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Twitterのアイコン、漫画家が作ります

こんにちは、漫画家の根田啓史です。

先日Twitterで、以下のような募集をかけました。

そして悲しいことに、一人も依頼が来ませんでした…(涙)
一人もです。


僕はよくスベるので、まぁそっかと思ったのですが、
発言の意図が伝わってなくてスベることも多いので、一応改めて企画意図をまとめてみます。

これでも依頼が一つも来なかったら、「根田啓史」が微妙ってことなので、、、まぁそれはそれで、その悲しさをバネに引き続きがんばります(お…覚えてろよ)。


さて、

企画意図を一言でいうと、
「ネット上にゆるいステークホルダーを生み出し、関係性に低リスクのレバレッジを掛ける」

ことです。

以下、背景を踏まえたりしながらもう少し詳しく書きます。


ゆるいステークホルダーを生み出す

ステークホルダーというのは利害関係を共有する人のことです。

近年、個人化・分散化が叫ばれていて、多分日本での本波はこれからくるのだと思うのですが、あくまでそれは歪んだ組織を最適化するために一度展開しているステップにすぎません。

人は一人では生きられませんし、協力することでより大きな問題を解決する生き物だということは変わりません。
必ず、新しい形で人は協力します。

そこで今、僕に見えているラインの一つが「ゆるい協力」です。

これは二年ほど前、プロ奢ラレヤ―とえらいてんちょうさんがやっていたサロンで「あいまいな○○」という表現をしきりに使っていて、これや!!と思ったのですが、「あいまいな」って使うとパクリになってしまうので、「ゆるい」と言い直してますが、完全にそこにインスパイアされたワードです。

契約するほどでもなく、財布を共有するわけでもなく、ただなんとなく近くで活動していることでお互いのチャンスが増える(感じがする…)って感じの関係性です。

(無断で)エルモさんの件を例にさせていただきます。

始まりはこのツイートでした。

エルモさんはマーケーターの方で、いつもマーケティングの情報を分かりやすく伝えてくださっているのですが、個人的に切り口や考え方がとても好きだったので、自分から手を挙げてアイコンを描かせて頂きました。

そうしたら、当たり前っちゃ当たり前なのかもしれないのですが、そこから僕はエルモさんのツイートや言動に、より注意を向けるようになりました。

自分の描いたアイコンのせいでフォロワー減ったらどうしようとか、エルモさんの発信している情報の価値を、フォロワーの人たちにも知って欲しいとか、そういう気持ちがそこはかとなくわいていたんです。

そして、リプライでのやり取りや、お互いのRT等も心なしか増えた気がします。

僕は今、誰かがマーケーターを探していたらとりあえずエルモさん紹介してしまうと思いますし、
僕のフォロワーの人たちも、3割くらいの人はエルモさんの存在自体は何となく認識しているのではないでしょうか。

偶発的な始まりだったのですが、Twitterのアイコンを描いただけで、僕とエルモさんはゆるいステークホルダーになってしまいました(エルモさんすみません)。
そして、これってとても興味深い現象だなと僕は思いました。


個人事業主に必要なのはリスク

個人事業主に必要なものはなんだと思いますか??

僕は「リスク」だと思っています。

色んな会社の社長さんたちを見てください。
みんな必死にやっているのは、多額の借り入れをしたり、社員たちの命を預かっているからだと思います。

一方、僕のような個人事業主は身一つです。何となく生活できていたら、すぐ「まぁいっか」となります。。。
そこで「いやいや頑張らないと」ってなるには、相応のリスクを背負う必要があると思っています。

実際、自分を追い込むためにあえて身の丈に合わない家賃の仕事場借りたりする話もよく聞くのですが、
特に漫画とかって、死ぬ気で頑張っても面白くならない時はならないので、そういう乱暴なリスク背負うのを僕は得策とは思わないです。

そこで目をつけたのが、関係性にリスクを持たせることです。

仕事でTwitterを使っている(?)エルモさんのアイコンを描いた手前、僕には謎の緊張感が生まれました。

エルモさんが頑張っているのを見ると、僕も頑張らないとと思ってしまいます。
「俺、この人にアイコン描いてもらってるんだぜ」って自慢してもらえるような作家でありたいと、柄にもなく思ったりしてしまいます。

これは自分にとって、結構大切な緊張感な気がしていて、
「お金返さなきゃ」とか「利益出さなきゃ」みたいな目先の圧よりも、最終的には大きな目標に対する圧力だと感じます。

だって周りもどんどん成長していくわけですから。。。僕のステークホルダーの中からマークザッカーバーグみたいなやつが出現したら、1億の借金より圧デカいです。

逆に、僕が結果を出せば出すほど、実際にエルモさんの所属しているクラスタも引っ張りあがっていく可能性があり、エルモさんにも緊張感を持たせてあげられるかもしれません。
一方で、もし僕がボロボロに敗北して逃げ出してしまっても、借金取りは僕を追いかけませんし、エルモさんはしれっとアイコン変えるだけおしまいです。

双方にとって効果が見込める質のいいリスクだと思いませんか?


Twitterのアイコンが背負うもの

ところで、Twitterのアイコンについてなのですが、
皆さんはどんな気持ちで使用していますでしょうか。

Twitterでの顔のように思ってる人が多いと思いと想像してますが、いかがでしょうか。

でも僕は、ぶっちゃけ実際にその役割を果たしている人って、ショービジネス界隈とコンテンツ界隈の人だけだと思っています。

アイコン見て「あ、この人Twitterやってたんだ!」とか「ウソ、この人可愛すぎじゃん」てなる場合です。

Twitterはテキストのメディアなので、Twitterの顏はあくまでプロフィール欄で、身はツイート、
アイコンはあくまでそのサポートという扱いだというのが自分の考えです。

アイコンは「今の気分」を顕しているくらいの感じだと思っています。

だってアイコン変わったからフォロー外したっていう経験ありますか??

あ、変えたんだ…でおしまいじゃないですか??
勿論多少の違和感はあると思うんですけど、大体は二週間も経てば、前のアイコン見て、あれこんなんだったっけって思うはずです。

ただ一方で、TwitterのTLで自分の持てるスペースはとても限られていて、アイコンにも情報を載せられれば、伝えられる情報が増えるというのは事実だと思います。

だったら!!!!!!!

だったらなおさら、そこ真剣に考えてくれる人に頼んだ方がよくないですか??
ましてや、他にない自分のためだけのアイコンあったら、ちょっと気分上がりませんか??

応募があれば、どんな印象にしたいか、どんな情報を入れたいか、初めに詳しくヒアリングします。

そこから、僕がその人の良いところを提案してみて、話がまとまれば制作に移ります。

募集条件に「リテイクなし」と書いているのですが、それは自分のことになると皆こだわりが強くなるから、あえて強めに言っています。全く応じないつもりではありません。


というのも、これは似顔絵とか描くと起こるあるあるなのですが、皆自分のことをデフォルメされると、少なからずモヤッとします。自分で決めたのではなく、他人に評価されたような感覚になるからなんでしょうかね…自分でもそうです。

でも、そこを細かく話し合うのは、結局気持ちを納得させるためのケアに過ぎないことが多いです。だったら、アイコン変えた後にするケアの方がよっぽど意味があります。

そして、大抵モヤッとしている人の言う通り詰めていくと、良いものになりません。
どうしても引っかかって、気に入らなかったら使わなくて構いませんので。

だから、その代わり一旦対価として「アマギフ一万円」と書きました。
それですべて一度清算するという意味です。
無料だと、描いてもらった手前、使わなきゃ…という心理が働くかもしれません。それをアマギフ一万円で消します。

使っても使わなくても構わないと書いているのは、そういう意味です。

ちなみにアイコンもいくつか作らせてもらった経験がありますが、クライアントワークの時は、キャラデザ込みだと代理店通してる時でも5~10万円くらいはいただいています。


クラスタ化した世界で生きる残る秘訣

スマホの普及率が一気に増えた2010年以降、インターネットは本当の意味で人々の暮らしに溶け込みました。実体経済の方も、どんどんインターネット上にシフトしていると感じています。

そこで起きているもっとも重要な変化の一つが「クラスタ化」だと僕は考えています。
それは、関係性によって広がっていくというネットの性質、ネットが抱える膨大な情報量、そして、個人の感受性の限界によって、僕たちは思ったより遥かに小さな世界観で生きていくことになる、という意味です。

その世界でより便利に生きるための方向性は2つで、
一つは、所属するクラスタ自体を大きくすること
もう一つは、クラスタの中で存在感をもつこと
です。

まず、所属するクラスタを大きくするためには、関係人口を増やすしかありません

僕はあえていろんなジャンルの漫画を描くようにしています。TwitterはRTによって、クラスター外の人に容易にアプローチできるので、様々な切り口を取ることで、普段自分の周りにいない人にも漫画が届くようにと常に願っています。

また、僕はフォロワーに漫画以外の情報も意識的に共有するようにしています。
フォロワーの世界観が広がっていけば、結果的に自分を取り巻く環境の裾野も広がっていくからです。すぐの効果は見込めない地道な活動ではあるのですが、素直にそう思って続けています。

そういう思考で活動している僕がステークホルダーになれば、関わった人の世界観もきっと少しずつ広がっていくはずです。


また、ネット上のクラスタは、似た者同士が集まる傾向がより強いです
これはネットの良いところでもあり、悪いところでもあるのですが、つまり競合の加速とポジショントークが常に重くのしかかります。

クラスタ内で良い仕事をしても、供給過多で買い叩かれてしまいますし、参入者は後から来たってだけで、古参からマウントを取られ続けることになります。

そこで、ジャンルの違う場所のクラスターを混ぜ合わせることで、お互いが仕事の希少性の高い場にアプローチしつつ、そこに新しいポジションを作ります。

たったアイコン一つで、意識的にそういう関係性を作れるのかもしれないってのは魅力的なことではないですか??

漫画家・イラストレーターの価値を高める

これは、個人活動始めてからずっと言っていることなのですが、
僕は世間が、漫画家の広報者としての価値を安く見すぎてると思っています。

PR漫画の仕事も少しずつ増えてきているとは思うのですが、不運なことに、従来のようなマス向けのPR自体が機能しなくなってきているので、今後もそんなに単価は上がらないんだろうな(むしろ下がるまである)と思っています。

でも、漫画の真価はもっと別のところにあると思います。

・漫画家はキャラクターを作れます
商品の便利さが飽和して、便利さより物語が重要だと言われていますが、
漫画家は物語を作れます

・漫画家は顧客と直でつながっています
漫画家は漫画という強な武器によって、たくさんのフォロワーを抱えています

・漫画は情報感受性がめちゃくちゃ高いです
漫画は動画よりも速い速度で、よりたくさんの情報を伝えることができます

これはPRというよりコラボレーションになるので、色々と工夫が必要ですし、そういう意味での相性もあるでしょう。
でも漫画家と仲良くしていて損はないと思います。

僕はいつか、各企業の広報部署に専属の漫画家が設置されたり、企業スポンサードの個人が増える世の中になってほしいと思っています。

そう、、、この募集って、漫画家仲間からは依頼がないはずなんですよね。。。漫画家は皆自分のキャラクターを持っているので。

特記していないですが、これは他ジャンルのクラスタにいる、クラスタ内で自分と同じような境遇のインフルエンサーに向けた提案なんです。。。

なんかこういう仕事として、前例になればいいなと思っています。
まぁ僕が失敗しても、もっと人気のある作家さん、やってくださいよ…。指くわえて見てるので。。。

一応過去の仕事いくつか

アイコン

個人の仕事

個人の仕事1

個人の仕事2


です。


また長々と書きましたが、いかがでしょうか…
アイコン描いてもらおうって思った方はいらっしゃいますか??

改めて、募集の条件ですが、

・Twitterで相互の方

・アマゾンギフト券1万円(受注・納品後でお願いします)

・リテイクなし(使わなくても結構です。使っている間、僕の援護射撃がたまにあるかも的な感じでとらえて頂けると。。。)

・毎月一名程度の募集(こちらのスケジュールやTwitterでの関係づくりに掛かるリソースの問題です)

※また、もし万が一応募が多かったり、あまりにもジャンルに偏りが出た場合、独断と偏見で優先順位をつけさせていただくことがあります。ご了承ください。


緩いステークホルダーになっていただける方、いらっしゃいましたら、TwitterにリプかDMの方よろしくお願いしますm(__)m

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