあったりします。
そうだ、WorldMakerでつくったネームでのコンテストの開催もやっているようです!!
これを機に応募してみてはいかがでしょうか!!?
自分でも気が付いていなかった才能が隠されているかも!!??
あと、僕がつくったやつはこちらです!!
説明くさい漫画ですみません。
それでは、次回の記事でお会いしましょう!!
(取材協力:Carot)
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