MTGパウパー初心者が綴る:白赤シンセサイザー編

 どうもこんにちは。弱小泡沫プレイヤーながら上級者の皆様に追いつくべくnoteを始めてみました、Necronaut/ネクロノートです。
 名前はiPhoneに入っていた曲名から適当に取りました。小学生の時に流行りの遊戯王に背を向けMTGを遊んでいた経験はありますが、実質的にはプレイ歴三年でパウパー歴は一年ちょいです。
「ぱうぱあ?」という疑問符ポカンな状態からスタート切った最下層民。同じ道を辿らんとする方に向けて少しでも有用な、或いは熱いメッセージが伝わればいいなと思い、ここに記します。

さて、今回のお題は彼らです。

1マナ2/2飛行。デメリット持ち。
2マナ2/3飛行。デメリット持ち。

きらめく鷹、コーの空漁師を軸にした飛行デッキです。彼らは場にあるパーマネントを手札に戻さないといけない条件付き生物です。低マナで出せる優秀なクリーチャーかと思いきや、1ターン目から唱える事は出来ない。アーティファクトか何かを唱えておく→そいつを手札に戻すことでデメリット部分を消化するという、一定の手順が必要なのです。あー困ったなぁ(棒)

果たして本当にそうなのかな? 以下に答えがあります。

衝動的(追放型)ドロー。1マナは偉い。
2マナで選択/Opt。食べ物。

「場に出た時」にドローを行うアドバンテージ源を用いればいいのです。
特に強いのは実験統合機。英名のExperimental Synthesizerが本デッキの名前の由来ですらあります。
唱えた=場に出た時にデッキトップをまるで自分の手札であるかの様に使ってもよいのはまだ理解できるのですが、もう一つの「場を離れた時」にも誘発するのが最高に強い理由。
 ①実験統合機を出す、衝動的ドロー
 ②鷹か空漁師を出す。デメリットで統合機を戻す、衝動的ドロー
 ③手札に戻した統合機を出す、衝動的ドロー
 ④3マナ払ってクリーチャートークンを生み出す、衝動的ドロー
いったい1マナのカードが何枚のカードに繋がるんだとツッコミたくなるようなアドバンテージ率。現スタン(24年2月時点)のカードですよ?
もっと恐ろしいのが②~③をループさせても良いという事。私はよく「あーしまった。鷹のデメリット払わなきゃ」と言ってウキウキで使いまわしています。
もっと言うと、統合機のテキストには「プレイしてもよい」と書かれています。これが「唱えてもよい」ですと、土地がめくれた場合無駄になります。〇3ターン目 〇セットランド権が残っている 〇手札に土地がある
という状態がベストコンディションと仮定します。
統合機を唱え、土地がめくれた→プレイする。
空漁師など2マナの呪文がめくれた→手札から土地を置いてからプレイする。
の選択肢が取れるのです。このため、最低3枚は土地が欲しいデッキにも関わらず、衝動的ドローの期待値を当てにして、デッキ内の土地総数は20枚まで絞ることができます。

さて、そこで問題になってくるのが、衝動的ドローの「ターン終了時まで」という制約。鷹と空漁師のガバガバデメリットとは違い、こちらは本当に厳しいものがあります。
例えば前述のベストコンディション状態で3マナの呪文がめくれたとします。統合機自体を唱えるために既に1マナを消費しているため、手札から土地を追加してもアンタップ状態の土地は2枚しかありません。「衝動的ドローでめくれましたが、唱える事ができないため永久追放されます」と宣言する羽目になるでしょう。
では4ターン目、土地は3枚、統合機を唱えるという仮定はどうでしょう? デッキトップに眠っているかもしれない3マナの呪文に備えることはできますが……遅い。遅すぎる。統合機→鷹か空漁師と動きたいのに、4ターン目のベストコンディションを待つためだけに土地を置いてターンエンドをしますか? という問いかけができてしまいます。恐ろしいことにパウパー環境には赤単バーンやゴブリン特攻デッキが存在します。4ターン目に手札アドバンテージを稼いで鷹を出し、5ターン目から2点クロックで殴っていく――などと言う悠長なプレイングはまず耐えきれません。手札アドバンテージよりもまずクリーチャー展開しなさいよと叱られそうな構築です。

勘の良い方はお気付きかもしれません。以上の点から私はある一つの宗教に入信してしまいました。
――――デッキ内に2マナ以下のカードしか入れなければいい。

出た時に2/2トークン生成。これも使いまわす。
ここはアーティファクトシナジーデッキですよ。

赤いカードの歴史、いやMTGの歴史と言っても過言ではない稲妻は勿論4枚入ります。他にもクリーチャートークンを生み出す逆棘の叩拳や、金属術(アーティファクトを3つコントロールしている)達成で稲妻をも超える1マナ4点インスタントの感電破などが有力なカードとなっております。
統合機→鷹や空漁師で空から殴り続ける&逆棘のトークンで地上を固める→相手ライフが7~8に下がったら直接火力圏内――という動きで、充分2マナ以下のカードで勝てるのです! 素晴らしい!

アグロ/バーンデッキにありがちな、最初はロケットスタートを切れるのに、いつの間にか気付いたら手札がスカスカでドローフェイズに賭けるしかない……という残念な展開を回避する。衝動的ドローと形を変えて手札消費を抑え、優秀な白のクリーチャーと優秀な赤の火力の餡子&クリーム二色特盛ケーキなのが本デッキ、白赤シンセサイザーなのです。

以下、もっと込み入ったオリジナル要素の解説を。
正直言って白黒型は好きではないんですよ。税血の刃は確かに強いのですが、ひたすら除去中心に立ち回り、気の済んだところで攻勢に回るっていうのは陰キ……受け身すぎて限界を感じます。例えば相手が自分を上回る除去比率を誇り、鷹と空漁師の8枚を全部落とす勢いで来られた場合、はっきり言ってゲーム時間が長くなるばかりでデッキパワーが足りません。除去をすることで=出鼻を挫くことで有利に立とうとする思想はちょっと。
赤白黒型も何回か試したのですが、ブリッジランドのタップイン比率が上がり、色事故率が上がり、塵塵に弱くなって始動が1~2ターン遅いのは好きになりませんでした。もっと構築が上手い方が回せば強く立ち回れるのでしょうが、あくまでも小型生物を立てて戦うフェアデッキであるという点は重視したいと思ってしまいました。
始動を遅らせたくはない。相手がコントロール寄りの動きをするようなら、稼いだアドバンテージ量ではなく盤面に展開したクロックの高さで勝負したい。押し切りたい。いざという場面で決断し、ゲームレンジを短くしたプランも取れるようにしたい。
そのような思想に憑りつかれた私は、より攻撃的なデッキ構成に組み替えてしまいました。

美食家4積み。思ったより手掛かりドローに回すマナが足りないので1点を取った。
砲弾はサイド落ち。序盤に来られて邪魔な場面が多かったため。

生物の数を16+逆棘2で、比較的多めに取ったのが特色。前述のように、ひたすら除去に徹する立ち回りをされた際に、手駒の数が足りない事態を避けたいという読みで。

金属術で2マナ3/3飛行。ファクト土地頼み。

オーリオックの太陽追いなどは完全に趣味の次元。最寄りのカードショップでストレージを漁る屍肉喰らいになっていた際に見かけ「これだ! 欠けていたピースはこれだった!」と電撃が走ってしまって以来、外せずにいる(条件付きで)優秀な兵士。何が良いかって、空漁師ミラーにも強いんです。濁浪の執政の様なマッシヴ飛行生物なんてパウパーにはそうそう居ないじゃないですか。3/3で毎ターン刻むだけでほぼ素通りなんですよ。空漁師以上の飛行クロックという時点で喪心を吸い込むマスト除去になって墜ちていくパターンもままあるのですが、考えようによっては避雷針。充分です。

執筆時点で最新弾のカード。またの名を赤論争。

また、答えの要求を追加のドローソースに据え、レンバス→胆液の水源に変更したのもポイント。宝物トークンが出れば文句なしだったのですがそうはいかず、でも攻勢を止めないで回しきるにはこれまた充分なピースでした。レンバスを食べるという選択肢は減ってライフレースには弱くなりました。が、プランBでいこう。プランBは何だ? さっさと攻め切るんだよ! の火力脳。思想的に赤好き人間が白の器用さをタッチしたに近いかもしれません。純バーンよりも黒を足してブラッドバーンにして継戦能力を上げた、に似ているとも言えるでしょうか。

やはり宗教上の理由により、サイドボードにも2マナ以下のカードしか積んでいません。塵塵を食らう側の癖に自分は仕返しできないというなんともマゾヒスティックな立ち位置ですが、サイドに入れたいカードはパンパンで溢れた結果となっています。とりあえずはこれで許してほしい。

最後に話をデッキ概要に戻しましょう。この白赤シンセサイザーはMTGにおいて強行動とされる「ダブルアクション」を毎回毎回続けていくフェアデッキです。手札アドバンテージ獲得量が多いあまり、相手からしたら「こいつ何枚引くんだよ」と悪態をつかれそうですが、打ち消し的妨害能力も無ければインスタント確定除去もありません。嵐の乗り切りの様なライフ回復にはイライラし、全体2点火力によってほぼ盤面壊滅状態になり得ます。2マナ以下のカードだけで勝負する。縛りが非常に強い。
でも上手く②~③をループできた時、展開力で圧倒出来た時、最後の一押しを「稲妻感電破7点。対応ありますか?」で終えられた時の満足感は一入です。
初代稲妻から現スタンのカードまでを満遍なく散りばめた、パウパー界における面白デッキ。少しでも魅力を感じていただけたなら嬉しいです。

*追記*
金属術達成のためにアーティファクト土地は4積みにしたいところですが、古えの居住地3枚+大焼炉3枚、平地3枚+山3枚で、ファクト土地と基本土地を対称にしています。やはり親和メタの余波で土地を厳しく追放される恐れがあるため、基本土地さえあれば立て直せる程度に抑えたいのです。

また、これはパウパーの梅澤の十手です(本当か?)。

タップ能力と光輝王の野心家。装備1が沁みる。

中盤以降に暇しているチャンプブロック要員の1/1生物をムキムキマッチョマンに育てることができます。飛行持ちと地上戦と直接火力の三択を相手に迫れるようになるため、押し切るタイプの白赤デッキとしてはピッタリ。ただし、一本先取して次は後攻スタートが見えていたら守勢に回らざるを得ないため、高い確率でサイドアウトしています。
ロマン枠疑惑。だって強い装備品が2マナならば使いたくなるじゃない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?